https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com


シリアのアサド政権とその後ろ盾であるロシアは、首都ダマスカス近郊にある反政府勢力の拠点、東グータ地区を包囲して空爆や砲撃を続けています。


シリア内戦の情報を集めている「シリア人権監視団」は、この6日間で子ども103人を含む市民462人が死亡したとしていて、国連のグテーレス事務総長は「この世の地獄だ。放置することはできない」と述べ、攻撃の即時停止を求めています。


しかしシリア人権監視団によりますと、ロシアが反政府勢力の交渉相手に対しアサド政権が近く東グータ地区に地上部隊を攻め込ませるという見通しを伝えるとともに、住民を避難させるよう警告したということです。


東グータ地区には今もおよそ40万人が取り残されていて、本格的な地上戦で犠牲者が増える前に住民を救うべきだという声が国際社会で一層高まりそうです。

シリアの東グータ地区に対するアサド政権の攻撃が激化していることを受けて、反政府勢力の最大組織「シリア国民連合」は23日、隣国トルコのイスタンブールで記者会見を行い、「東グータで起きていることは、アサド政権とロシア、イランが結託した虐殺行為だ」と強く非難しました。


そして「私たちを支持してくれる人たちは、攻撃がやむまでロシア大使館の前で抗議活動を行ってほしい」と呼びかけました。


一方、報道陣からは、いつも非難を繰り返すばかりで具体的な対応策を打ち出せていないのではないかという厳しい指摘も出ていました。


シリアではアサド政権とその後ろ盾となるロシアは首都ダマスカス近郊の反政府勢力の拠点、東グータ地区への空爆などを強めていて、これまでに子どもを含む市民400人以上が死亡し、生活物資や医薬品が不足するなど人道状況が急激に悪化しています。


これを受け、国連の安全保障理事会では非常任理事国スウェーデンなどがまとめた人道支援を行うための一時的な停戦を求める決議案について、今週、採決に向けた調整が続けられてきました。


しかし、スウェーデンのスコーグ国連大使によりますと、停戦の定義などをめぐり、ロシアとの調整が難航していて23日も採決に至らず、24日まで調整を続けるということです。国連によりますと、東グータ地区の住民からは市民と住宅地が空爆の標的となり、妊婦や子どもまでが死傷しているなどといった声が寄せられていますが、こうした人道危機に手が打てない状況が続いています。

2011年に始まったシリアの内戦では、アサド政権と反政府勢力、それに過激派組織IS=イスラミックステートなどが入り乱れて戦闘を続けてきました。このうち、ISは去年10月、首都と位置づけてきた北部の都市ラッカを制圧され壊滅寸前の状態となっています。


残るアサド政権側と反政府側の対立では、ロシア軍による空爆の支援を受けたアサド政権がおととし12月、反政府側の最大拠点アレッポを陥落させて以降、圧倒的な優位に立っています。


双方が停戦に合意したあとも実際には戦闘が続いて政権側が攻勢を強め、首都ダマスカス近郊の東グータ地区は反政府側に残された数少ない拠点となっています。


一方、シリア北部ではクルド人勢力がアメリカの支援を受けてISの掃討作戦で活躍するとともに支配地域を広げたため、隣国のトルコはこれを脅威と捉えて先月、シリアの反政府勢力と協力してシリア国内での軍事作戦に乗り出しました。


アサド政権はこれに強く反発していて、アサド政権側の民兵部隊が対立していたクルド側の支援に向かうなど、内戦の構図は一層複雑になっています。


内戦の情報を集めている「シリア人権監視団」によりますと、この7年近くの間に内戦で死亡した人は34万人に達しているほか、国連によりますと、550万人余りが難民となるなど、人口の半数以上が今も国内外で避難生活を強いられています。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20180222#1519296743