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スペイン北東部のカタルーニャ州では州議会が一方的な独立宣言を可決したことを受け、スペイン政府がことし10月、州政府の幹部を解任し州議会を解散したことで今月21日に選挙が行われます。


投票日を3日後に控えた18日、バルセロナで地元の公共テレビが主催して各党の候補者が参加したテレビ討論が行われました。


州首相を解任されたプチデモン氏が率いる政党から出席した州政府の元幹部は「州政府はカタルーニャの将来を市民に託したかっただけだ。それに対する答えは投獄や国家による暴力だった」と述べ、中央政府の対応を批判し、あくまで独立を目指す姿勢を強調しました。


これに対し独立反対派の政党からは「独立派はすべて完璧だと夢のようなことを言っているが、実際は投資も観光も悪化している」といった批判が相次ぐなど、独立運動を巡って支持派や反対派などによる激しい論戦が交わされました。


今回の選挙はスペインの全国紙が今月上旬に行った世論調査投票率が80%以上に上る見通しとされるなど高い関心を集め、有権者の判断が注目されています。


スペインで最初に近代化を果たしたのは、他の地域とは言語・文化・アイデンティティが大きく異なるバスクカタルーニャだった。フランスとは違って、国の力が弱かったスペインでは、中央が全国レベルでの正統性を得ることも、国を束ねるような社会的凝集力が生まれることもなかった。マドリードの支配者たちが権力を行使するには、国内周辺地域のエリートとの同盟に依存せざるを得なかった。だが、この中央と地方のパートナーシップも、米西戦争に敗れ、もっとも重要な植民地をアメリカに奪われた後に崩壊し始めた。20世紀に入ると、フランコ独裁政権カタルーニャアイデンティティとかかわってくる制度や組織を解体し、その言語を公的な場から一掃した。この時期にスペインのファシスト政権が民主化運動と抗議デモを弾圧したことが、今もカタルーニャ・ナショナリズムの原点とされている。・・・


カタルーニャ独立の是非を問う、住民投票当日、(中央政府が派遣した警察との衝突で)900人近くが負傷する事態となった。ラホイ首相は、これを「スペインの民主主義を守るためのリベラルな行動」として正当化したが、彼は合意にもとづく平和ではなく、圧倒的な警察力によるプレゼンスで平和を手に入れようとしている。このために、スペイン政府の正統性そのものが失墜し、それまで独立には関心のなかったカタルーニャ市民、そして国際社会でこの問題を見守るますます多くの人々が、普遍的な支持など集めていたわけではなかった独立運動の立場をカタルーニャの声として受け止めだしている。いまや問われているのはカタルーニャの独立だけではない。スペイン政府の政治的正統性そのものが問われている。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20171208#1512730305


スコットランドイングランドに対する不満とは、実際にはイギリス政府の政治家たちに対する不満、経済的にも文化的にも大きなウェイトをもち、とにかく派手で、他の地域からみれば別世界の「ロンドンとイングランド南部」に対する不満だった。そして多くの意味で、スコットランド独立運動欧州連合(EU)の存在なしでは起こり得なかった。実際、NATOが外からの攻撃に対する盾を提供し、EUがその世界最大の市場へのアクセスを保証すれば、いかなる小国であっても、力強い国家になれる。スコットランド独立運動は、地域的アイデンティティと野心的な政治家が存在し、独立を模索するか、あるいは、より大きな自治を求めるほどに首都に反感を抱き、しかもEUに参加できる見込みのある地域なら、独立を模索できることを示した。力強いアイデンティティをもつスペインのカタルーニャもいずれ独立を模索するかもしれない。・・・

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20171217#1513507655