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トランプ大統領は去年9月、国連総会の演説で、「北朝鮮の完全な壊滅」にまで言及して、強い警告を発しましたが、北朝鮮弾道ミサイルの発射をやめず、情勢は緊迫しました。さらに、トランプ大統領は、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長を「小さなロケットマン」などと繰り返し、やゆし、北朝鮮側が強く反発するなど、米朝の間で非難の応酬が続きました。


しかし、ことしに入り、北朝鮮が対話の姿勢を示し始め、韓国で開かれたピョンチャンオリンピックに参加するなど、情勢は次第に変化します。


そして、ことし3月、トランプ大統領北朝鮮のキム委員長と面会した韓国政府の高官とホワイトハウスで会談し、キム委員長が米朝首脳会談を提案しているとの説明を受けると、即座に応じる意向を示し、世界を驚かせました。


その後、先月1日には、当時、CIA=中央情報局の長官だったポンペイ国務長官北朝鮮を極秘訪問し、キム委員長と会談しました。


さらに、ポンペイ国務長官は9日、再び北朝鮮を訪れてキム委員長と会談し、拘束されていたアメリカ人3人が解放されました。


帰国した3人を空港で出迎えたトランプ大統領は「キム委員長に感謝したい」と述べました。そして、「朝鮮半島を非核化すれば、私の最も誇れる功績となるだろう」と述べ、核の放棄の実現に強い意欲を示しています。


アメリカのトランプ大統領は日本時間の10日夜遅くツイッターで、北朝鮮キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談について来月12日にシンガポールで開催すると明らかにしました。


そのうえで「ともに世界の平和にとって特別な瞬間にしたい」と投稿し会談の成功に強い意欲を示しました。


さらに、トランプ大統領は地方遊説に向かうため大統領専用機に乗り込む際、記者団に対し、米朝首脳会談について「大成功となるだろう」と述べ、親指を立てて自信を見せました。


開催地にシンガポールを選んだのは、アメリカと北朝鮮、双方と国交がある第三国で、中立的と言えることに加えて、キム委員長が専用機で直行できる距離にあることなどを考慮した結果だと見られます。


これに先立って北朝鮮に拘束されていたアメリカ人3人が解放され米朝首脳会談の開催に向けて大きく前進した形となっていました。


史上初となる米朝首脳会談で、トランプ大統領はキム委員長に対し、完全で検証可能かつ不可逆的な非核化に向けて具体的な行動をとるよう求める考えで、北朝鮮の非核化に道筋をつけることができるのかどうかが最大の焦点となります。


また、トランプ大統領は65年前から休戦状態となっている朝鮮戦争終結や、弾道ミサイルの放棄、それに日本人の拉致問題の解決なども訴えるとしていて、キム委員長の出方が注目されます。

シンガポールは、マレー半島の南端にある島国で、世界有数の金融都市です。


アメリカ、北朝鮮の両国と外交関係を維持していることもあり、早い段階から米朝首脳会談の候補地として伝えられてきました。北朝鮮の大使館も置かれています。


これまでたびたび、重要な外交の舞台となっていて、2015年には、中国と台湾の初の首脳会談が開かれたほか、アジア太平洋地域の安全保障について、各国の防衛担当の閣僚などが意見を交わす国際会議も毎年、開かれています。


このため、大規模な国際会議場や数千人規模の報道関係者の受け皿となるホテルなど施設も充実しています。


史上初となる米朝首脳会談は、国際社会からの注目度も高く、各国から多くの関係者が訪れることが予想され、限られた時間の中で警備や準備など万全な態勢を整えられるのかが、今後の課題となります。


