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 ルノー関係者が解説する。

「CEOリザーブとは、年度初めに予算として金額が確定できない支出に対応するための予備費。CEOが勝手に使えるような資金ではありません。レバノンオマーンの販売代理店に支払われたのは、インセンティブ、要は販売促進費です。日産が、日産の販売代理店に販売促進費を支払うのは当然のことではないでしょうか」

 ましてや、販売代理店からゴーンの妻・キャロル夫人の会社への資金還流は事実無根だとしている。

「クルーザーは、昨年亡くなったレバノンの弁護士から購入しました。ゴーンは以前からその弁護士と親しかったため、“体調が悪く、もう海に出ることもないから、私の船を買わないか?”と持ちかけられていた。でも、あくまでもポケットマネーで、マリーナなどの契約も引き継ぐためにクルーザーの所有会社ごと買い取って、キャロル夫人の名義にしたとのことでした」(同)

 一方、マネーロンダリングに加担したかのように報じられた販売代理店の経営者は怒り心頭に発しているという。

オマーンに派遣された日産の調査チームは経営者に対し、取引関係の解消までチラつかせてゴーンに不利な証言を求めました。でも、彼はそれを拒絶し、逆に日産に対する訴訟も辞さずと憤慨している。この代理店は売上実績でかなりのシェアを持っており、中東で強い発言力がある。仮に取引解消となれば、他の代理店も追随して離反するかもしれず、日産側も大打撃を被るのは避けられません」(同)

 さらに、日産の前途には、さらなる難敵も待ち受けている。言うまでもなく、最大の株主であるルノーである。

 日産が調査報告書を正式発表できず、裏レクでしか明かせない理由は、東京地検特捜部からストップがかかっていることに加え、ルノーから「調査方法が不適当」との抗議文書が送られているからだ。

 経済部記者が語るには、

ルノーの背後にいるフランス政府は、日産を完全に支配下に置く機会を狙っています。ゴーン追放には成功しつつある日産ですが、本当の戦いはこれから。日経新聞を皮切りに、AFP通信やフランス紙レゼコーなど外国メディアの接見にも応じ始めたゴーンは“事件は日産の策略であり、裏切りだ”との持論を展開している。生の声が届けられたことで外国メディアがよりゴーンの肩を持つようになれば、一時は軟化しかけたフランス政府やルノーの日産への圧力はもっと強まることになるはずです」

 ゴーン氏自身も、1月8日の勾留理由開示公判で、「退任後の役員報酬の支払は確定していない」と強く主張し、「報酬の支払が確定しているのなら、今、私が死亡した場合に相続人が受け取れるはずだが、そうでないことは明らかだ」と述べていた。

 この点が、検察の有価証券報告書の虚偽記載の起訴事実の立証にとって最大の障害になることは必至だった。

 そして、日産は、臨時株主総会で、ゴーン氏を取締役から解任する方針を示しており、早くも、「ゴーン氏の退任後の役員報酬」の支払いの問題が現実化することになった。

 「退任後の役員報酬の支払は確定していた」という検察の主張と整合性をとるために、日産経営陣は、不記載だったとされた役員報酬を一括計上し、しかも、ゴーン氏への損害賠償請求の可能があることなどを理由に、その役員報酬の支払をせず、「未払金」にするという方法を選択したということだろう。

 役員報酬を計上すれば、日産は、会計上、ゴーン氏への債務の存在を認めることになる。西川氏は、決算発表の会見で、「これを実際に支払うことを決めたわけではない。私としては支払いをする、という結論に至るとは思っていない。」と述べたとのことだが、ゴーン氏は損害賠償債務を認めるわけがないし、実際に裁判上、日産の損害賠償請求が認められるかどうか全く不明だ。しかも、日産側が「支払わない方針」だとしても、役員報酬という債務の存在を明確に認めることで、ゴーン氏に対する債務という「会社にとっての損害」が発生することに変わりはない。十分な根拠もなく、ゴーン氏の役員報酬を計上し、損害を発生させるのは「背任的行為」とも言える。

