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1日、東京 練馬区早宮の住宅で、無職の熊澤英一郎さん(44)が包丁で刺されて死亡した事件で、警視庁は父親で農林水産省の元事務次官、熊澤英昭容疑者(76)を殺人未遂の疑いで逮捕し、3日、容疑を殺人に切り替えて検察庁に送りました。

これまでの調べで、熊澤容疑者は「長男は引きこもりがちで、家庭内暴力があった」と供述していますが、その後の調べに対し、およそ1週間前に起きた、川崎市で51歳の男が小学生らを包丁で殺傷した事件を受けて「川崎の事件を見ていて、自分の息子も周りに危害を加えるかもしれないと不安に思った」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材でわかりました。

警視庁によりますと、事件直前には長男が近くの小学校で行われていた運動会の音がうるさいと腹を立てたのを父親が注意し、口論になったということで、父親は「周囲に迷惑をかけてはいけないと思った」とも供述しているということです。

警視庁は、川崎の事件を受けて、家庭内暴力が外に向かうことを恐れて事件に至った可能性もあるとみて調べています。

農林水産省の事務方トップ、事務次官まで務めた76歳の父親と、44歳の長男。親子の間で何があったのか、事件に至る経緯が少しずつわかってきました。

警視庁によりますと、長男の熊澤英一郎さん(44)は、中学2年のころから母親に暴力を振るうようになったとみられています。

父親の熊澤英昭容疑者(76)は「長男は中学生のころから家庭内で暴力を振るうようになった」と話しているということです。

長男は高校に進学しましたが、その後、両親とは別々に都内の別の場所で暮らしていたということです。

長男が再び練馬区の住宅で両親と暮らすようになったのは、事件のおよそ1週間前となる、先月下旬。突然、電話で「実家に帰りたい」と言ってきたということです。

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