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イギリスのメイ首相は、29日、議会下院で演説し、歴史的な大差で否決されたEUからの離脱協定案について、これまでの方針を転換し、EUと再交渉する考えを明らかにしました。

そのうえで来月13日までにEUと合意できなければ新たな案を議会に示すとしています。

演説を受けて議会では、離脱協定案について「北アイルランドの国境管理について代わりの案を求める」という与党・保守党議員による動議が賛成多数で可決され、メイ首相は、議会からみずからの方針への支持を得られたとして、EUに再交渉を求める姿勢を示しました。

これに対し、EUのトゥスク大統領は「離脱協定案は再交渉の対象ではない」とする声明を出したほか、フランスのマクロン大統領も「EUとイギリスが交渉してきた協定案が可能なかぎり最もよい合意だ」などと述べ、再交渉に否定的な考えを示しました。

イギリスの商工会議所は、「時計の針が進む中でまた1日、失われた」とコメントするなど先行きに悲観的な見方も出ています。

3月の離脱まで2か月を切る中、新たな協定案で合意し、「合意なき離脱」を避けられるのか予断を許さない状況です。

議会の採決を受けてメイ首相は、北アイルランドをめぐる取り決めの変更を求める議会の意思が示された。また、議会の支持を得られる合意に向けた道筋も描かれた。この結果を受け止めて、EUに対し、離脱協定案を法的に拘束力のある形で変更することを求めたい」と述べました。

そのうえで「EUが変更を望んでいないことは承知しており、交渉は難しいものとなるだろう。しかし、協定案を否決した2週間前と違って、議会は承認するには何が必要なのかを明確にした」と述べ、今回の採決の意義を強調しました。

また、議会が「合意なき離脱」に反対する修正動議を可決したことについても触れ、「私も合意なき離脱は避けたいと思っているが、反対を唱えるだけでは十分でない。政府は、議会の承認を得られる合意を得られるよう力を尽くす」と述べ、与野党と協議を続けながら、EUと再交渉を行うことに意欲を示しました。

イギリスのメイ首相がEUからの離脱協定案についてEUと再交渉する考えを示したことに対し、フランスのマクロン大統領は滞在先のキプロスで29日、「EUとイギリスが交渉してきた協定案が可能な限り最も良い合意で、再交渉はできない」と述べて、否定的な考えを示しました。

そのうえで、「誰もが望まない合意なき離脱を防ぐ次のステップが示されることを期待している」と述べて、イギリス政府が合意なき離脱を避けるための方策を示すよう求めました。

イギリス議会での採決についてEUのトゥスク大統領は29日、「『合意なき離脱』を避けるという意思を示したことを歓迎し、その熱意を共有する」とする声明を報道官を通じて発表しました。

一方で、「離脱協定は秩序ある離脱のための最善にして、唯一の方法だ。離脱協定は再交渉されるものではなく、北アイルランドの国境管理の条項も協定の一部だ」として再交渉には応じられないとの立場を改めて強調しました。

ただ、仮にイギリスが3月に迫った離脱の延期を要請した場合については、「延期の理由と期間を勘案しなければならないが、イギリスを除く27か国は検討する用意がある」として応じる余地があるとの考えを示しました。

また、「離脱協定案」と違って法的拘束力がなく、離脱後の協力関係の指針として双方が合意した「政治宣言」については、見直しに応じる用意があるとしています。

イギリスはことし3月29日に離脱したあとの急激な変化を避けるため、来年末まで移行期間を設けてこの間はイギリスがEUの関税同盟と単一市場にとどまることで、EUと合意しています。

このことは、アイルランドとの国境管理のあり方などとともに離脱の条件を定めた協定案に盛り込まれていて、イギリス議会の承認が必要です。

もし承認が得られなければ、移行期間は白紙になり、イギリスはEUと取り決めがないまま3月29日に離脱します。これが「合意なき離脱」です。

「合意なき離脱」となると、EUとの貿易には関税が復活し、国境を通過するモノに対して通関の手続きが必要になるため、市民生活や企業の経済活動に大きな影響が出るとみられています。

このため、経済界では深刻な打撃になるという懸念が一段と強まっているほか、イギリス議会でも、多くの議員が「合意なき離脱」は避けるべきという立場をとっています。

一方で、「合意なき離脱」による損失は一時的なもので、長期的にはむしろ、イギリスの成長につながるという意見もあります。

こうした声はEUとの決別を訴える離脱強硬派の議員が中心で、EUとの取り決めがなくなれば3月の離脱直後からEUのルールに縛られることなく、イギリスの判断で、世界の各国と自由に貿易交渉ができるようになると主張しています。

イギリス国内でも、EUとの協定がないまま離脱するいわゆる「合意なき離脱」への懸念が強まっています。

このうちイギリスの「セインズベリー」や「ウェイトローズ」など、大手スーパー各社や小売業者の団体は28日、イギリス議会に書簡を送り、「合意なき離脱」は深刻な混乱を招きかねないと警告しました。

書簡ではイギリス国内で流通する食品の3分の1近くはEUからの輸入品だとしたうえで、特に、離脱の期限である3月はイギリスでは農業生産が減るため、レタスの90%やいちごなどの果物の70%がEUから輸入されていると指摘しました。

そして「合意なき離脱」が起きればサプライチェーンが混乱し、食品が不足する事態に陥る可能性があるほか、新たに課される関税などによって食品価格の高騰を招きかねないとして、「合意なき離脱の現実を最初に経験するのが私たちの顧客になることに強く懸念している」と述べ、議会に解決策を見いだすよう求めています。

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