官僚のメモがないことを聞かれると、すぐに目が泳いだり、壊れたレコードみたいになったり、自信のなさは随所に見えるので、劣等感の裏返しで滅茶苦茶やってる側面はあると思いますね。 https://t.co/QhlvfNUaBM
— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) 2019年3月7日
竹下王国は、崩壊するのか #nhk_news https://t.co/YIeAgz9mmp
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年3月7日
現在、島根県の選挙区選出(参議院の合区含む)の国会議員は、竹下亘、参議院議員の島田三郎、
そして青木幹雄の長男の一彦と、4人のうち3人が竹下系列の秘書出身だ。
竹下登の元秘書は語る。
「この公共事業こそが、竹下王国の力の源泉だった。中山間地域の林道や農道の整備を進めることで、地元の信頼を厚くしていった」かつて、松江市役所に近い場所にあった「きさらぎ会」の事務所。当時、来客は絶えず、その“力”の大きさを実感することができた。
ところが、時代の変化とともに「王国」も変質していく。
選挙制度が、島根県全域を選挙区としていた中選挙区制から小選挙区制に変わったことで、県下全域に張り巡らされた後援会組織は必要なくなった。
そして“力の源泉”と言われた公共事業が、時代とともにどんどん減少していった。
その一方で、中堅・若手の県議の中に「王国」に疑問を持つ者が現れた。
「地元に帰らない国会議員が、地元のために仕事をしていると言えるのか」かつて竹下の選挙を支えていたある県議は、こう国会議員を切り捨てる。
「人口が減って参議院の選挙区が鳥取県と合区になったり、JRが廃線になったりしている。」「島根が疲弊するのを見ても何もしていない。そんな国会議員などいらない」
こうした考えは、県議の間で徐々に共有されるようになった。
こうした中、知事の溝口善兵衛が体調を崩して、去年2月に入院。
およそ1か月半で退院したが、任期満了に伴う、ことし4月7日投開票の県知事選挙に立候補して、4期目を目指すことが難しくなったのだ。
これを受けて、自民党県議団22人のうち、竹下系の中堅・若手を中心とした14人は、国会議員に相談せずに候補者選考を進めた。
「地元のトップこそ、地元をよく知る自分たちで決めなければならない」白羽の矢を立てたのは、元総務省官僚で、島根県に出向して政策企画局長を務めたこともある、福岡県出身の丸山達也(48)。去年3月には立候補を打診した。
「県議の批判をいちいち聞いていてもしょうがない。われわれも市町村、県からの陳情や要望を受けているし、島根の状況は分かっている」
国会議員やベテランの県議は、中堅・若手らから詳しい相談がないまま知事選挙の候補者が決まり、しかもその候補と野党との連携まで取り沙汰される事態に態度を硬化した。
「今まで国・県・市を貫く太いパイプの中で、みんなで相談しながら一緒にやってきた。なのになぜ、私たちに一切相談なしに、野党に話をするのか。全く筋が通らない」国会議員やベテランの県議は逆に、総務省で丸山の上司だった元・消防庁次長、松江市出身の大庭誠司(59)を推すことにした。反乱は認めないという姿勢を示したのだ。
それまで、大きな選挙では概ね1年前には候補者を決定し、万全の態勢で圧勝するのが“竹下流”だった。しかし、今回は保守から3人が名乗りを上げる、異常事態となった。
自民党島根県連会長で候補者選考の責任者でもある竹下亘は難しい状況に置かれた。
依然、強い影響力を持つ青木幹雄は「大庭」を推すが、自分の選挙区である島根2区の県議のほとんどは「丸山」を推したからだ。
県連は名乗りを上げた3人と個別に面談。
最終的には国会議員だけで話し合い、県連としては大庭の擁立を決めた。
「総合的に判断した結果だ」
そして竹下は、言葉を続けた。
「分裂させないよう懸命の努力を重ねる」その後、開かれた、国会議員らが大庭氏擁立を支持者に説明した会議の席。
会場に、県議14人の姿はなかった。王国にぽっかりと空いた、穴のようだった。
結局、自民党県議団の半数余りと野党議員の支援も受けた丸山は、無所属で立候補することを表明。
島田も立候補を正式に表明して、保守が三つどもえの分裂選挙になることが決定的になった。兄がつくった強大な「王国」の危機に、竹下亘の胸中には何が去来しただろうか。
青木幹雄はかつて、「一番の民主主義は選挙ではない。話し合いだ」と述べていた。
しかし、話し合いは決裂した。丸山擁立の中心となった県議はこう話す。
「青木の威光はもう通じない。全面戦争だ」島根県では、昭和46年と50年の2回、知事選挙で自民党が分裂した。
ただこの時は、どちらも竹下が推した候補が勝利して、その力を見せつけ、その後の「竹下王国」全盛へとつながった。それから44年。
竹下で始まった「平成」の終わりに、「王国」は、かつてない危機を迎えた。
このまま崩壊へ向かうのか、それとも…。