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安倍総理大臣は、G20大阪サミットに合わせて、出席した首脳らと相次いで会談していて、1日夜は最後となるトルコのエルドアン大統領と夕食を交えておよそ1時間会談しました。

この中で両首脳は、6月に軍事的な緊張が続くイランのロウハニ大統領とそれぞれ会談したことを踏まえて、イランの情勢について意見を交わし、中東地域の平和と安定に向けて緊密に連携していくことを確認しました。

また安倍総理大臣は、内戦が続くシリアから隣国のトルコに逃れてきた多くの難民に対し、生活向上などの支援に取り組む考えを伝えました。

さらに両首脳は、両国のEPA=経済連携協定の早期合意に向けて交渉を加速させることや、地震などの災害の多いトルコへの防災分野での協力を強化していくことで一致しました。

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イランのザリーフ外相は1日、低濃縮ウランの貯蔵量が核合意で決められた制限を超えたと明らかにしました。

イランは、合意から一方的に離脱したアメリカが経済制裁を科したことで、約束された経済的な利益が得られていないと反発していましたが、合意の義務の履行を停止したのはこれが初めてです。

これについて合意に参加しているイギリスのハント外相は1日、ツイッターで「深く懸念している。イギリスは合意を機能させるようあらゆる外交手段を行使する」と投稿し、イランに自制を呼びかけました。

イラン側は、合意を存続させるならアメリカの制裁を回避する手立てが講じられるべきだとしていますが、ヨーロッパ各国による対策は実を結んでおらず、事態が改善されなければイランは近く、合意で禁止されている濃縮度を高めたウランの製造に踏み切るとしています。

イランがさらなる義務の履行停止に踏み切れば、対立関係にあるアメリカやイスラエルに加えて、合意を存続させようとするヨーロッパ各国との緊張が高まるおそれもあり、合意の枠組みが維持されるのか難しい局面を迎えています。

イランが核合意で決められた制限を上回る低濃縮ウランを貯蔵したことについてアメリカのトランプ大統領は1日、ホワイトハウスで記者団に「イランは自分たちが何をしているかわかっているはずだ。彼らは火遊びをしているのだと思う」と述べ、イランの動きをけん制しました。

またホワイトハウスによりますとトランプ大統領は1日、フランスのマクロン大統領と電話会談を行い、この問題について意見を交わしたということです。

トランプ政権としては、イランに対して圧力をかけ続けることで、イランを対話のテーブルにつくよう促すねらいがあります。

しかし、トランプ政権へのイランの不信感は募っていて、両国の対立は深まる一方となっています。

イランが核合意で決められた制限を上回る低濃縮ウランを貯蔵したことについてアメリカのホワイトハウスは1日、声明を発表し、「イラン核合意によってどんなレベルであっても、イランにウラン濃縮を認めたことは誤りだった」と述べ、オバマ前政権が主導して結んだイラン核合意を批判しました。

そのうえでアメリカや同盟国はイランが核兵器を開発することを決して許さない」として、イランの指導部が行動を改めないかぎり、圧力を最大限かけ続けると強調しました。

また、ポンペイ国務長官も声明を発表し「イランが外交を拒絶し、核開発を拡大するかぎり、経済的な圧力や外交的に孤立させる取り組みは一層激しくなる」として、イランへの圧力を強め、国際的な包囲網を狭める考えを示しました。

イランの低濃縮ウランの貯蔵量が核合意の制限を超えたことについて合意の仲介役を担ったEU=ヨーロッパ連合はこれまでのところ反応を示していません。

EUはイランが合意の履行を一部停止すると発表した後も「IAEA国際原子力機関の報告ではイランの合意違反は確認されていない」として、イランを刺激することは避け、合意の枠組みをなんとか存続させたい考えをにじませていました。

さらに6月28日にはイランの合意への引き止め策として、フランスなどヨーロッパの主要国が立ち上げた、アメリカの制裁を回避してイランとの貿易継続を目指す、事業体の運用が始まったと発表しその意義を強調したばかりでした。

こうした中、IAEAがイランによる合意義務の履行の停止を確認したことで、EUとして何らかの対応を迫られるものとみられますが、これまでに正式な反応は示しておらず、今後の出方を慎重に検討しているものとみられます。

