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トランプ大統領の元顧問弁護士、マイケル・コーエン被告は、2016年の大統領選挙で選挙資金に関する法律に違反し、大統領とかつて不倫関係にあった女性たちに口止め料を支払ったなどとして、禁錮3年と罰金の判決を先月言い渡されました。

この問題について調査しているアメリカ議会下院の監視・政府改革委員会は10日、声明を発表し、来月7日に行われる公聴会で、コーエン被告が野党・民主党の求めに応じて証言することになったと明らかにしました。

トランプ大統領は、コーエン被告に法を犯すよう指示したことはないと強調していますが、コーエン被告はアメリカメディアのインタビューに対し、大統領は違法だと知りながら支払いを指示したと主張しています。

公聴会でコーエン被告は、いわゆる「ロシア疑惑」をめぐり、トランプ大統領の会社が当時、手がけていたモスクワでの不動産事業についても証言するとみられ、野党・民主党は大統領の長年の腹心とも言われる人物の証言を通じて追及を強める構えです。

これはトランプ大統領が10日、メキシコとの国境地帯に向かう前にホワイトハウスで記者団に対して示したものです。

この中でトランプ大統領は「私には非常事態を宣言する権限があり、野党との協議がまとまらなければ宣言する可能性がある」と述べ、議会の承認を経ずに大統領の権限で壁の建設を指示する構えを改めて示しました。

野党・民主党は、トランプ大統領のこうした発言に対して「大統領の権力の乱用だ」と反発しています。

また、トランプ大統領は、政府機関の一部閉鎖が解除されなければ、今月22日からスイスで開かれる世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議」への出席を取りやめる考えも明らかにしました。

トランプ大統領は10日、「国境の安全に関する民主党の妥協しない姿勢や、国家の安全の重要性を踏まえ、ダボス会議への出席を取りやめる」とツイッターに投稿し、予定していたダボス会議への出席をやめる考えを示しました。

トランプ大統領の判断には、政府機関の一部閉鎖がさらに長引いたとしても民主党との協議で一歩も譲らない姿勢を示すねらいがあるとみられます。

アメリカの政府機関の一部閉鎖の影響で、商務省が担当している経済指標の発表が延期される事態が相次いでいます。

このうち貿易統計は8日の発表が延期され、トランプ政権が問題視している貿易赤字の最新の状況が明らかになっていません。中国との貿易協議は3月1日に交渉の期限を迎えることに加え、日本やEU=ヨーロッパ連合との貿易交渉も控えていますが、話し合いの前提になる情報が入手できない状況になっています。

このほか、製造業の受注や建設支出、新築住宅の販売などに関する経済指標の発表が延期になっています。

アメリカの中央銀行に当たるFRB連邦準備制度理事会は、金融政策を判断する前提となるさまざまな経済指標を確認できない事態となっていて、アメリカ経済の減速が懸念される中、機動的な政策運営が妨げられるおそれも指摘されています。

政府機関の一部の閉鎖によって、アメリカ各地の空港では保安検査などを行うTSA=運輸保安局の職員の欠勤が相次いでいて、旅行者に影響が出ています。

運輸保安局によりますと、政府機関の一部が閉鎖されたあと、全米の空港の保安検査場などで働く政府の職員、数百人が、給料が支払われないため欠勤しているということです。

このため、運輸保安局は、保安検査場での待ち時間が通常よりも長くなるおそれがあるとして、余裕を持って空港へ来るよう呼びかけています。

1か月間に平均200万人以上が利用する、ニューヨークのラガーディア空港では10日、一部の保安検査場にある5つのレーンのうち2つのレーンが閉められていたほか、早めに空港に来る旅行者の姿がありました。

アメリカ南部ノースカロライナ州に向かう女性は、「いつもと同じように空港に来ては、飛行機に乗れないかもしれないと思い、早めに来ました。政府機関の閉鎖をやめてほしいです」と話していました。