 デリバティブの評価損を日産に付け替えただけで、形式上損害が発生し、特別背任が成立する」という「検察の理屈」からすると、支払を凍結したとしても、役員報酬を計上した段階で、ゴーン氏への役員報酬の「未払金」という「損害の発生」は否定できないことになる。

 今回の「役員報酬計上」は、日産CEOの西川廣人社長が最終的に判断したものであることは間違いない。これまで述べてきたように、西川氏は、「直近2年分」の有価証券報告書虚偽記載については、自らがCEOであり、有価証券報告書の真実性について直接責任を負う作成・提出者であり、ゴーン氏・ケリー氏の虚偽記載罪の刑事責任を問うのであれば、本来、西川氏も刑事責任を問われることは避けられない(【ゴーン氏「直近3年分再逮捕」なら“西川社長逮捕”は避けられない ~検察捜査「崩壊」の可能性も】)。

 ところが、ゴーン氏・ケリー氏が、「直近3年分」も含めて起訴されたのに、西川氏は刑事立件すらされていない。検察との「ヤミ取引」で「お目こぼし」をしてもらっている疑いが濃厚だ。

 そうなると、西川氏にとって、検察の意向に従って、或いは、検察の意向を慮り、本来行うべきではないゴーン氏の役員報酬の計上を行う動機は、「自らの刑事責任を免れるため」という「自己の利益を図る目的」で行われたということになる。しかも、西川氏は、前年度でもCEOとして、5億円近くもの役員報酬を得ているのであり、検察の意向に従い、CEOの地位を守ることは、個人的にも大きな利益をもたらす。

 このような西川CEOをトップとする日産経営陣には、特別背任で起訴されているゴーン氏を批判する資格があるのだろうか。

 この記事が紹介しているルノーの弁護士の手紙によれば、日産の「クボヒデアキ」氏は、検察の意向を受け、ルノー側の了解を得ることなく、ルノー従業員に連絡をとって、来日して検察の取調べを受けるよう要請し、従業員がそれを拒むと、ビデオ会議で、日産側の弁護士とのインタビューを受けさせようと画策していたというのである。

 そもそも、今回の事件で、ゴーン氏と同時にケリー氏が逮捕された際も、ケリー氏が厳しい腰痛と脊髄の病気を抱えていて手術直前のところを、日産に「どうしてもビデオ会議ではダメな、参加が必須な会議があるから」と騙されて飛行機に乗せられ、日本に着いたところを逮捕された事実を、同氏の夫人が明らかにしている。

 日産は、この時も、「検察の手先」となって、ケリー氏を騙して来日させて逮捕させた。そして、その逮捕事実である「退任後の報酬」についての有価証券報告書虚偽記載の事実での検察の起訴を維持するために、根拠もなくゴーン氏の役員報酬の計上を行って日産に形式上の損害を与え、それと並行して、「検察の手先」となってルノー従業員に検察の聴取を受けさせるために来日させようとしたり、その代わりに日産の弁護士による聴取に応じさせようとしたりしているというのである。

 西川氏ら日産経営陣は、ゴーン氏の逮捕以降、終始「検察の手先」として動いており、もはや、独立した判断を行う会社執行部ではなく、東京地検特捜部“日産分室”と化したと言わざるを得ない。

 このようなやり方が、日産の43%超の株式を持つルノーに対して重大な背信行為であることは明らかであり、このようなことを行いながら、ルノーとのアライアンスについての交渉を行っても、ルノー側が日産の求めに応じることは考えられないし、日産という会社や株主にとって大きな損失につながることは避けられない。

 西川氏は、ゴーン氏による支配・権限の集中を、日産のガバナンス問題だと言い、「ガバナンス改善特別委員会」まで設置した。しかし、では、西川氏の下での日産のガバナンスはどうなのか。今回の「ゴーン氏への未払い役員報酬」の計上による西川氏ら日産経営陣による「会社の私物化」と言うべきではないのか。

