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トランプ大統領は先に破棄する考えを表明したINF全廃条約について22日、記者団に、「ロシアが順守してこなかった」と述べ破棄する考えを改めて示しました。

さらに「ロシアだけでなく中国もそうだ。彼らは条約そのものや条約の精神を守っていない」と述べ、条約の締結国ではないため制約を受けずに核ミサイルの開発・配備を進めている中国を批判しました。

そのうえで「われわれはどの国よりも予算がある。彼らが正気になるまで核戦力を増強する」と述べて、ロシアや中国がこのまま核戦力を強化し続けるなら、アメリカも対抗して核戦力を強化するという考えを強調しました。

一方でトランプ大統領は、ロシアや中国が核戦力の増強をやめるのであればアメリカはやめるだけでなく削減するとして、将来的に核軍縮にかじを切る用意があることを明らかにし、ロシアや中国に核政策の見直しを促しました。

アメリカのトランプ大統領20日、冷戦時代の1987年にアメリカと旧ソビエトが調印しロシアが履行義務を引き継ぐINF全廃条約について、ロシアが順守していないとして破棄する考えを示しました。

ホワイトハウスで安全保障政策を担当するボルトン大統領補佐官は22日夜、訪問先のモスクワで、ラブロフ外相と会談するため外務省の迎賓館を訪れました。

1時間半にわたって行われた会談で、ボルトン補佐官はラブロフ外相に直接、政権の方針について説明したとみられますが、今のところ詳しい内容は明らかにされていません。

これに先立ってボルトン補佐官はパトルシェフ安全保障会議書記とも会談し、ロシアのメディアによりますと「トランプ大統領の発言は脅しだ」とするロシア側の主張に反論したということです。

ボルトン補佐官は現地時間の23日にはプーチン大統領と会談する予定で、ロシア側の反応が注目されます。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/10/22/200245(“INF破棄” 米大統領補佐官がロシア外相などと会談へ)

INF=中距離核ミサイル全廃条約について、トランプ大統領がこれを破棄する考えを示したことを受け、ニューヨークの国連本部で22日に開かれた軍縮問題を扱う国連総会の第1委員会では、各国から発言が相次ぎました。

この中でロシアの代表は、ロシアによる違反を指摘するアメリカ側の主張について「根拠がなく、国際平和や戦略バランスも考慮していない」と反論しました。

これに対しアメリカ側は、ロシアによる地上発射型の中距離巡航ミサイルの発射試験が条約違反にあたると指摘し、「不履行の証拠は山ほどある」と改めて批判しました。

一方で、ロシア側がアメリカの地上配備型の新型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」に懸念を表明すると、アメリカ側は「純粋に防衛的なものであり、INF全廃条約にも反しない」と反論し、双方がそれぞれを批判しあって、議論は平行線をたどりました。

この問題では、ロシアを訪れているアメリカのボルトン大統領補佐官が、日本時間の23日夜にもプーチン大統領と会談して、トランプ政権の方針を伝えるとみられ、ロシア側の対応が注目されています。