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北朝鮮弾道ミサイルを発射したことについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は29日、記者団に対し、「挑発行為だ。緊張を高め、危機的な状況の解決を遠ざけるものだ」と述べ、厳しく非難しました。そのうえで、ペスコフ報道官は「朝鮮半島の情勢が最悪のシナリオに向かわないよう、すべての関係国が冷静さを保つことを願う」と述べ、アメリカや韓国、日本に対し、自制を求めました。


また、ロシア外務省は声明を発表し、「国連安保理の決議違反であり、深い懸念を呼び起こすものだ」として、深い懸念を示しました。そのうえで、「長期的で相互に受け入れ可能な問題の解決策は粘り強く、精力的な外交努力によってのみ見いだされる」として、対話を重視する姿勢を示しました。


さらに、声明では米朝双方が互いを刺激せず、自制を示したのち、前提条件なしで対話を始めるというロシアの提案を受け入れるよう呼びかけています。


北朝鮮の国営メディアは、キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長の側近で、党で国際関係を統括するリ・スヨン副委員長が、ピョンヤン平壌)を訪問しているロシア議会下院の超党派の議員団と会談したと29日夜、伝えました。
この中でリ副委員長は29日、新型のICBM大陸間弾道ミサイル「火星15型」の発射実験に成功したと発表した、政府声明の内容を議員団に伝えたということです。


そのうえで「朝鮮半島と世界の平和と安全を守るためのわれわれの努力について、ロシアが正しい認識を持つように強調した」として、核・ミサイル開発を正当化しました。


これに対してロシア側は「朝鮮半島の問題は、平和的な方法で解決されるべきだ」としたうえで、ロシアの主要政党がアメリカとその追従勢力の北朝鮮に対する政策を糾弾していると伝えています。


両国の関係をめぐっては、北朝鮮外務省でアメリカを担当するチェ・ソニ北米局長が、9月と先月の2度にわたってロシアを訪問していて、核・ミサイル開発への国際的な圧力が強まる中、北朝鮮はロシアとの関係強化を図る動きを見せています。


ホワイトハウスは29日、トランプ大統領北朝鮮弾道ミサイルの発射について中国の習近平主席と電話で会談したことを明らかにしました。


会談の中でトランプ大統領は、北朝鮮キム・ジョンウン金正恩)体制がもたらす脅威は高まっており、自国と日本や韓国などの同盟国を防衛するアメリカの決意は揺るぎないと強調したとしています。
そのうえで北朝鮮がさらなる挑発を思いとどまり、非核化の道に戻るよう説得するため中国はあらゆる手段を駆使する必要があると、強調したとしています。


トランプ大統領はみずからのツイッターに「中国の習近平主席と北朝鮮の挑発行為について話をした。きょう北朝鮮に対する強力な追加制裁を科す。この状況は解決できるだろう」と書き込みました。


今回の弾道ミサイルの発射を受けてトランプ大統領は、安倍総理大臣や韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領と相次いで電話で会談し、北朝鮮の脅威に一致して対応していく立場を再度、確認しています。


トランプ大統領は、北朝鮮の挑発を押さえ込むには経済面を中心に北朝鮮と強い結びつきを持つ中国がかぎになるとしており、今回の電話会談でもこうした立場を強く主張し、習主席に一層の対応を迫った形です。


アメリカのトランプ大統領は29日、中西部ミズーリ州で行った演説の中で、北朝鮮キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長を念頭に、「小さなロケットマン。彼は病的だ」と述べ、批判しました。
また「北朝鮮であろうと誰であろうと、われわれは国を守る」と述べ、アメリカ軍を強化し自国を防衛する考えを強調しました。


北朝鮮による弾道ミサイルの発射を受けて、ニューヨークの国連安保理では日本時間の午前7時すぎから、日本、アメリカ、韓国の要請に基づいて、緊急の会合が公開で開かれました。


この中でアメリカのヘイリー国連大使は、「すべての国に北朝鮮とのあらゆる関係を断つことを求める」と述べ、すべての国連加盟国に対し北朝鮮との外交や経済上の関係を断つよう、呼びかけました。


さらに「北朝鮮は今回のミサイル発射で世界を戦争に近づけた。仮に戦争が起きれば、北朝鮮の体制は間違いなく完全に破壊される」と述べ、北朝鮮を強くけん制しました。


このあと日本の別所国連大使も、「北朝鮮の政策を変えさせるには圧力を最大化するしかない」と述べ、国際社会が結束して圧力をさらに強めるべきだという考えを強調しました。


これに対して、中国の呉海涛国連次席大使は、緊張を高めないよう関係国は冷静に行動し、既存の制裁を着実に実施しながら対話の早期再開を目指すべきだという、従来の立場を繰り返しました。


北朝鮮弾道ミサイルアメリカ本土も射程に入れる可能性が指摘される中、アメリカが国際社会に対しかつてなく厳しく対応するよう求めた形で、今後の安保理で圧力の強化に向けた動きがどのように進むのか、注目されます。


国連安保理の緊急会合で、中国の呉海涛国連次席大使は「最優先の課題は、各国が自制を保つとともに完全かつ厳格に安保理の制裁を履行し、北朝鮮との早期の対話再開に向けて努力することだ。現状では、安保理は平和的・外交的手段を通して問題を解決し、朝鮮半島の平和と安定を保つことを促すという歴史的な責任を果たす必要がある」と述べ、軍事的な圧力ではなく対話を通じた事態の打開を改めて求めました。


ロシアのネベンジャ国連大使は「北朝鮮による新たな安保理決議違反は深い失望をもたらすものだ」と述べたうえで、「すべての関係国は互いに挑発することをやめ、緊張をさらに高めないためにできることすべてを実行しなければならない。北朝鮮にはミサイルと核実験を停止することを強く要請するとともに、アメリカと韓国には、すでに一触即発の状況を刺激することにつながる大規模な合同軍事演習を慎むよう求める」と述べ、米朝それぞれに自制を求めました。


さらに、中ロ両国は、北朝鮮への制裁が人道支援に悪影響を及ぼしたり人道状況を悪化させてはならないとして、共通の立場を示し制裁の強化に向けた動きをけん制しました。