パイロットでつくる全米最大の組合は声明で、「飛行機の運航に影響を及ぼすおそれがある」として、すぐに政府機関の閉鎖を解除するよう求めています。

アメリカの政府機関の一部閉鎖によって職員が出勤していないため、国が管理する公園や博物館で、施設の休館や公開中止が相次いでいます。

このうち、アメリカ建国の地として知られる東部フィラデルフィアにある「インディペンデンス国立歴史公園」では、アメリカの独立宣言が採択された議事堂や独立の際に鳴らされた鐘が展示されている施設が休館となり見学できなくなっています。

ドイツから来た友人とともに訪れた地元の女性は、「遠くから来た友人にアメリカ独立の地を案内しようと思いましたが、閉鎖されていて残念です。政府閉鎖が終わるよう、願うしかないです」と話していました。

また、中西部シカゴから来た男性は、「歴史的な場所が見学できず、がっかりしました。不法移民対策は必要ですが、国境の壁は必要ないと思います。大統領と民主党の間で解決策を見つけて、閉鎖を終わらせてほしい」と話していました。

一方、清掃に当たる職員が自宅待機となった影響で、国立公園の周辺では、ごみ箱からごみが回収されないところも出ています。

このため、各地でボランティアが清掃を始めており、このうち、首都ワシントンの連邦議会近くの広場「ナショナルモール」などでは、イスラム教徒の若者のグループが先週からごみ箱からあふれたごみを回収しています。このグループの代表は「国立公園がごみであふれているのを見過ごすわけにいかない。多くの人が清掃に加わってほしい」とコメントしています。

アメリカの政府機関の一部閉鎖が続いていることで、影響は意外なところにも広がっています。

NASAアメリカ航空宇宙局やNOAA=アメリカ海洋大気局など政府機関には多くの研究者が所属していますが自宅待機になり、出張も認められない状態になっています。

このため、今週開かれているアメリ天文学会や、アメリカ気象学会に出席できなくなっていて、その人数は合わせて500人以上に上っています。

気象学会に参加した大学などの研究者たちは、出席できないNOAAに所属する研究者について、ツイッターで「#We Miss NOAA」、「NOAAの人たちがいなくてさみしい」というハッシュタグを付けてツイートし、今の状況を悲しんでいます。

政府機関のメールアドレスも使えないため、連絡を取ることさえ難しくなっているということで、アメリ天文学会は「壊滅的ではないが、学会に有害な影響が出ている」と訴えています。

このほか、全米でブームになっているクラフトビールの販売にも影響が出ています。

ニューヨーク・ブルックリンにある小規模なビール醸造所、「インターボロー・スピリッツ・アンド・エールズ」は、3年前から味や品質にこだわった独自のビールを製造してきました。この醸造所は新たに開発した味のビールを地元、ニューヨーク州以外にも売り出そうとしていますが、許可を得られていません。別の州で販売するために必要な書類を発行する連邦政府の担当部署が閉鎖されているためです。会社はビールの販路を広げようとしていますが、出ばなをくじかれた状態となっています。

醸造所を経営するローラ・ダークスさんは、「さまざまな新しい味のクラフトビールを開発して売り出そうとしているが、州の外で売れなくなると、原材料代や従業員の給料の支払いが滞ることになり、生産や販売の計画変更を余儀なくされるかもしれない。政府の閉鎖がこんなに長引いて、自分たちに影響するとは思っていなかった。政府閉鎖は不必要なことで、早く解決してほしい」と話しています。

アメリカの政府機関の一部閉鎖は首都ワシントンの経済活動にも影響を与えています。

ワシントン中心部にある連邦政府の職員の利用が多いホテルでは、10日現在、11室ある客室のうち、予約が入っているのは1部屋だけで、10部屋が空室となっています。

先月から政府機関が一部閉鎖され、ワシントンで予定されていた会議などが開催されなくなると、ホテルには地方から出張してくる予定だった職員の予約のキャンセルが相次いだということです。

これまではオフシーズンでも客室の半分は常に埋まっていたということで、ホテルでは従業員の労働時間を減らしたり、暖房を切ったりするなど、影響を抑えるための対応に追われています。

