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ルノーは4日、オランダにある統括会社「ルノー・日産BV」について、日産とともに行った調査の最終結果を公表し、ゴーン前会長による社用ジェット機の私的利用など、不透明な支出がおよそ13億円見つかったことを明らかにしました。

この疑惑について、ルノー筆頭株主であるフランス政府のルメール経済相は5日、地元のテレビ番組の中で、近くルノーなどがゴーン前会長を告訴することを明らかにしたうえで、「調査によって明るみになった事実は非難に値する」と述べ、司法による判断がなされるべきだという考えを示しました。

ルメール経済相がゴーン前会長の行為を公の場で明確に非難するのは初めてとみられ、今後の司法当局の判断が注目されます。

一方、ルメール経済相は、ルノーがFCA=フィアット・クライスラーから受けている経営統合の提案について、統合後の新会社にはフランス政府の立場を代弁する取締役を置きたい、という考えを示しました。

そのうえで「経営統合は日産との企業連合の枠組みで行われるべきだ」として、FCAとの経営統合に日産側の理解を求めていく姿勢を強調しました。

ルノーは先月、フィアット・クライスラーから、対等合併によって経営統合し、販売台数で世界3位の規模となることでコスト削減や開発の効率化を進めるなどとする提案を受けています。

これを受けてルノーは5日、前日に続いて取締役会で対応を話し合いましたが、統合に向けて正式な協議を始めるかどうか、結論に至らず、日を改めて議論を続けることにしています。

経営統合の提案をめぐって、ルノーと企業連合を組む日産は、自社への影響を見極めたいとして慎重な姿勢を取っています。

ルノー筆頭株主であるフランス政府のルメール経済相は5日、日本メディアとの会見で「統合は日産とルノーの企業連合の枠組みで行われるべきで、そのためには日産の支持が必要だ」と述べ、日産の支持が第一条件だという考えを示しました。

そのうえで「統合がルノーフィアット、そして日産、みなにとっての成功でないのなら、実現しない」と述べ、統合に向けた検討作業に日産に加わってもらうなどして統合への理解を求めていくことが必要だという考えを示しました。

ルノーフィアット・クライスラーの統合の協議は日産の経営の在り方にも関わってくるだけに、今後の行方が注目されます。

フィアット・クライスラーは、5日、ルノー経営統合の提案を協議する取締役会を終えた直後に撤回を発表しました。

発表によりますと、フィアット・クライスラーは、提案撤回の理由について「フランスの政治状況が統合を円滑に進める状態になかった」としています。

ルノーに対するフィアット・クライスラー対等合併による経営統合提案は、統合によってルノーと合わせて販売台数で世界3位の規模を目指したいとするものでした。

これに対して、ルノー筆頭株主であるフランス政府のルメール経済相は、経営統合については、ルノーと企業連合を組む日産自動車の支持が第一条件だという考えを重ねて示していました。

こうしたことから、統合に慎重な姿勢の日産を重視したフランス政府の対応がフィアット・クライスラー側の統合提案に影響したのではないかという見方も出ています。

ルノーフィアット・クライスラーの統合の協議は日産の経営にも影響を与えるとして注目されていましたが、ひとまず、白紙に戻りました。

ルノーと連合を組む日産自動車の西川廣人社長は6日朝、記者団に対して「まだ正式に聞いていない。きちんと聞いたらコメントします」と述べました。
また、提案の撤回は日産の反対が影響していると一部で報じられたことについてもコメントを控えました。

そのうえで西川社長は「経営統合でアライアンスの機会が広がるのは大歓迎だが、統合すればパートナーを組む会社が別の会社になるということなので、日産としてはいろいろ見ていく必要があり時間が必要ですと伝えた」と述べ、ルノーとFCAの統合には日産としても慎重な検討が必要だったという立場を改めて示しました。


フィアット・クライスラーの声明では、「関係するすべての企業に持続的な利益をもたらすようバランスの取れた提案をしたが、フランスの政治状況が統合を円滑に進める状態になかった」と記されている。

今回の提案では、統合後の新会社の本拠をオランダに置くことなどが盛り込まれていたんだけど、提案内容に不満だったフランス政府は、新会社に影響力を持とうと取締役ポストを求めるなどしていた。介入姿勢を強めるフランス政府の姿勢に、フィアット・クライスラー側が懸念を強めたのでは、というわけ。


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