https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com


 鈴木が愚行に走ったのは、昨年9月11日のこと。石川県で開催されていたカヌー・スプリント日本選手権で、代表を争う小松正治のドリンクボトルに筋肉増強剤「メタンジエノン」を混入させた。小松はレース後の検査で陽性反応を示し、ドーピング違反に問われてしまう。


 11月に入って、鈴木は良心の呵責から日本カヌー連盟の専務理事に事実を告白。8年前から、ライバル選手たちの練習器具や競技中に使用するパドルを盗んだり、壊したりするような悪質な嫌がらせ行為を働いていた事実も打ち明けた。


 結果、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は暫定的だった小松の資格停止処分を解除。一方の鈴木は8年間の資格停止処分となった。事実上の永久追放だろう。


 スポーツ選手のスキャンダルは数あれど、ライバルを蹴落とすために、何かしらの愚行に及んだというのはレアケースだ。記憶する限りでは、1982年に発覚した協栄ジム金平正紀会長(当時、故人)が、相手陣営に薬物入りのオレンジジュースを飲ませた“毒入りオレンジ事件”ぐらいではないか。


 自ら申し出たとはえ、鈴木が犯した行為に同情の余地はない。