ホテルの支配人は「政府機関の閉鎖はホテルの営業に深刻な影響を与えています。トランプ大統領にはお願いなのでできるだけ早く政府機関を再開してほしい」と話していました。

アメリカでは、連邦政府の新たな予算が成立していない影響で、年末から政府機関の一部閉鎖が続いており、政府の職員で作る組合によりますと、合わせておよそ80万人の職員が自宅待機や給料が支払われない状態になっているということです。

こうした中、ホワイトハウスの前では10日、自宅待機を命じられた連邦政府の職員など数百人が参加して抗議デモが行われ、参加者は「国民生活を人質に取るな」とか、「国民のために働かせろ」などと声を上げ、与野党の対立による政府の閉鎖に抗議しました。

また、父親と集会に参加していた男の子は「お父さんを仕事に行かせてあげて」と書かれた看板を持ってホワイトハウスの前を行進していました。

旅客機の安全管理を所管する連邦航空局の職員は「政府機関の閉鎖によって、空の安全を守っている職員が仕事に行けなくなり、国民の安全にも影響している。いますぐに政府を再開するべきだ」と話していました。

一方、日本の国税庁に当たる内国歳入庁の職員は「来週月曜日に給料日を控えている。わが家は夫婦ともに政府職員なので、住宅ローンなどの支払いをどうするのか、頭痛の種になっている。政府閉鎖がどこまで続くのかを考えるとおそろしい」と話していました。

アメリカでは、トランプ大統領が求めているメキシコとの国境沿いの壁の建設費をめぐって与野党が対立し、予算が成立していないため政府機関の一部閉鎖が続いています。

こうした中、トランプ大統領は10日、南部テキサス州のメキシコとの国境地帯にある都市マッカレンを訪れ、地元の国境警備当局の当局者らと意見交換しました。

この中でトランプ大統領は、「民主党側がコンクリートの壁が気に入らないなら、鉄製の障壁と呼んでもいい。強力なものを作る」と述べ、改めて壁の建設の必要性を強調しました。

そのうえで、「民主党やメディアは国境の危機を『でっちあげだ』と言っているが、それこそがでっちあげだ」と述べ、民主党やメディアを批判しました。

トランプ大統領は非常事態を宣言して、議会の承認を経ずに大統領の権限で壁の建設を指示することも辞さない構えを示していますが、国境地帯を視察した際、報道陣から宣言の時期の見通しについて問われると、「議会との協議次第だ」と述べるにとどめ、改めて民主党に譲歩を迫りました。

トランプ大統領民主党との意見の隔たりは依然として大きく、事態打開の見通しは立っていません。

トランプ大統領が10日に訪問したメキシコとの国境地帯にある南部テキサス州マッカレンでは、訪問にあわせて壁の建設を支持する人たちと反対する人たちの双方によるデモが行われました。

デモは、壁の建設の支持者と建設に抗議する人たち、それぞれ数百人が参加して空港近くの大通りをはさんで向かい合う形で行われました。

このうち壁の建設の支持者はアメリカの国旗などを掲げて、「不法移民を排除するためには壁が必要だ」と訴えていました。デモに参加した地元の白人の男性は「ここに暮らしているから、薬物が密輸されたり、子どもが不法移民による犯罪の被害に遭ったり、いかに国境地帯がひどいかを肌で感じています。外国での戦争に多額の費用をつぎこむくらいならアメリカを守るために壁を建設すべきです」と話していました。

一方、壁の建設に反対する人たちは「壁は要らない」などと書かれたプラカードを掲げて、「アメリカは移民の国だ。移民を歓迎する」などと訴えていました。デモに参加したヒスパニック系の男性は「私は生まれも育ちもこの町ですが身の危険を感じたことはありません。トランプ大統領は『危機』をでっちあげて人々の恐怖心をあおっているだけです」と話していました。

デモの現場では参加者がお互いにののしりあったり、小競り合いになったりする場面もみられ、トランプ大統領が目指す壁の建設をめぐって国境地帯でも意見が真っ二つに分かれていることがうかがえました。