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22日、モスクワのクレムリンで会談したプーチン大統領ムン・ジェイン大統領は、朝鮮半島情勢や2国間関係について意見を交わしたあと、共同声明を発表しました。


それによりますと、両首脳は先に行われた史上初の米朝首脳会談の結果を歓迎したうえで、朝鮮半島の完全な非核化と北東アジアに恒久的な平和と安定をもたらすため、両国が協力を続けることで一致しました。


そのうえで両首脳は、ロシア極東のウラジオストクで毎年9月に開かれている東方経済フォーラムについて、この地域の国際協力を進める舞台となっていると高く評価し、こうした機会などを通じてロシアと韓国、北朝鮮の3か国による経済協力計画を推進することを確認しました。


さらに共同声明では、プーチン大統領がムン大統領の招待で、都合のよい時期に韓国を訪問することで合意したとしています。


プーチン大統領は、ことしの東方経済フォーラムに安倍総理大臣やムン大統領、中国の習近平国家主席北朝鮮キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長を招待しており、朝鮮半島情勢を巡ってロシアの存在感をアピールする狙いもあるものと見られます。


トランプ大統領は、北朝鮮の政府や個人が所有している資産の凍結や、アメリカ人が北朝鮮籍の船舶を所有することを禁じる制裁を1年延長することを決め、22日、議会に通告しました。


アメリカ政府はこの制裁を10年前の2008年に科してから毎年延長する手続きをとっています。


トランプ大統領は「朝鮮半島に兵器への転用が可能な核物質が存在し、拡散の危険性があることや北朝鮮政府の行動や政策は、アメリカの安全保障や外交、経済にとって脅威であり続けている」と指摘しました。


トランプ大統領は、米朝首脳会談に先立って「最大限の圧力という言葉はこれ以上使わない」と述べて北朝鮮に融和的な姿勢を示しましたが、制裁は続けていくとしていました。
今回の決定はこの方針に沿った形です。


一方、マティス国防長官とポンペイ国務長官、それにボルトン大統領補佐官が22日、協議しました。


協議の内容は明らかになっていませんが、8月に予定されていた米韓合同軍事演習を中止したことを踏まえ、今後の対応などについて意見を交わしたものとみられます。


アメリカのマティス国防長官は22日、国防総省ポンペイ国務長官や安全保障担当のボルトン大統領補佐官と会合を開き、米朝首脳会談の結果を踏まえた今後の対応を協議しました。


国防総省によりますと、協議の結果、マティス長官はすでに中止を決めた8月の定例の米韓合同軍事演習、「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」に加え、向こう3か月間に計画していた米韓の海兵隊の2つの交流訓練も無期限に延期する方針を決めたということです。


これについて、国防総省北朝鮮との外交交渉を後押しするためだとする一方、さらなる米韓の軍事演習をめぐる決定については、「北朝鮮が生産的な交渉を誠実に続けるかどうかによる」として、北朝鮮の姿勢を見極めながら判断するとしています。


マティス長官はかねてから、北朝鮮への対応について国務省を中心とする外交努力を全面的に支援する方針を示していて、今回の措置も交渉の進展を促すことを優先した形ですが、アメリカ議会の一部からは「譲歩しすぎだ」という懸念の声も出ています。