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トランプ大統領は15日午前(日本時間16日未明)、ホワイトハウスで演説し、「国境の安全保障上の危機に立ち向かう」と述べうえで、メキシコとの国境沿いの壁を大統領の権限で建設するため、「非常事態宣言」に署名しました。

非常事態宣言は大統領が非常時に議会の承認を経ずに迅速に措置をとれるようにする行政手続きで、過去には2001年の同時多発テロや、外国での紛争時に制裁措置を発動した際などに出されています。

国境の壁の建設費をめぐっては、与野党が協議の末に13億ドル余りを充てる新たな予算案を取りまとめましたが、57億ドルは必要だとするトランプ大統領は「十分ではない」と不満を示していました。

しかし、新たな予算案が成立しなければ、政府機関が再び閉鎖されるため、トランプ大統領としては予算案には署名し、政府機関の閉鎖を回避したうえで非常事態を宣言し、既存の予算の一部を壁の建設に転用するという強硬手段を選んだ形となりました。

ホワイトハウスは非常事態宣言によって、国防総省などの予算を転用し、最大で80億ドルを壁の建設費などに充てることができるとしています。

これに対し、野党・民主党は「非常事態は起きておらず、権力の乱用だ」として、法的手段で対抗する構えを見せていて、政治的な対立が一層先鋭化することになりそうです。

トランプ大統領が非常事態宣言に署名したことについて、メキシコと国境を接し、野党・民主党の地盤の西部カリフォルニア州は、今後、違憲訴訟を起こす構えを示しました。

カリフォルニア州のニューソム知事は15日、声明を発表し「トランプ大統領は危機を作り出して、でっちあげの『非常事態』を宣言し、憲法をゆがめようとしている。こうした『非常事態』は国家の恥であり、この責めは大統領が受けるべきだ」とトランプ大統領を痛烈に批判しました。

そのうえで「私たちのホワイトハウスへのメッセージは単純で明快だ。裁判所で会おう」として、違憲訴訟を起こして、法廷で争う意向を示しました。

また、同じく民主党の地盤の東部ニューヨーク州のジェームズ司法長官も15日、ツイッターに「われわれは権力の乱用を許さない。あらゆる法的手段を用いて戦う」と投稿し、法的手段も辞さない構えを示しました。

アルフォンソ・キュアロン監督による映画「ローマ」は、1970年代のメキシコ・ローマ地区を舞台に、中流家庭の家政婦として働く女性の生活をモノクロの映像で描いたもので、アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞、外国語映画賞など、10の部門にノミネートされています。

主演女優の恋人を演じたメキシコ人のホルヘ・ゲレロさんは、これまでに3回にわたってアメリカへの入国に必要なビザを申請しましたが、いずれも却下され、トランプ政権が移民に厳しい政策をとっている影響で、職探しが入国の目的だと誤解されているのではないかという見方が出ていました。

この映画を製作したアメリカの動画配信大手のネットフリックスは、メキシコにあるアメリカ大使館などに対して働きかけを強め、ゲレロさんは14日、SNSのインスタグラムでビザが取得できたことを明らかにしました。

ゲレロさんは「これで仲間とともに授賞式に出席できます」とコメントし、今月24日にハリウッドで行われるアカデミー賞の授賞式に出席できる喜びを表しました。