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 では、この大切な「1%の閃き」を確実に起こす方法はあるのだろうか。

 ダガン氏が定義する第6感は、消防士やアスリートなどが経験するもので「直感」とも呼ばれる。過去に同じ状況を何度も経験したことにより、類似の状況に一瞬で(直感的に)対応できる脳の働きを指す。したがって第6感は、過去に経験したことのない状況では働かない。


 一方第7感は、脳内の過去の記憶や目の前の状況などを、脳が勝手に組み合わせることで生じる。それによって、それまでに経験したことのない状況でも、斬新なアイデアを「閃く」ことができる。


 そのために脳は、本人が無意識のうちにすべての記憶を辿り、可能性のある新たな組み合わせを静かに探索し続ける。その記憶の探査には、ある程度時間がかかる。だから問題を考え始めてから長時間経った後に、突然閃いたりするのだ。


 エジソンの脳は、電球のフィラメントに使える素材のアイデアを探索し続けていた。そして机の上の扇子が認識された瞬間に、「竹には炭素が含まれている」という記憶が、「フィラメントの素材」との「新たな組み合わせ」を作った。これは典型的な第7感のメカニズムである。

 ダガン氏の分析によれば、第7感を働かせるには「歴史の先例」「オープンマインド」「突然の閃き」「決意」という4つのステップが必要になる。


 第7感による「新たな組み合わせ」が生じるためには、解決しようとしている問題に関連しそうな事柄を網羅的に調べるなどして知識を増やしておく必要がある。エジソンは、フィラメントに最適な炭素素材を見つけるために、あらゆる素材をシラミつぶしに調べていた。これが「歴史の先例」のステップである。


 次の「オープンマインド」は、自分が直面している状況や、既存の常識的な考えなどを忘れられる心の状態を指す。そうした状態になることで、脳は記憶の中の材料を自由に組み合わせる空間と時間を確保できるのだ。

 目標を「書き出す」ことで達成しやすくなると、よく言われる。実はこれにも第7感が関係しているのだそうだ。本書には、第7感を活用して目標を達成するための「人生戦略マップ」というツールが紹介されている。

 このように記入したマップは、時々点検するようにする。それによって第7感に空欄の未知のステップに注意を向けさせるのだ。そうすれば脳は空欄を埋めるべき答えを自動的に探索してくれる。


 時間はかかるかもしれないが、新たな知識や経験を得るごとに「歴史の先例」が増えていき、「突然の閃き」の可能性が高まる。そうした閃きを使うことで目標達成に近づけるというわけだ。

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