イギリスのハント外相は、1日、ツイッターで「イランが核合意で決められた義務を破ったとの発表を深く懸念している。イギリスは核合意を機能させ、地域の緊張が高まらないようあらゆる外交手段を行使するつもりで、イランにもこれ以上、合意に反する行動をしないよう求めたい」と投稿し、イランに自制を呼びかけました。

イランと敵対するイスラエルのネタニヤフ首相は「イランは核合意を破ることを明確にした。核兵器保有に向けて重大な一歩を踏み出している」と述べました。そのうえで「EU諸国はイランが核合意を破った場合、自動的に経済制裁を科すことを約束していた。約束を直ちに実行すべきだ」と述べてEUが再び制裁を科し、アメリカのトランプ政権とともにイランへの圧力強化に加わるよう呼びかけました。

G20大阪サミットに合わせて来日していたサウジアラビアのジュベイル外務担当相は1日、NHKの単独インタビューに応じました。

この中で、ジュベイル外務担当相は、イランによる核合意の義務の履行停止をめぐり「イランが合意を守るよう最大限の圧力をかけなければならない。査察も強化されるべきだ」と述べ、対立するイランに対して国際社会が厳しい態度で臨むべきだとの考えを示しました。

また、イランとアメリカとの間で軍事的な緊張が高まり、日本への原油のおよそ80%が通過するホルムズ海峡でのタンカーの安全な航行が懸念されていることについては、「この地域での船舶の航行の自由を維持するための計画を日本も含めた各国と協議する」と述べ、原油の重要な輸送ルートである海域の安全の確保に全力を尽くす考えを示しました。

一方、去年トルコにあるサウジアラビア総領事館でジャーナリストが殺害された事件について、先週、国連の特別報告者が責任はサウジアラビア政府にあり、ムハンマド皇太子を含めた政府高官の関与を調べるべきだとする調査結果を発表したことについて、「受け入れられない。特別報告者は偏見に満ちている」と述べて強く反発しました。

サウジアラビアなどが加盟するOPEC=石油輸出国機構とロシアなど非加盟の産油国は1日、オーストリアのウィーンで今月以降の生産計画を議論しました。

これらの産油国は価格を高値で維持するため、おととしから協調して減産を進めており、1日はまず、OPECの加盟国が先月末までとしていた減産の期間を9か月延長して来年3月まで続けることで合意しました。

2日には、ロシアを中心とする非加盟の国も含めて正式に了承する見通しです。

この背景には、世界経済の減速で原油の需要の伸び悩みが見込まれる中、産油国が減産を続けなくては、値崩れを起こすおそれがあると見ていることがあります。

ただ中東のペルシャ湾岸では、原油の重要な輸送ルートであるホルムズ海峡付近でタンカーへの攻撃などが相次ぎ、日本など消費国はイラン情勢の緊張がさらに高まった場合の原油調達への影響を懸念しています。

これについて、サウジアラビアのファリハエネルギー産業鉱物資源相は記者会見で「日本など世界各地の消費国の需要には応えることができる。需要と供給のバランスを注意深く保つことが最優先だ」と述べて、原油が不足するおそれがあれば一時的に供給を増やすなどして対応する考えを示しました。

サウジアラビアの外務省はツイッターに声明を投稿し、2日午前0時半ごろ、南西部にあるアブハ国際空港がイエメンの反政府勢力フーシ派から無人機で攻撃を受け、民間人9人がけがをしたと発表しました。

これについてフーシ派も、地元メディアを通じて、空港にある戦闘機をねらった大規模な攻撃を行ったことを認めました。

イエメンの内戦では、サウジアラビアが主導する連合軍が空爆などによる作戦を続けているのに対し、フーシ派は、ミサイルや無人機などでサウジアラビアの重要なインフラ施設への攻撃を繰り返していて、アブハ国際空港は先月にも2回、無人機などで攻撃されています。

サウジアラビアが主導する連合軍は国営通信を通じ、民間人をねらった攻撃は国際法違反に当たるとしたうえで、「継続的なテロ行為や精度の高い攻撃は、イランによるフーシ派への支援を証明するものだ」と述べ敵対するイランを強く非難しました。

アメリカと同盟関係にあるサウジアラビアとイランの対立は、中東で続く軍事的な緊張に拍車をかけるおそれがあります。

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