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大山 (神奈川県) - Wikipedia

丹沢山などの丹沢の山々とともに丹沢大山国定公園に属し、神奈川県有数の観光地のひとつである。

大山は、丹沢表尾根の東端にあり、富士山のような三角形の美しい山容から、古くから庶民の山岳信仰の対象とされた(大山信仰)。「大山」の名称は、山頂に大山祇神を祀ったためとされるが、大山祇神はかつては「石尊大権現」と呼ばれていた[1]。大山の山頂には巨大な岩石を御神体(磐座)として祀った阿夫利神社の本社(上社)があり、中腹に阿夫利神社下社、大山寺が建っている。また、大山は別名を「阿夫利(あふり)山」、「雨降(あふ)り山」ともいい、大山および阿夫利神社は雨乞いの神ともされ、農民の信仰を集めた。

江戸時代の中ごろ(18世紀後半)から、大山御師(明治以降は先導師)の布教活動により「大山講」が組織化され、庶民は盛んに「大山参り」を行った。各地から大山に通じる大山道や大山道標が開かれ、大山の麓には宿坊等を擁する門前町が栄えることとなった。

大山では、天狗信仰も盛んであり、阿夫利神社には大天狗、小天狗の祠がある。そして大山には日本の八天狗に数えられた大山伯耆坊が伝わっている。元々は伯耆大山の天狗であり、相模大山の相模坊が崇徳上皇の霊を慰めるために四国の白峯に行ってしまったために、相模大山に移り、富士講の人々に信仰されたという。現在でも阿夫利神社の下社の近くに伯耆坊の石碑があり、大山寺の側には伯耆坊を祀った祠がある。