インタビューに応じたのは、米朝首脳会談の準備のためポンペイ国務長官とともに北朝鮮を訪れ、10日に帰国したアメリ国務省のナウアート報道官です。


ワシントンで行われたNHKとのインタビューで、ナウアート報道官は、首脳会談の開催地に決まったシンガポールについて、「数多くの記者や政府当局者が集まる大規模で重要な会議を滞りなく行うことができる施設が整っていることが必要で、シンガポールは完璧な場所だ」と述べ、トランプ大統領の意向も踏まえ韓国と北朝鮮軍事境界線にあるパンムンジョム(板門店)も検討したものの、実務的な理由で最終的にシンガポールに決まったと説明しました。


そのうえでナウアート報道官は、「われわれの期待が何か、北朝鮮に明確に伝えている。完全かつ検証可能で不可逆的な非核化だ」と述べ、トランプ大統領が会談でキム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長に具体的な行動を要求すると強調しました。


そして、「会談までにやるべきことが多く残されている。われわれは目を見開き、現実的姿勢で臨む」と述べ、首脳会談に向けて北朝鮮と引き続き協議を行う必要があると指摘し、アメリカが求める非核化に応じるか、北朝鮮の動向を注視する考えを示しました。


また、ナウアート報道官は日本人の拉致の問題について、ポンペイオ長官が今回の北朝鮮訪問で取り上げたか明らかにしませんでしたが、「われわれはあなたたちの悲しみを共有している」と述べ、拉致問題についても重視していると強調しました。


 トランプ大統領は南北首脳会談の様子をテレビで見たことなどから、板門店(パンムンジョム)での開催をこれまで推してきました。しかし、ホワイトハウスの側近らがこれに反対し、シンガポールで落ち着かせました。板門店で開催した場合、非核化よりも先に朝鮮戦争の平和協定の議論が進んでしまう可能性を懸念したからです。一方で、トランプ大統領は在韓米軍の削減を検討している可能性もあります。10日に「朝鮮半島全体の非核化を達成する」と韓国を含めた点を強調していて、これまでも経費が掛かるとして在韓米軍の削減を否定しない考えを示しています。トランプ大統領自身は注意深く臨む姿勢ですが、専門家からはその予測不能な行動を懸念する声も上がっています。


 北朝鮮が重視するのは、体制の保証と制裁解除です。会談の場所を譲ってでも目的を達成したい本音が見えます。北朝鮮米朝首脳会談平壌開催を強く希望したものの、最後はアメリカに押し切られました。ただ、シンガポールには北朝鮮の大使館があり、以前は貿易の重要な拠点としていたことからも悪い場所ではありません。金正恩委員長が専用機で移動することもできます。そして、会談に向けた北朝鮮アメリカの協議内容もANNの取材で分かってきました。平壌で最近まで行われていた実務協議で核廃棄を検証するため、IAEA国際原子力機関)の査察受け入れで基本合意しました。アメリカは平和条約の締結や国交正常化に加え、制裁解除や大規模な経済協力も検討しているといいます。核・ミサイル開発から経済発展にシフトしたい北朝鮮にとって、この会談はまさに正念場になります。


 北朝鮮の非核化が「完全で検証可能、不可逆的」なものになるなら満点だが、現実的に考えればそれは極めて困難だ。


 米朝首脳会談で「米国に届くICBMは配備しない。これ以上、核実験はしない」という核の「凍結」プラス抽象的な「非核化実現への決意表明」程度が落としどころになれば、北朝鮮が中距離核ミサイルを保有し続けることを米国が黙認する結果になる。


 それは「日本にとって最悪の事態」と外務省は言うが、本当の「最悪の事態」はボルトン氏らが主張した北朝鮮への先制攻撃で核戦争が起こり、日本が巻き添えを食うことだ。


 谷内正太郎国家安全保障局長は5月4日、ボルトン氏とホワイトハウスで会談し、「すべての核兵器弾道ミサイルの完全で恒久的な廃棄を実現する目標の共有を確認した」という。


 だがボルトン氏のような「ネオコン」で好戦的な強硬論者と意見が一致するのは、日本にとって危険が大きいと案じざるを得ない。