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この問題をめぐって、国連安保理はメンバー国15か国のうちアメリカを含む9か国の要請に基づいて、9日午後3時、日本時間の10日朝、緊急会合を開催しました。


冒頭、シリアの和平の仲介に当たる国連のデミストラ特使がスイスからテレビ中継で参加し「化学兵器の使用は国際法の重大な違反であり、安保理の最優先事項として独立した緊急調査を求める」と述べました。


続いて、アサド政権の後ろ盾であるロシアのネベンジャ国連大使が、証拠なしにシリアやロシアに責任をなすりつけていると欧米諸国を批判したうえで、シリアとロシア軍はOPCW=化学兵器禁止機関の調査団を現地に案内する用意があると述べ、現地調査に協力する考えを示しました。


これに対して、アメリカのヘイリー国連大使は「世界は化学兵器の使用が常態化するという瀬戸際に立たされている。正義は示されなければならない」と述べて、アサド政権の責任を追及する立場を強調し、対決姿勢を鮮明にしました。


トランプ大統領は9日、ホワイトハウスで行われた閣議の冒頭、シリアで化学兵器の使用が疑われる攻撃で死傷者が出たことに触れ「何の罪もない市民に対する憎むべき攻撃だ。軍などと緊密に協議し、24時間から48時間以内に重要な決断をする」などと述べ、速やかに対応を決める考えを示しました。


そして、攻撃はアサド政権によるものだという見方を示したうえで軍事攻撃の可能性について「なにも排除しない」と述べました。


トランプ政権は、去年4月、アサド政権が市民に対して化学兵器を使用したと断定し、対抗措置として軍事施設を巡航ミサイルで攻撃していて、今回どのような対応するのか注目されます。

シリアで化学兵器の使用が疑われる攻撃によって死傷者が出たことを巡って、アメリカのマティス国防長官は9日、「ロシアが化学兵器の除去を保証していたのになぜいまだに化学兵器が使われているのかまずは検証しなければならない」と述べた上で、NATO北大西洋条約機構の同盟国などと共に問題の対応にあたる考えを示しました。


そのうえでシリアに対する軍事攻撃について問われたのに対し「今はなにも排除しない」と述べるにとどめました。

シリアで7日、化学兵器の使用が疑われる攻撃によって多数の死傷者が出たことについてアメリ国務省の報道担当者は9日、NHKの取材に対して、アサド政権による化学兵器を使った攻撃だという見方を示し「恐ろしい」と非難しました。


そう判断した理由について、報道担当者は「アサド政権が反政府勢力を撃退しようと、軍事作戦を行っている地域で攻撃は起きた。これまでのアサド政権による化学兵器の使用と一致する」と指摘しました。


またアサド政権を支援するロシアやイランにも責任があると批判しました。


そして「国際社会による速やかな対応が必要だ。容認できない残虐行為は報いを受けるだろう」として、適切な対応を決定するため同盟国などと緊密に協議していく方針を強調しました。


トランプ大統領は9日夕方、ホワイトハウスで、新たに安全保障政策担当の大統領補佐官に就任したボルトン氏や、軍の幹部らとの会議に臨みました。


この中で、トランプ大統領は、シリアで化学兵器の使用が疑われる攻撃で死傷者が出たことについて、「力強く対応する。今夜か、その後、まもなく決断をする。われわれの世界でこのような残虐な行為が起きることを許すことはできない」と述べ、早ければ9日中にも対応を決める考えを示しました。


そして、「われわれには軍事的に多くの選択肢がある。近く知らせるが、おそらく終わってからだ」と述べ、軍事攻撃の可能性を改めて示唆しました。


一方、ホワイトハウスは9日夜、シリアでの化学兵器の使用が疑われる攻撃をめぐって、トランプ大統領がフランスのマクロン大統領と電話会談したと発表し、今後の対応を関係国とも協議しているものと見られます。


トランプ政権は、去年4月、アサド政権が市民に対して化学兵器を使用したと断定し、対抗措置として、軍事施設を巡航ミサイルで攻撃していて、トランプ大統領の最終的な決断が注目されます。


シリアでは2011年から内戦が続いています。


多数の反政府勢力が離合集散を繰り返し、さらに過激派組織IS=イスラミックステートが勢いづいた時期もありますが、抵抗する反政府勢力と、そのせん滅を目指すアサド政権という主軸は変わっていません。
7年間の内戦での死者は35万人を超えています。日本の県庁所在地で見ると滋賀県大津市の人口が34万人ですから、いかに大勢の命が奪われたかがわかります。

アサド政権は、ことし2月から首都ダマスカス首都近郊にある東グータ地区に激しい空爆や砲撃を行っています。ここは反政府勢力の拠点で、政権側はこれまでに地区の9割以上を制圧しました。


事態が緊迫する引き金となったのは、今月7日に行われた空爆です。この際、呼吸困難に陥る人たちが相次ぎ、多くの女性や子どもが床に倒れ、口から泡を吹くなどして苦しむ様子が映像などで伝えられました。化学兵器攻撃を受けた際の典型的な症状です。現地の医療団体のまとめによりますと少なくとも49人が死亡し、多数のけが人が出ました。


化学兵器の使用は国際法違反です。反政府勢力は「アサド政権が化学兵器を使った」と非難しましたが、政権側は「でっちあげだ」と強く否定しています。シリアの内戦ではこれまでも化学兵器の使用が疑われる攻撃が繰り返され、いつもこの平行線をたどっています。


シリアの反政府勢力の主要グループの代表で、国連主導の和平協議にも参加しているナスル・ハリリ氏は、日本政府に協力を求めるため、8日から日本を訪れています。


10日、都内でNHKのインタビューに応じたハリリ氏は、シリアの東グータ地区で化学兵器の使用が疑われる攻撃があり、少なくとも49人が死亡し500人以上が呼吸困難などになったことについて、「標的にされたのは子どもや女性ばかりで、地下にいれば身を守れると考え逃げ込んでいた人々だ」と述べ、空爆を避けるために地下のシェルターに避難していた市民をアサド政権が化学兵器を使って攻撃したと非難しました。


一方で、今回の事態を受けアメリカのトランプ政権がシリアへの軍事攻撃の可能性を示唆していることについて、「アメリカは以前もシリア軍の基地を攻撃したが、シリアの状況は変わらないまま人道に対する罪が繰り返されてきた。一時的な武力行使は意味がなく、危機を終わらせるための戦略的な行動をとってほしい」と述べ、軍事力による一時的な対抗措置ではなく、事態の打開に向けた政治的な解決が必要だという考えを示しました。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20180409#1523271436