ゴーン容疑者の私的損失、信用保証はサウジ実業家 https://t.co/VwbFvOGhAX #tbs #tbs_news #japan #news
— TBS NEWS (@tbs_news) 2018年12月27日
https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/12/27/200430(ゴーン前会長 16億円余の送金先 日産と関係深い実業家)
「ドナ夫人は、ケリー前代表取締役が厳しい腰痛と脊髄の病気を抱えていて手術直前のところを、日産に「どうしてもビデオ会議ではダメな、参加が必須な会議があるから」と騙されて飛行機に乗せられ、日本に着いたところを逮捕されたと、怒りを見せる。」ケリー被告保釈https://t.co/ZyyAIZl1jD
— 弁護士 戸舘圭之 (@todateyoshiyuki) 2018年12月27日
[今日の注目記事] 特別背任でゴーン氏再逮捕、特捜部が賭けに出た事情 得意の捜査手法を否定され、選択肢は他になかった 《須田 慎一郎》 https://t.co/4I5UiAUofB
— JBpress (@JBpress) 2018年12月28日
今回のゴーン氏らに対する捜査は、特捜部にとって誤算続きの捜査と言っていい。というのも、彼らの捜査の手法が、かつて特捜部が世の喝さいを浴びた昭和の時代スタイルを踏襲しているからだ。実はこれは完全に時代遅れのスタイルになってしまっていることに、特捜部は気づいていないのだ。
「従来の手法」とはこういうことだ。
まず有無を言わさず逮捕し、彼らが筋読みして組み立てた事件のストーリーに沿って取り調べを進めていく。同時に、世論を味方につけていくことも忘れない。「こんなにとんでもないヤツは捕まって当然だ」「ぜひ有罪に持ち込んでくれ」といった世論の後押しを受ける形で捜査を進めていくのだ。「巨悪に挑む正義の捜査機関」というイメージ作りが成功してきたからこそ、少々強引さがあっても、無理筋の事件の捜査であっても、許されてきた。その側面は否めない。
このイメージ作りの主要なツールになったのが、「情報統制」だ。捜査に関する情報は特捜部が厳重に管理する。特捜部が関与しない形で情報をすっぱ抜くマスコミについては「出入り禁止」という強権的な手法を用い、逆らえないようにする。その一方で、友好的な社や記者に対しては情報を小出しにリークしてやり、それを通じて世論を一定方向に導いていったのだ。記者たちにしても、検察の幹部に食い込んでリーク情報にありつければ、他社を出し抜くことが出来るので、「利用されている」と分かっていながらも拒むことは難しい。
今回の捜査で、特捜部は朝日新聞とタッグを組んだ。その証拠に、11月19日に特捜部が、羽田空港にプライベートジェットで帰ってきたゴーン氏の身柄を取った瞬間に現場に居合わせたマスコミは朝日新聞だけだったのだ。その後もこの件では朝日が特ダネを抜き続けた。多少なりとも検察の動き方を知っている記者だったら「今回の事件では、特捜部は朝日と手を組んで、世論をリードしていくつもりなんだ」と感じたはずだ。
ところがこうした手法がまだ通用すると思っていたのは、特捜部の誤算だった。
ますこの手法は日本国内では通用する手法であっても、グローバルスタンダードの中では、異質、あるいは許されない捜査手法なのだ。実際、ゴーン氏逮捕から勾留延長、再逮捕といった行為が、海外から厳しい批判を浴びていた。
もう1つの誤算は、昭和の時代と違って、特捜部を取材するのは日本のメディアだけではなくなっているという点だった。記者クラブに加盟していない海外メディアもあれば、インターネットメディアも増えている。特捜部全盛時代には、全国紙やテレビ局などの記者クラブ加盟メディアを、情報とのバーターでコントロール下においておけたが、現在は記者クラブ外のメディアの存在感が急速に大きくなっている。そこを特捜部は正確に評価できていなかった。
