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ウクライナ疑惑は、トランプ大統領がことし7月、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談で、来年の大統領選挙の民主党の有力候補、バイデン前副大統領に不利な情報を得ようと軍事支援と引き換えに調査を要求したとされるもので、野党・民主党は、議会下院で弾劾に向けた調査を進めています。

20日、議会の公聴会で証言したソンドランドEU大使は、トランプ大統領の顧問弁護士のジュリアーニ氏がウクライナ側への働きかけを主導していたとしたうえで「ジュリアーニ氏とは一緒に働きたくなかったが、大統領の指示に従った」と述べ、トランプ大統領に指示されたためジュリアーニ氏に協力したと明らかにしました。

そして「見返りがあったかどうか聞かれれば、答えはイエスだ」などと述べ、トランプ大統領側がウクライナに対し、首脳会談の見返りに野党・民主党のバイデン前副大統領らをめぐる捜査を要求していたと証言しました。

さらにジュリアーニ氏がウクライナ側に直接要求を伝えていたとして「この条件はトランプ大統領の望みや要求を反映したものだとわれわれは理解していた」と述べたうえで、ポンペイ国務長官ホワイトハウスのマルバニー首席補佐官代行など政権の幹部にも、ウクライナ側とのやり取りの一部をメールで報告していたと証言しました。

ソンドランド氏は、トランプ大統領に多額の献金をした支援者として知られ、疑惑の鍵を握る1人としてその証言に注目が集まっていて、民主党は、トランプ大統領の不正への関与を示す証言だとして攻勢を強めています。

ソンドランドEU大使の証言について、トランプ大統領ホワイトハウスで記者団に対し「彼に『何がほしいか』と聞かれたので、『何もいらない』と答えた。見返りもいらないと伝えた。ウクライナのゼレンスキー大統領には正しいことをするように言ってくれと伝えた」と述べ、みずからの関与を否定しました。

そのうえで「彼のことはよく知らない。私ではない、ほかの候補を支持していた」と述べ、ソンドランド氏と距離を置く姿勢を示しました。

公聴会を行った民主党のシフ下院情報委員長は記者団に対し、ソンドランドEU大使の証言について「きょうの証言はこれまでで最も重要な証拠だ。贈収賄の問題の核心に迫るだけでなく、ほかの潜在的な重罪などにもつながる」と述べ、弾劾調査にとって重要な証拠になるという認識を示しました。

そのうえで、ソンドランド氏が、ポンペイ国務長官ホワイトハウスのマルバニー首席補佐官代行など政権の幹部も、この問題を認識していたと指摘したことに触れ、「この陰謀が政権内で広く共有されていたことを初めて把握できた」と述べ、さらに追及を強める考えを強調しました。

ウクライナ疑惑はトランプ大統領がことし7月、ゼレンスキー大統領との電話会談で、民主党の有力候補バイデン前副大統領に不利な情報を得ようと、軍事支援と引き換えに調査を要求したとされるもので、野党・民主党は、議会下院で弾劾に向けた調査を進めています。

20日、議会の公聴会で証言したソンドランドEU大使は、トランプ大統領側がウクライナに対し、首脳会談を開く見返りに野党・民主党のバイデン前副大統領らをめぐる捜査を要求していたと証言しました。

そのうえで当時、ポンペイ国務長官ら政権幹部にもウクライナ側とのやり取りを報告していたほか、9月にはペンス副大統領にも懸念を伝えたと主張しました。

ソンドランド氏はトランプ大統領に多額の献金をした有力な支援者で、先月行われた非公開の聞き取りでは見返りについて「知らない」などと述べていましたが、その後、証言を一転させ、全米にテレビ中継された20日公聴会では、より具体的にトランプ大統領に不利な証言をしたことで波紋が広がっています。

一方、ソンドランド氏は公聴会「ことし9月、トランプ大統領に『ウクライナに何を求めているのか』と尋ねたところ、『何も求めていない。見返りは要らない』と言われた」とも証言しました。

これを受けてトランプ大統領は、その証言の内容を記したとみられるメモを手に、ホワイトハウスで記者団に自身の潔白を示す証言だと反論し、攻防が一層激しくなっています。

来年のアメリカ大統領選挙で政権の奪還を目指す野党 民主党の討論会は20日、南部ジョージア州アトランタで、MSNBCとワシントン・ポスト紙が主催して行われました。

討論では、この日行われたウクライナ疑惑の公聴会についてトランプ大統領への批判が相次ぎ、サンダース上院議員は「トランプ大統領は異常にうそつきで、最も腐敗した大統領だ」と述べ、ウォーレン上院議員も「巨額の献金をした人を大使にしたのは腐敗だ」などと批判しました。

一方、このところ好調が伝えられるインディアナ州で市長を務めるブティジェッジ氏が「私には伝統的な既成勢力としての国政の経験はないが、いま必要なのはこれまでと全く違う経験だ」と述べ、従来の政治家にはない新鮮さや37歳という若さをアピールしました。

これに対してバイデン前副大統領は「私には人々を率いてきた経験が何度もある。軍の最高指揮官になるために試用期間は全くない」と述べ、みずからの経験をアピールしました。

民主党の候補者選びは、17人の候補者に加え新たに立候補を模索する動きもあり、混戦が続いていますが、支持率でリードするバイデン前副大統領が伸び悩み、左派のウォーレン上院議員にも一時の勢いが見られません。

こうした中、ブティジェッジ氏が、全米に先駆けて候補者選びを行うアイオワ州の支持率でほかの候補をリードするなど追い上げを図っていて、党内の戦いがさらに激しさを増しています。

民主党の討論会が行われた会場の前には、各候補者を支持する200人余りが、候補の名前の書かれたプラカードなどを持って集まりました。

最も多かったのはブティジェッジ氏を支持する人たちで、子どもから年配の人たちまでおよそ80人に上り、「ピートを大統領に」と何度も声を上げていました。

女性の支持者は「彼は賢いし、偉ぶらないのがいいと思います。私たちは団結しなければなりませんが、それができるのはブティジェッジ氏です」と話していました。

男性の支持者は「アメリカの希望だ。若く、進歩的で、人と違う考え方を持っている。支持する人がまだまだ増えると思う」と話していました。

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