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ホンダは、イギリスとトルコの工場での乗用車の生産を2021年中に終了させる方針を19日、正式に明らかにしました。

これにより、ホンダの世界全体の生産能力は現在の540万台から510万台に縮小することになります。

ホンダでは2030年に世界販売の3分の2を、電気自動車やハイブリッド車などいわゆる「電動車」にする計画で、これに対応するため中国とアメリカ、日本で集中的に生産する体制に改めることになりました。

一方、販売が伸び悩むヨーロッパについては、中国や日本からの輸出に切り替える見通しです。

ホンダの八郷隆弘社長は19日の記者会見で「イギリスなどでの生産継続は、競争力の観点から難しいと判断した。車の電動化の加速を見据えて、生産体制の見直しを進めている」と述べました。

イギリスには日本の自動車メーカーのほか電機メーカーなども生産拠点を構えていて、EU離脱が迫る中、生産体制を見直す動きが相次いでいます。

野党・労働党の「影の内閣」で、ビジネス・エネルギー・産業戦略相をつとめるロング・ベイリー議員は「ホンダは、去年、EUと合意のないまま離脱することになれば大きな損失を被ると懸念を示していた。企業の信頼を失ったのは政府の離脱交渉の失敗が原因だ」と述べ、離脱への道筋を描けないメイ政権を批判しました。

クラークビジネス・エネルギー・産業戦略相は「政府は、イギリスがよい投資先だと世界に訴え続けており、トヨタBMWなどのように投資を続けることを決めた企業もある」と反論したうえで「ホンダの決定は衝撃だが、イギリスが自動車の生産に最適な国だとホンダにも再び感じてもらえるようあらゆる手段を尽くしたい」と述べました。

ホンダの工場は1985年、イギリス南部の都市スウィンドンに作られ、1992年に車の生産が始まって以来、これまでに350万台が送り出されました。

この工場では3500人が働き、関連する企業も多いだけに、地元では閉鎖の発表に衝撃が広がっています。

工場で働いている男性は「もし3500人もの人が職を失ったら、経済をはじめ、あらゆるものに大きな打撃となるでしょう」と不安な気持ちを明かしました。

また、夫が以前、ホンダで働いていたという子連れの女性は「これまで多くの人がホンダの仕事を求めてやってきました。しかし、これからは人が去ることになり、将来、ゴーストタウンになってしまうと思います」と心配そうに話していました。

若い男性は「ホンダはこの地域で最大の雇用主で、私のような年代の人も多く働いています。もし働く場所がなくなってしまったら、スウィンドンは消えてしまうと感じます」と話していました。

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