米ペンス副大統領 ベネズエラ政権打倒を目指す考え #nhk_news https://t.co/ospNJc4klC
— NHKニュース (@nhk_news) April 10, 2019
ベネズエラでは、反米を掲げ、中国やロシアの支持を受けるマドゥーロ大統領と、アメリカの支援を受け、暫定大統領への就任を宣言したグアイド国会議長が対立し、国際社会を巻き込んで混乱が広がっています。
アメリカのペンス副大統領は、10日、国連の安全保障理事会で演説し、マドゥーロ大統領について、「不当な独裁者だ。今すぐ退陣しなければならない」と述べました。
そのうえで、アメリカによるベネズエラへの制裁について、「トランプ大統領はさらに強化することもできると話している」と述べ、あらゆる手段を講じて、政権の打倒を目指す考えを示しました。
また、グアイド議長を国の代表として認める決議案を提出する準備を進めていると明らかにしたうえで、「機能不全のマドゥーロ大統領を拒否し、われわれとともに立ち上がろう」と述べ、各国にグアイド議長を支援するよう呼びかけました。
これに対して、マドゥーロ大統領を支持する中国やロシアは反発し、このうちロシアの代表は、「制裁をかけていくアメリカのやり方を拒否する。われわれは、国民を支援するために協力すべきだ」と述べるなど、ベネズエラ情勢への対応をめぐって、アメリカとロシアや中国の対立が鮮明になっています。
ベネズエラ国民の生活状況について国連で人道支援を統括するローコック事務次長は、国連安全保障理事会の会合で、「人口の4分の1に当たる700万人に緊急の人道支援が必要だと推計している」と述べました。
そのうえでローコック事務次長はベネズエラ政府が人道支援にあたる団体や機関を受け入れることと国際社会がさらなる資金援助を行うことが必要だという考えを示しました。
ベネズエラ政府は、マドゥーロ政権を支持する中国やロシアからの援助を受け入れている一方で、政権の正統性を認めずグアイド国会議長を支持するアメリカなど西欧諸国からの支援を拒否しています。
ローコック事務次長の発言は、事態のこれ以上の悪化を食い止めるためベネズエラ政府に対して、欧米からの支援を受け入れるよう促したものとみられます。
一方、アメリカのペンス副大統領が同じ会合で安保理に対して、「マドゥーロ政権のモンカダ国連大使の資格を取り消すべきだ」と主張したのに対して、国連のデュジャリック報道官は定例の記者会見で、「国連総会が決めることだ」と述べ安保理に権限はないとの立場を強調しました。
ベネズエラ 先月の物価上昇率 年率で162万%に #nhk_news https://t.co/e4oA1bC6QD
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南米のベネズエラでは、独裁体制を敷くマドゥーロ大統領をロシアや中国が支持する一方、暫定大統領への就任を宣言したグアイド国会議長をアメリカが支援し、国際社会を巻き込んだ混乱が広がっています。
このため、現地では食料品や医薬品などが極端に不足して物価が高騰していて、10日にベネズエラの国会が発表した先月の物価上昇率は年率で162万%に上っています。
これはことし2月の229万%と比べると低下しているものの、国内で大規模な停電が続き、通貨が銀行から引き出せなくなるなど、お金の流通自体が大きく制限されていることなどが要因とみられ、経済状況の悪化に歯止めはかかっていません。
ベネズエラでは政府側が、これまで拒否してきた人道支援物資を一部受け入れる動きも見せていますが、物資の不足解消のめどはたっておらず、IMF=国際通貨基金は、ベネズエラの物価上昇率は悪化の一途をたどり、ことし中には年率で1000万%を超えると予測しています。