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太陽光や風力などの再生可能エネルギーの電力は、国の制度に基づいてあらかじめ決められた価格で、大手電力会社が事業者から買い取ることを義務づけています。

その費用は家庭などの電気料金に上乗せされていますが、標準的な家庭の上乗せ額は年間9000円を超え、負担が重くなっています。

このため経済産業省は、制度を抜本的に見直し、規模の大きい太陽光や風力で発電した電力を、大手電力会社が決まった価格で買い取る制度を終了させる方向で調整に入りました。

かわりに、再生可能エネルギーの事業者には、みずから、市場などで販売することを求め、価格が一定の基準を下回った場合には国が補填(ほてん)する制度を検討しています。

経済産業省は今月下旬の審議会で新たな仕組みの具体的な案を示し、早ければ来年の通常国会で必要な法改正を行いたい考えです。

この電力買い取り制度は、東日本大震災のあと再生可能エネルギーの普及を促すため、7年前の2012年に導入されました。

太陽光や風力、地熱などの再生可能エネルギーは、一般的には、火力発電などより発電コストが高いとされ、普及が進んでいませんでした。

このため政府は再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社に固定価格で最大20年間買い取ることを義務づけました。

当初は参入する事業者を増やすため、事業用の太陽光発電では、買い取り価格が1キロワットアワー当たり40円と高い水準に設定され、再生可能エネルギーの普及が進みました。

電力に占める水力を除く再生可能エネルギーの割合は制度が始まる前の2011年度の2.7%から2017年度には8.1%まで増加しています。

一方で、買い取りにかかる費用は電気料金に上乗せされることから、家庭や企業の負担は今年度、2.4兆円に達し標準的な家庭の負担額は年間で9200円余りに膨らむ見通しです。

政府は、今後も再生可能エネルギーを主力の電源として普及させたい考えです。

ただ、このままでは、消費者の負担がさらに膨らむ可能性があることから、制度を抜本的に見直すことにし価格競争を促す新たな仕組みを導入して、コストの削減につなげたい考えです。