そうした中で、ゴーン氏の捜査に対して批判的な報道が増えていった。裁判所には、これが相当なプレッシャーになった。「従来の慣行だから」という理由だけでゴーン氏の勾留延長を認めれば、今度は裁判所、ひいては日本の司法制度全体が国際世論の批判を浴びかねない。裁判所の求めは法的に瑕疵のない形であることはもちろん、グローバルスタンダードに配慮した形で対応するような方向へスタンスを変えていった。それが特捜部の見込み違いだった。
特捜部の捜査手法は、言ってみればよく批判される「人質司法」である。政治家、経営者、官僚などという種類の人物は、たとえ「巨悪」などと呼ばれたとしても、逮捕され拘置所という閉鎖空間に長期間勾留されるだけで、人生が終わったような感覚に襲われてしまうのが常だ。「順風満帆だった俺の人生、これでお終いだ」と失意の底に落とされ、結果的に特捜部の手に落ちていく。つまり、特捜部の意のままの供述をしたりすることになってしまうものなのだ。
ところが、報道を見る限り、ゴーン氏は特捜部がぶつける容疑事実にことごとく反論しているという。精神的にタフなのだろう。そこも特捜部の見込み違いだった。しかも勾留延長を裁判所が認めてくれなかったことで、特捜部の目論見は決定的に狂ってしまった。
特捜部に残された手段は、この事件の「本線」である特別背任の捜査に着手することしかなかった。そもそも、ルノー・日産・三菱自動車という巨大企業連合のトップを逮捕するのに、形式犯ともいえる「有価証券報告書虚偽記載」だけでは釣り合わない。必ず批判に晒される。だからこそ特捜部は、「有価証券報告書虚偽記載」の先には、特別背任、あるいは業務上横領という「これなら逮捕されても仕方がない」と誰もが納得するような「本線」の事件につなげるつもりがあるものと見られていた。
つまり有価証券報告書の虚偽記載は、あくまで捜査の入り口で、その後の本線につなげていくための端緒とも言える捜査だ。ところが本線に繋げる前に、容疑者が保釈されてしまえば、そこで捜査が途切れてしまう可能性が大だ。だから特捜部は慌て、急遽、「特別背任での再逮捕」というシナリオを書き上げたのだ。
特捜部はこれまで、再逮捕を繰り返していく中で、容疑者をある種の絶望感に陥れ、そこから特捜部の意のままの供述を得ていくことで、この難関を乗り越えてきた。
ところが、今後、勾留延長で「引っ張れるだけ引っ張る」という手法は使えなくなる可能性が高くなった。世論の強い後押しも期待できない。海外からの批判もある。
それでも特捜部には、特別背任で再逮捕するしか道は残されていなかった。これから、準備期間も十分とは言えない中で、特別背任の立件に臨まなければならない。タフなゴーン氏を相手に、悪意の立証が出来るかどうか。特捜部が置かれた状況を眺めると、極めて厳しいのではないだろうか。
特捜部が何とか特別背任で起訴し、有罪を立証できれば、「巨悪」を摘発した正義の捜査機関として再び名声を取り戻せるかもしれない。しかし起訴できなかったり有罪を立証できなかったりすれば、国内外から批判の集中砲火を浴び、計り知れないダメージを受けるだろう。ゴーン氏からの反撃があるかもしれない。
誤算続きなのは日産も一緒だ。
捜査の入り口となった有価証券報告書虚偽記載では、直近3年分の虚偽記載分に関しては、ゴーン氏が退任後に報酬を受け取ることが書かれた覚書に西川社長がサインしていることも明らかになった。これで「西川社長も共犯ではないか」という声が上がってきた。
最初から特別背任や横領の容疑で捜査を進めてもらい、「ゴーン氏はとんでもない人物だった」という印象を世の中に広めて、日産の経営トップから引きずり下ろすことを目論んでいた日産も、法人として虚偽記載で起訴され、無傷でいることが難しくなってきた。
これで特捜部がゴーン氏の特別背任を立件できないことになると、西川社長も日産も大きなしっぺ返しを食らわされる可能性がある。