日産と仏政府の板挟みで「苦難の道」 ルノーが株主総会 https://t.co/pQu1Pcaktb
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) 2019年6月12日
仏自動車大手ルノーは12日午後(日本時間同日夜)、パリ市内の会議場で定時株主総会を開いた。欧米大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との経営統合に向けた協議が「破談」になったばかり。連合を組む日産自動車が25日の定時株主総会に諮るガバナンス(企業統治)の改革案に「棄権」を表明し、日産との関係もぎくしゃくしている。ジャンドミニク・スナール会長ら経営陣が今後のかじ取りについて株主にどう説明するかに注目が集まった。
スナール氏は冒頭のあいさつで、「(日産との)アライアンス(提携)のおかげで大きな結果が出ている。まずはこの強力なアライアンスを復活させることが重要だ」と述べた。
ルノー会長 日産の新体制案に不満も対立避けたい考え #nhk_news https://t.co/B9i0Bsef2q
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ルノーは12日、パリで定例の株主総会を開き、この中でスナール会長は「ゴーン事件によって日産との企業連合は傷ついた。最も重要なのは企業連合を強くすることで、このことなくしてルノーの成功はない」と述べて日産との関係強化が最大の経営課題だと強調しました。
その日産は、経営の透明性を高めるためだとして今月25日の株主総会で人事など3つの委員会を置く新たな経営体制への移行を諮る方針ですが、ルノーは採決を棄権することもありうるという立場です。
これについてスナール会長は「新しい経営体制への移行には賛成だ。ただ、日産の提案では私がメンバーの委員会は1つだけで、ボロレCEOは入っていない」と述べて、ルノーの影響力が弱まりかねないと不満を表明しました。
その一方で「ルノー側がそれぞれの委員会に議席を持ちたいだけであり、決して戦いを挑むわけではない」とも述べ、対話によって日産との対立を避けたい考えを示しました。
また、構想が白紙となったFCA=フィアット・クライスラーとの経営統合については「これまでにないすばらしい案件だという考えは変わっていない」と述べて、交渉再開への期待をにじませました。
今回のルノーの株主総会では、ことし1月に辞任したカルロス・ゴーン前会長が取締役から退任することが正式に決まり、ルノーのすべての役職から外れることになりました。
また、ゴーン前会長の去年の報酬のうち業績に連動する分にあたる日本円でおよそ2700万円を支払う議案について、会社側はゴーン前会長をめぐる不正疑惑を理由に株主に対し、反対を求める異例の呼びかけを行いました。
この結果、反対が90%近くを占め、ゴーン前会長に対する報酬は支払われないことが決まりました。
一方、スナール会長のことしの報酬は45万ユーロ、およそ5500万円の固定給のみとすることが承認され、CEOとの兼任でないことやゴーン前会長の高額報酬が株主から批判されていたことなどを踏まえ、ゴーン前会長の固定給に比べて半分以下の水準となりました。
ルノー会長、仏政府に恨み節 FCA決裂で 日産と合意も「もう公団ではない」株主総会でhttps://t.co/YGQMyNQ772
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→2015年のルノー、日産の基本合意では、ルノーの日産への影響力が引き下げられたとの認識示し、「普通ではない」
→「国とはよい関係を作りたいが、ルノーはもう公団ではない」
日産 新経営体制移行 西川社長「ルノーと調整中」 #nhk_news https://t.co/Ec6b3rzoad
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ゴーン前会長の事件を受けて、日産では経営の透明性を高めるため、今月25日の株主総会で「指名委員会等設置会社」という、人事など、3つの委員会を置く経営体制に移行するための議案を諮る予定です。
これについて、大株主のルノーが、委員会のメンバーにルノー出身者を入れることを求め、実現されなければ総会での採決を棄権する意向を示しています。
12日にパリで開かれたルノーの株主総会でも、スナール会長が影響力が弱まりかねないと不満を示したうえで、「ルノー側が3つの委員会それぞれに議席を持ちたい」などと述べました。
これについて、日産の西川廣人社長は13日朝、記者団に対して、「意見の違いが少しある。ここは今、ルノーと相談しながら調整しているところだ」と述べ、ルノー側と調整を続けていることを明らかにしました。
また、記者団から、ルノーとの提携関係を維持できるのか問われたのに対し、西川社長は「アライアンスはもちろん大事なので、これは安定させていく」と述べました。
「日産は内部管理体制に問題」東証が改善策提出を要求 #nhk_news https://t.co/R4tH6bjIZt
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この事件で日産自動車は、ゴーン前会長の報酬について過去の有価証券報告書を訂正するとともに、取締役会のチェック機能が働いていなかったとして取締役の過半数を社外取締役とするなど、体制の刷新を目指しています。
一方、東証側では会社への聞き取りなどを続けてきましたが、ゴーン前会長に人事や報酬の権限が集中していたことや、管理部署の権限が特定の少数の者に集中していたことなどが分かり、内部統制に問題があったと判断したということです。
このため13日、日産に対して内部管理体制などについて改善策をまとめた報告書を提出するよう求めました。
東証のルールでは、報告書を提出しても状況が改善されていないと東証が判断した場合、より重い「特設注意市場銘柄」に指定されることになっていて、日産が内部管理体制を改善できるか問われることになります。
今回、審査を行った日本取引所グループ傘下の「自主規制法人」の平野剛常任理事は記者会見で、「日産自動車は、必要な内部統制が適切に運用されていなかった。しかし、今回は、数名の限られた行為であるという事情も勘案して上場廃止を前提に強く改善を求める、『特設注意市場銘柄』に指定するまでにはならなかった。今後、提出される報告書の内容や改善策の運用状況をしっかり見ていきたい」と述べました。