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アメリカのトランプ政権は1日、中国からの2000億ドル規模の輸入品に25%の関税を上乗せして、中国の知的財産権の侵害に対する制裁措置をさらに強めると発表しました。


中国で副首相級の国務委員を兼ねる王毅外相は2日、訪問中のシンガポールで記者会見し、「一方的なやり方でみずからの懸念を解決しようとするのは、WTO世界貿易機関の原則に反しており歴史の流れに逆行している」と述べてアメリカを強く批判しました。


さらに王毅外相は、「目標を達成することができないばかりか、かえって自業自得の結果を招くだけだと」と述べ、関税を上乗せすれば、アメリカ企業が中国で作る製品に影響がでるほか、物価の上昇でアメリカの消費者にも負担になり被害を受けるのはアメリカ自身だと警告しました。


アメリカの関税上乗せの発表に対して中国商務省も報復措置をとる考えを表明していて、米中間の貿易摩擦は一層激しくなっています。

米中覇権戦争その2(米国のインド太平洋ファンド設立表明) | 松川るい が行く! 自民党 参議院議員(大阪選挙区)

予想通り(というか予想以上)の展開が進んでいると思います。

実際、やりすぎたことに気づいた中国は、態度をより平和台頭的に修正しようとしています。

中国は、この間、日本のかつての大東亜共栄圏をそのままなぞるかのように、南シナ海のみならず、太平洋の島国にも影響力を露骨に拡大しています。台湾承認国を一つ一つ引っぺがして中国側に寝返らせており、朝鮮半島だけでなく、台湾周辺もかなり不安定化しているように思います。だからこそ、米国も米台ハイレベル政府交流を可能にする法律を作ったりと、アクションに対するリアクションその連鎖が起きつつあります。

それにしても、グランド・ストラテジーのルールとはこういうものかと一人感じ入っています。意図も能力も大きくなりすぎた新興挑戦国は必然的に周辺国の警戒心を呼び、現覇権国からの攻撃を招き、それだけなく、警戒感をもつ周辺国からも徐々に締め出される動きが出てくる。米中貿易戦争は筆頭ですが、その他、親中的だったドイツが中国の投資を安全保障上の理由で拒否するといった事案が生じたり、豪州、NZ、仏などにおいて、中国を念頭においた外国人の土地所有規制や外国投資規制が導入されたり、導入されつつあります(日本も導入すべきです)。


他方において、中国の経済的影響力は強大であり、周辺のアジア諸国や直接の安全保障上の脅威を感じない国々は、中国を警戒しつつも一定程度中国の覇権を受容することを選ぶかもしれません。

私は、中国経済の質的発展は本物であり(米国のコピーだけではない)、米国が覇権引き延ばしに成功するかどうかに関わりなく、米中の力は経済力においても軍事力においても拮抗していくことは間違いないと思っています。

日本にとって、中国は、安全保障上は脅威であるが、経済的には大事な存在、隣国としては安定した関係を維持したい、そういう相手です。

日米同盟基軸は変わらないとしても、米国頼み一辺倒ではダメな時代に入りました。地域をいかにして安定させ日本にとって住みよいエコシステムとしていくか、日本自身の覚悟とビジョンが必要です。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20180720#1532083519
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20180719#1531997097(中国の「核心的利益や重大な関心事」を尊重するようアメリカに求めました。)