 会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(64)の弁護人に、弘中惇一郎弁護士(73)が就いたことが13日、関係者への取材で分かった。ゴーン被告は元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士(63)らを選任していたが、大鶴氏らは同日辞任した。

 関係者によると、東京地裁で14日に行われる検察側、弁護側、裁判官によるゴーン被告らの公判に向けた初協議には、ゴーン被告の弁護人として弘中氏が出席するという。

 弘中氏は過去に特捜部が手がけた複数の事件で弁護人を務め、「無罪請負人」の異名を持つことで知られる。ロス疑惑銃撃事件の三浦和義・元会社社長や薬害エイズ事件安部英(たけし)・元帝京大副学長の無罪判決を勝ち取ったほか、近年では郵便不正事件で厚生労働省村木厚子事務次官や、政治資金規正法違反罪で強制起訴された小沢一郎自由党代表の無罪にも関わった。

 ゴーン被告は平成20年10月、私的な投資で生じた約18億5千万円の評価損を日産に付け替えたほか、サウジアラビアの知人の会社に21年6月~24年3月、日産子会社から計1470万ドル(当時のレートで約12億8400万円)を入金させたとして特別背任罪で起訴された。

 また、ゴーン被告と側近で前代表取締役、グレゴリー・ケリー被告(62)=保釈=は、22~29年度のゴーン容疑者の報酬を計約91億円過少に有価証券報告書に記載したとして金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)罪で起訴された。

 ゴーン被告は昨年11月19日に金商法違反容疑で逮捕されて以来、東京拘置所(東京都葛飾区)で3カ月近く勾留されている。1月11日の追起訴後、大鶴氏ら弁護団は2度にわたり保釈請求を出したが、東京地裁がいずれも却下。証拠隠滅の恐れがあることなどが理由とみられる。

 ゴーン前会長の弁護人には、昨年11月の逮捕後、大鶴弁護士ら3人が就いていた。大鶴弁護士によると、大鶴弁護士本人と、同じ事務所の弁護士の計2人の辞任届を提出したという。

 大鶴弁護士は元東京地検特捜部長で、在任中に旧ライブドア粉飾決算事件などを手がけた。今年1月には、ゴーン前会長の勾留理由を明らかにするよう求める手続きの後、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見を開き、前会長の主張を国内外に発信していた。

日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告(64)は、金融商品取引法違反や特別背任の罪で逮捕・起訴され、元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士が去年11月の最初の逮捕の直後からゴーン前会長の弁護を担当していました。

大鶴弁護士は先月の記者会見で、「ゴーン前会長には全く嫌疑がないことを確信している」と述べるなど、一貫して前会長の無罪を主張していましたが、13日、東京地方裁判所に前会長の弁護人の辞任届を提出したということです。

そして元厚生労働省村木厚子さんが無罪になった事件などを担当した弘中惇一郎弁護士らが新たにゴーン前会長の弁護人を務めることが、関係者への取材でわかりました。

大鶴弁護士は、ゴーン前会長の保釈を2回にわたって請求しましたが、いずれも裁判所に却下されていました。

NHKの取材に対し大鶴弁護士は、辞任の理由などについて「お話しできることはありません」としています。

弘中惇一郎弁護士は、著名な事件の裁判で被告の弁護をたびたび担当して無罪を勝ち取り、“無罪請負人”とも呼ばれています。

薬害エイズ事件では元帝京大学副学長の弁護人を務め、1審で無罪判決を得たほか、郵便の割引制度をめぐって元厚生労働省村木厚子さんが無罪になった事件、それに旧民主党小沢一郎元代表政治資金規正法違反の罪で強制的に起訴された事件でも無罪を勝ち取りました。

ゴーン前会長とともに起訴されたグレッグ・ケリー前代表取締役の弁護を担当する喜田村洋一弁護士とは、薬害エイズ事件や小沢元代表の事件などでともに弁護を担当しています。

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