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ASEMは18日から2日間にわたって開かれ、19日の会合ではヨーロッパとアジアの関係強化について話し合われました。

アジアとの経済分野の関係強化ついてEUは先月、「持続可能で国際ルールにのっとった方法でインフラなどの投資を進める」とする戦略文書をまとめ、19日に発表された議長声明にもこうした内容が盛り込まれました。

EUのモゲリーニ上級代表は記者会見で「アジア各国もこの考えを共有してくれた」と述べて成果を強調しました。

EU側はこうした戦略について「特定の何かに対抗するものではない」としているものの、EUの外交筋は「中国との違いを示し、別の選択肢を提供するものだ」として、中国の一帯一路を意識したものだと指摘しています。

一帯一路をめぐっては、中国の巨額の投資によって一部の国で深刻な債務状態に陥っているという指摘が出ていることから、EUとしては「持続可能な投資」を強調することで中国をけん制し、アジアでの影響力を強めたい考えがあるものとみられます。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/10/17/200230(電力版の「一帯一路」で中国側が日本や韓国に協力呼びかけ)

ASEMは19日、自由貿易北朝鮮情勢などをめぐって各国の首脳らが意見を交わしたあと、議論の成果を盛り込んだ議長声明を発表しました。

それによりますと、米中の貿易摩擦も念頭に、自由で開かれた貿易を確保し、一方的な措置や不公正な貿易慣行を含むあらゆる形態の保護主義と闘うとしたうえで、開かれたルールに基づいた多角的貿易体制の維持が不可欠だとしています。

そのうえで、WTO世界貿易機関の紛争解決機能を強化するなど、一層の改革を進める必要性を再確認したとしています。

また北朝鮮に対し、完全で検証可能かつ不可逆的な核や弾道ミサイル、それに関連する計画と施設の廃棄を求めるとして、国連安保理決議に基づく制裁措置の完全な履行の必要性を明記するとともに、拉致問題を含む人権状況の改善を求めています。

さらに中国が海洋進出を強める南シナ海などの情勢について、国際法に従った紛争の平和的解決や、威嚇および武力の行使など国際法に反する一方的行動を差し控えることなどが決定的に重要だと指摘しています。

このほか途上国へのインフラ支援をめぐり、一部の国で債務超過の懸念が指摘されていることを踏まえて、財政的に持続可能な国際スタンダードに基づいたインフラ整備の重要性を強調しています。

ASEM=アジア・ヨーロッパ首脳会合への出席のためベルギーを訪れている安倍総理大臣は19日夜、イタリアのコンテ首相とおよそ40分間会談し、防衛装備品の共同研究や開発に向けた協定の早期発効を目指すなど、安全保障分野での協力を強化していくことで一致しました。

この中で安倍総理大臣が「イタリアは基本的価値を共有する重要なパートナーだ。北朝鮮問題や自由貿易の推進など世界が直面する主要課題で緊密に連携していきたい」と述べたのに対し、コンテ首相は「両国の友好関係をこれまで以上に発展させていきたい」と応じました。

そして、防衛装備品の共同研究や開発に向けた協定の早期発効を目指すなど、両国の安全保障分野での協力を強化していくことで一致しました。

また両首脳は、北朝鮮の非核化と拉致問題の解決に向け、国連安保理決議に基づく制裁措置の完全な履行が必要だという認識で一致しました。