今日からは先日の近江での講演の原稿化に頑張っている。疲労。以下、その一部。「桑実寺縁起」が竹生島の弁財天について「弁才天は即八大竜王の変化。湖水の下は竜宮城なり」と述べているように、琵琶湖それ自体が巨大な龍穴と考えられていた。『渓嵐拾葉集』には竹生島は「石一つ」でできていて
— 保立道久 (@zxd01342) 2019年2月1日
「内ノウツケタル(内部が空虚なので)」「船ヲ寄レハリャウリャウトヒビク也」とある(六二六頁)。そしてそこからは全国の龍穴に通ずる地下トンネルがあると想像されていた。つまり、『渓嵐拾葉集』には「吉野奥、天川、安芸厳島ト、江州竹生島ト也、此ノ三箇処、次の如く、三弁宝珠の如く、互ニ穴カ
— 保立道久 (@zxd01342) 2019年2月1日
アキ通リタル也。其ノ外処処ノ霊窟、皆なこれ弁才天ノ浄土也。或ハ本地高高タルコトヲ表し高山ノ峯ニ居り、或ハ深禅定を表シテ大海の最底に居る」(五一九頁)、「天川ト厳島ト竹生島ト三所の穴、互通し徹る」(六二五頁)などある(以上、黒田日出男『龍の棲む日本』と重なります)。龍は神話論直結。
— 保立道久 (@zxd01342) 2019年2月1日
日本では龍が雷電・地震・噴火を起こすという観念があり、龍が列島を取り囲まくと幻想されていた。琵琶湖は巨大な龍穴で、京都の祇園・神泉苑、阿蘇・厳島・白山・熱田・富士などに繫がっていた。慈覚大師円仁が見つけ、その上に根本中堂を建てたといわれる龍穴もそこに繫がっていたのであろう。
— 保立道久 (@zxd01342) 2019年2月2日
琵琶湖には娑竭羅龍王が棲み、厳島にはその娘が住み、祇園の牛頭天王(本社は広峯)はその夫であるというという龍神信仰をベースに、平家は琵琶湖から瀬戸内海を支配した(参照、黒田日出男『龍の棲む日本』、保立龍神信仰論文。『歴史評論』) pic.twitter.com/aFwyKdCFbS
— 保立道久 (@zxd01342) 2019年2月2日
日本の地震史は3・11のような陸奥沖海溝地震(約600年間隔)と南海トラフ巨大地震(約100~150年間隔)が長期の動きを作るが各地に大地震が発生する場があり、その複合関係が重要である。近畿地方は活断層の最集中地域であってプレートの圧力をうけ列島が屈曲する場、近畿トライアングルとよばれる
— 保立道久 (@zxd01342) 2019年2月2日
近江の地震史を宗教史をふくめて学校教育(歴史・地学)に反映させることが必須である。そのためにも諸学の協力による地震・地震痕跡の研究が重要であり、100年、200年を考えると近江の文化を守り、また県民の命に関わる問題でもあると思う。以上、先日の講演で配布したレジュメの一部。
— 保立道久 (@zxd01342) 2019年2月2日