https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

サウジアラビアなどが加盟するOPEC=石油輸出国機構とロシアなど非加盟の産油国は、1日からオーストリアのウィーンで会合を開き、今月以降の生産計画について話し合います。

これらの産油国の多くは歳入を原油による収入に頼っていることから、価格を高値で維持しようとこれまで協調して減産を進めてきました。

世界経済の減速で原油の需要の伸び悩みが見込まれるなか、産油国の中核であるサウジアラビアとロシアが6月末に期限を迎えた減産を続ける期間をさらに延長することで合意したため、今回の会合では今月以降も減産を継続することを決める見通しです。

ただ、アメリカとイランの間で緊張が高まるなか、世界有数の産油国が集中するペルシャ湾岸では原油の重要な輸送ルートであるホルムズ海峡付近でタンカーへの攻撃などが相次ぎ、日本などの原油の調達への影響が懸念されています。

調達に支障が出ればガソリン価格などの値上がりにもつながりかねないだけに、今回の会合で産油国が安定した供給を求める日本などの消費国にどのような配慮を示すかが焦点になります。

サウジアラビアを中心とするOPEC=石油輸出国機構の加盟国と非加盟のロシアなど主な産油国は、おととしから協調して生産量を絞ってきました。産油国の多くが歳入を原油による収入に頼っているため、原油価格を高値で維持しようとしたのです。

去年12月にはこの減産の方針をことし6月まで続けることで合意し、1日当たりの生産量を、世界全体の供給量の1%余りにあたる120万バレル減らすことを決めました。

アメリカの経済制裁のあともイランから原油の輸出が限定的ながら続いたことやアメリカとの貿易摩擦で中国の原油の需要が落ち込むと見込まれたことで、このころの国際的な原油価格が大きく値下がりしていたためです。

その後、原油価格は産油国の思惑どおり値上がりに転じ、アメリカがことし4月にイラン制裁の強化を発表すると一段と上昇しました。

国際的な原油取り引きの指標は、ニューヨーク原油市場のWTIの先物価格が1バレル=66ドル台、ロンドン原油市場の北海産の原油先物価格が1バレル=75ドル台まで値上がりし、ことしの初めと比べ40%を超える高い水準となったのです。

しかし、その後、激しさを増すアメリカと中国の貿易摩擦などを背景に、世界経済の減速への懸念が強まり、原油価格が再び下落します。

先月にはホルムズ海峡でのタンカーへの攻撃などで原油価格は値上がりしたものの、現在、WTI、北海産の原油ともにことしのピーク時より10%以上、低い水準が続いています。

原油の供給をめぐっては、アメリカがことし5月、イラン産の原油の輸入を全面的に禁止し、イランから日本や韓国などアジア諸国への原油の輸出が激減しました。

イランの5月の原油の輸出量は、日量50万バレル前後とアメリカが、核合意からの離脱を表明する以前の水準と比べて5分の1ほどに減少したと指摘されています。このため、イランは一連の経済制裁は「アメリカによる『経済戦争』」だと強く反発し、アメリカとの間で緊張が高まりました。

こうした両国の対立を背景に、世界有数の産油国が集中するペルシャ湾岸地域で原油の供給が脅かされる事件が相次ぎます。5月には、ペルシャ湾の出口にあたるホルムズ海峡に近い、UAE=アラブ首長国連邦フジャイラ港の沖合でサウジアラビアなどのタンカー4隻が攻撃を受けました。また、先月もホルムズ海峡に近い海域で、日本の海運会社が運航するタンカーなど2隻が攻撃を受け、船体に穴が開くなどの被害が出ました。

これらの事件については、アメリカやサウジアラビアなどがイランの関与を主張しています。これに対し、イランは無関係だとしていますが、アメリカが圧力を強めた場合はホルムズ海峡の封鎖も辞さないと主張しているほか、アメリカの無人偵察機を領空侵犯をしたとして撃墜するなど、両国の対立はエスカレートしています。

事件が相次いでいるホルムズ海峡は、世界で消費される原油の5分の1余り、日量2000万バレル程度の原油が通過ことから、「世界で最も重要なエネルギーの輸送ルート」とされています。その多くがアジア諸国向けで、日本は輸入する原油の8割余りをホルムズ海峡を経由する原油に依存しています。

湾岸諸国のうち、サウジアラビアやUAEはホルムズ海峡が封鎖される事態に備えて海峡をう回するパイプラインを整備していますが、さらに増やせる輸送量は日量380万バレルほどしかありません。

アメリカとイランの緊張緩和が見通せないなか、ホルムズ海峡付近で有事があれば、原油の安定供給が脅かされる事態になりうることが改めて浮き彫りになっています。

主な産油国の方針が原油市場に与える影響について、イギリスの証券会社、IGグループのクリス・ビーチャムチーフアナリストに聞きました。

ビーチャム氏は、「今回の会合では、世界全体の需要が低迷するという懸念にどう対処していくかが焦点になるが、OPECは価格を高値で維持しようと生産を絞ってもアメリカにそのシェアを奪われてしまうという課題を抱えている」と述べ、アメリカでシェールオイルの生産が増えるなか、主な産油国による生産調整だけで価格を引き上げるのは難しくなっていると指摘しています。

そのうえで、「原油価格には下向きの圧力がかかっており今回の会合でどんな決定がされても、1バレル=100ドルまで上昇することはないだろう」と述べ、主な産油国が減産を続けても原油価格が今の水準から大きく値上がりする可能性は低いという見方を示しました。

イランは、アメリカが去年一方的に離脱した核合意について、制裁によって約束された経済的な利益が得られていないとして、合意の義務の一部を履行しないと表明していました。

これについて、イランのザリーフ外相は1日、国営通信の取材に、合意の義務に反する形で生産を増やしていた低濃縮ウランの貯蔵量が制限の300キロを超えたと明らかにしました。

イランが、核合意で定められた義務を順守しないのはこれが初めてで、核合意に参加しているフランスなどヨーロッパ各国が、核合意違反とみなす可能性もあります。

さらに、イランは7月7日からは核兵器の開発にもつながりかねない濃縮度を高めたウランの製造に踏み切るとも表明していて、イランの核開発計画を抑止し、国際社会が高く評価した核合意の枠組みが崩壊するおそれが出ています。

これについて、IAEA国際原子力機関は「低濃縮ウランの貯蔵量が制限を超えたという報道は承知している。現地にIAEAの査察官がおり貯蔵量の確認を進めている」とするコメントを発表しました。

シリア国営通信は、1日未明、シリアの首都ダマスカス郊外や中部ホムス県にある軍事施設をねらって複数のミサイル攻撃があり、周辺に住んでいた生後数か月の赤ちゃんら市民4人が巻き添えになり死亡したと伝えました。

アサド政権は、隣国イスラエルの戦闘機を使った空爆だと主張しています。

また、シリア内戦の情報を集めている人権団体は、空爆された標的にはシリアに駐留するイランの革命防衛隊や、イランが支援する武装勢力の軍事施設が多く含まれているとしています。

一方、イスラエル軍はNHKの取材に「コメントはできない」としています。

ただネタニヤフ首相は、イスラエル軍がここ数年間で敵対するイランの勢力をシリアから排除するために数百回の空爆を行ったことを明らかにしていて、今回もそうした空爆とみられ、地域を一層不安定化させています。

ネタニヤフ首相は先週、イランとつながりが深いロシアの高官をエルサレムに招きイラン勢力のシリア撤退に協力するよう求めていて、今回の空爆イスラエルがロシア側に強いメッセージを送るねらいがあるとも指摘されています。

d1021.hatenadiary.jp