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トランプ大統領は、21日、もともとシリアの領土で、現在はイスラエルが占領しているゴラン高原について、ツイッターに「アメリカがゴラン高原でのイスラエルの主権を完全に認める時だ」と投稿しました。

これに対して、シリアの国営通信は22日「偏向した、分別を欠く姿勢で、最も強いことばで非難する。シリアはあらゆる手段を通じてこの尊い領土を解放する」とする外務省の声明を伝えました。

また、シリアを支援するイランの地元メディアはトランプ大統領の個人的かつ性急な決断は、中東に終わりのない危機をもたらしかねない」とする外務省報道官の談話を伝えました。

さらに、アラブ諸国パレスチナが加盟するアラブ連盟は22日、「1981年の国連安保理の決議でも、イスラエルによるゴラン高原の併合は認めないことを全会一致で確認している。誤った判断を見直し、撤回するよう求める」とするアブルゲイト事務局長のコメントを発表しました。

今回のトランプ大統領の投稿は争いのある地域について、双方が合意しないにもかかわらず一方の主張だけを認めたもので、今後、ゴラン高原の周辺で緊張が高まるのではないかという懸念が出ています。

アメリカのトランプ大統領が、もとはシリア領でイスラエルが占領を続けるゴラン高原について、イスラエルの主権を認める考えを示したことに、アラブ諸国などから反発や撤回を求める声が相次いでいます。

これについて国連のハク副報道官は22日、定例の記者会見で「特にコメントすることはない」としたうえで、イスラエルの占領を違法だとする安保理決議に違反するかどうかについても「安保理のメンバーが決めることだ」と述べて、明言を避けました。

国連は、1974年からゴラン高原イスラエルとシリアの両軍の兵力を引き離す合意に基づいて、PKO=平和維持部隊が停戦監視を行っています。

今月28日には、このPKO部隊の権限の更新を協議する会合が安保理で開かれる予定で、国連としては各国がどのような立場を示すのか事態の推移を見極めたいものとみられます。


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トランプ大統領は22日、訪問先の南部フロリダ州で、記者団に対し、ISは支配地域を完全に失ったと地図を見せながら主張したうえで、「ついにこの時が来た」と述べ、シリアでのISの支配地域を完全に制圧したと改めて宣言しました。

これに対し、アメリカ軍の支援を受けてISと戦ってきたクルド人勢力主体の部隊は、報道官がツイッター「激しい戦闘が続いている」と投稿し、ISが残る東部の村で軍事作戦が続いていて制圧には至っていないとの認識を示しました。トランプ大統領は、先月28日の演説でも一方的に「ISの支配地域を100%奪還した」と宣言しています。トランプ大統領としてはISの支配地域の完全制圧を改めて宣言することで、シリアからの軍の撤退を急ぐねらいがあるものとみられますが、現地の部隊との認識の違いがあらわになっています。

シリアでは先月から、アメリカ主導の有志連合の支援を受けるクルド人勢力主体の部隊が、過激派組織IS=イスラミックステートの数少ない支配地域となっている東部の村、バグズで、軍事作戦を続けています。その部隊である「シリア民主軍」の報道官は22日夜、自身のツイッターに、闇のなかで火の手があがる写真とともに「バグズ周辺では、ISの残りの者たちに対する激しい戦闘がいまも続いている」と投稿し、作戦は終わっていないとしています。

クルド人勢力主体の部隊「シリア民主軍」の報道官は23日、ツイッターで、ISのシリア最後の拠点だった東部の村、バグズを制圧し、「ISの支配地域は100%なくなった」と発表しました。

シリア民主軍」はアメリカ主導の有志連合の支援を受け、先月からバグズで軍事作戦を続けてきました。

この発表に先立って、アメリカのトランプ大統領は22日、シリアでのISの支配地域を完全に制圧したと改めて宣言しましたが「シリア民主軍」はその時点では戦闘は終わっていないと否定し、詰めの作戦が続いていると強調していました。

バグズの制圧でシリア内戦の混乱などに乗じて勢力を広げたISは、イラクに続いてシリアでの支配地域も失いました。

ただ、ISの指導者バグダディ容疑者の行方は分かっておらず、過激な思想を持つISのメンバーや支持者は各地に潜んでいるとみられています。

このため「シリア民主軍」の報道官はISの残党の追跡を続けると強調しているほか、中東地域を管轄するアメリカ中央軍の司令官も各地に散ったISのメンバーが再び集まるおそれがあるとして引き続き警戒が必要だとしています。

過激派組織IS=イスラミックステートは、シリアの内戦やイラクの不安定な情勢に乗じて勢力を拡大し、2014年に「イスラム国家」の樹立を一方的に宣言してシリアとイラクにまたがる広大な地域を支配しました。

これに対し、アメリカ主導の有志連合が空爆を行うなど軍事作戦を開始。シリアのアサド政権を支援するロシアやイランもISへの作戦を行ったほか、クルド人の部隊やシリアの反政府勢力なども、ISとの戦闘を開始し、次第に、ISの弱体化が始まります。

2017年、ISは、イラクで最大の拠点だったモスルを失ったのに続き、ISが「首都」と位置づけてきたシリアのラッカも陥落しました。

その後、ISの支配地域は、シリア東部を流れるユーフラテス川の東側の複数の村を残すだけとなり、先月に入り、アメリカ主導の有志連合の支援を受けるクルド人中心の部隊が「最後の作戦」と称して掃討作戦に乗り出していました。

今回、ISの戦闘員が最後まで抵抗を続けていた東部の村バグズが陥落したことでかつて「国家」の樹立を宣言したシリアとイラクからISの支配地域は消えることになります。

しかし、支配地域を失ってもISの脅威は依然として残っていると指摘されています。

ISの残党は、シリア中部のアサド政権の支配地域にある砂漠地帯や、イラク西部のシリアとの国境地帯にも、潜伏しているとみられています。ことし1月には、シリア北部でアメリカ軍関係者4人を含む10人以上が死亡する爆発があり、ISが犯行を主張するなどISの関与が疑われる攻撃も散発的に起きています。

また、シリアの情報を集めている「シリア人権監視団」は、最後の拠点だったシリアの村、バグズから数百人規模で戦闘員が逃げ出したと指摘しています。ISの指導者であるバグダディ容疑者についても去年8月に容疑者のものだとするテロを呼びかける音声がインターネット上に投稿されるなど、生死も含めて、行方はわかっていません。

有志連合の調整役を担うアメリカの大統領特使は、今月中旬、「イラクとシリアには依然として1万5000人から2万人、武装したISの信奉者がいるとみられている」と指摘し、また国防総省も先月、ISに対する持続的な圧力が失われれば「ISは半年から1年以内に勢力を取り戻すとみられる」と警告しています。

さらに、エジプトのシナイ半島や、アフガニスタンなどにはISの支部を名乗る組織が存続しているほか、世界各地に散らばったISの戦闘員や過激思想に染まった支持者によるテロなども懸念されていて、ISの脅威は今後も続くおそれがあります。

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