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来年11月の大統領選挙で政権奪還を目指す野党・民主党はNBCテレビの主催で、27日までの2日間にわたり南部フロリダ州のマイアミで初めてのテレビ討論会を開きました。

日本時間の28日午前に行われた2日目の討論には、各種の世論調査で支持率トップを保つバイデン前副大統領や、それを追う上院議員のサンダース氏やハリス氏、それに中西部の地方都市の市長で、37歳と最年少のブティジェッジ氏ら10人が参加しました。

この中でバイデン氏は、「トランプ大統領ウォール街アメリカをつくったと考えているようだが、アメリカをつくったのは普通の中産階級アメリカ人だ。私たちは彼らの尊厳を取り戻さなければならない」と述べました。

一方、サンダース氏が「教育はこの国の未来だ。ウォール街の大企業に増税することで、公立の大学を無償化し学生ローンを無くす」などと持論を展開したのに対し、ブティジェッジ氏は「学費が負担できない人のための無償化には賛成するが、大金持ちの子どものために税金で学費を負担すべきとは思わない」と反論しました。

また、人種差別をめぐりハリス氏が「私も子どもの頃、黒人だからと差別された経験がある。バイデン氏が差別主義者の上院議員を称賛したと聞くのはつらかった」などと、バイデン氏の発言が問題視された報道に言及したのに対し、バイデン氏は「私は差別主義者を称賛したことなどない」と反論し、激しいやり取りとなる場面もありました。

さらに最年少のブティジェッジ氏は70歳を超えているトランプ大統領、それにバイデン氏やサンダース氏を念頭に、「私が今の大統領と同じ年齢になる2055年に振り返ったとき、われわれの世代が、気候変動や人種問題、終わりの無い紛争に解決策を見いだしたと言いたい。新たな世代をワシントンに送るのに力をかしてほしい」と述べ、世代交代を訴えました。

また、候補者たちが一斉に話し始めて議論が混乱しそうになった際、ハリス氏が「アメリカに必要なのは争いではなくて結果だ」と発言すると、会場からひときわ大きな拍手と歓声が上がりました。

2日目の討論についてアメリカのメディアは「ハリス氏が際立っていた」などと、ハリス氏を評価しています。

民主党ではこれまでに24人が大統領選挙に名乗りを上げ、まれに見る混戦となっていて、トランプ大統領に対抗する党の候補者を選ぶ予備選挙が行われる来年にかけて、ほぼ月に1度、合わせて12回の討論会を行う予定です。

日本を訪れているトランプ大統領民主党のテレビ討論会について、28日午前のドイツのメルケル首相との首脳会談の冒頭で「テレビで見たが、彼らは不法移民に対して最大限の社会保障を与えようとする一方で、それがアメリカ国民にどのような利益をもたらすのか議論していない」と述べ、気にかけている様子を見せました。

そして、さまざまな課題で意見の違いがあることでも知られるメルケル首相に、民主党のつまらない討論会を聞いているより、むしろあなたと会談をしているほうがいい」と話し、民主党の討論会をやゆしました。

2日目の討論会が行われた会場周辺でインタビューに応じた共和党支持者の女性は「民主党はもはや民主主義の政党とは言えない。初日の討論会で見たように政策が左に片寄っている。2日目の討論会ではバイデン氏やサンダース氏がどこまで左寄りの主張をするのか注目している」と話していました。

一方、民主党のバイデン氏を支持しているという男性は「バイデン氏が大統領に選ばれれば、彼がいかにすばらしい指導者か理解するだろう。わたしたちにはバイデン氏のような健全な指導者が必要だ」と話していました。

また、同じ民主党のサンダース氏を支持しているという男性はトランプ大統領をどうにかしなければならない。わが国の民主主義にとって脅威だ。民主党は誰が候補に選ばれるにせよ、来年の大統領選挙でトランプ氏を倒すために団結しなければならない」と話していました。

ティラーソン前国務長官は先月、アメリカ議会下院の外交委員会で非公開で証言し、27日、議会側がその質疑をまとめた文書を公開しました。

この中でティラーソン氏は、在任中のおととし6月、サウジアラビアなどがカタールと国交を断絶した際、事前に通知はなく、驚いて各国と連絡を取り、事態の鎮静化を求めたと述べました。

しかし出席した議員は、その直前にトランプ大統領の娘婿のクシュナー上級顧問らがサウジアラビアの政権幹部と会食した際、通知を受けていたと指摘しました。

ティラーソン氏は、これを全く聞いていなかったとしたうえで、「怒りを感じる。大統領の顧問が娘婿だという特殊な状況を課題だと感じていた」と不満を示しました。

さらにティラーソン氏は、ワシントンの飲食店でクシュナー氏とメキシコの外相がひそかに会食している場面に鉢合わせしたこともあったということです。

ティラーソン氏はエクソンモービルのCEOから鳴り物入り国務長官に就任したものの、去年3月、就任から1年余りで解任されました。

今回の証言は、ティラーソン氏が国務長官にもかかわらず、重要な外交の現場から遠ざけられていたことをうかがわせています。