トルコ ロシアの最新ミサイル搬入始まる 米の対応に注目 #nhk_news https://t.co/Ne6aDe0isd
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年7月12日
トルコ国防省は12日、首都アンカラ郊外にある空軍基地でロシアの地対空ミサイルシステム、S400の搬入が始まったと発表しました。
NATO加盟国のトルコは当初、アメリカから迎撃ミサイルを購入しようとオバマ前政権と交渉しましたが、技術移転に難色を示されて実現せず、代わりに、技術移転に前向きなロシアから、S400を購入することを決めました。
これに対してアメリカは、S400が導入され、トルコにすでに売却した最新鋭のステルス戦闘機F35と一緒に運用されるようになれば、F35の機密情報がロシアに漏れるのではないかと懸念しています。このため、トルコにS400の導入中止を強く求め、応じなければ制裁を科すと警告しました。
一方、ロシアはS400をめぐるアメリカとトルコの対立によってNATOの結束にくさびを打ち込みたいねらいがあるとみられます。
アメリカの反対を振り切る形でトルコがミサイルの搬入に踏み切ったことでアメリカがどのような対抗措置に出るのか注目されます。
S400は、ロシアが開発した最新鋭の地対空ミサイルシステムで、ミサイルの発射機やレーダーなどを搭載した複数の車両で構成され、ロシアの主要都市や軍事施設の対空防衛を担っています。
その性能は世界最高水準とも言われ、ロシア国営の武器輸出会社「ロスオボロンエクスポルト」によりますと、半径600キロ以内に入った敵の戦闘機や巡航ミサイルを攻撃目標をとして探知し、同時に300の目標をレーダーで追跡することが可能です。
さらに半径250キロ以内に接近した攻撃目標を、最大で36、同時に攻撃できるほか、高速で飛来する弾道ミサイルであっても、半径60キロ以内、高度2万7000メートル以内で撃ち落とす、高い迎撃能力を備えています。
ロシアはS400をアメリカの防空ミサイルシステム「PAC3」に匹敵する兵器として世界に広めたい考えで、去年初めて中国に供与したほか、トルコとはおととし、インドとも去年、供与に向けた契約を結ぶなど、安全保障分野で関係が深いアジアや中東の国々に輸出する戦略を進めています。
ロシアとトルコは、軍事面のみならず、経済的な結び付きも強めています。
ロシア当局によりますと、去年、両国の貿易額は前の年に比べておよそ18%増加し、このうちトルコからロシアに対しては産業用の機械などの輸出が大幅に増えました。
一方ロシアは、ロシア南部から黒海の海底を通ってトルコに至る天然ガスのパイプラインの建設を進めるなど、エネルギー分野での協力を強化しています。
折しもロシア政府は今月8日から中部のエカテリンブルクで「イノプロム」と呼ばれる国内最大規模の国際産業見本市を開き、ことしはトルコを初めてパートナー国として招きました。
会場では、40社を超えるトルコの企業が自動車の変速装置やモーターなど自社の機械製品や技術をアピールしていました。
会場を訪れたロシア人のビジネスマンは「両国の関係を前向きにとらえています。このイベントをきっかけに、お互いの潜在力がさらに引き出されるでしょう」と話していました。
また、トルコのイスタンブールに本社がある機械メーカーの担当者はS400の導入を念頭に「トルコは、ロシアから武器も購入するなど、ここ2年ほど政治的な関係がよく、ビジネスにもいい影響を与えています」と話し、さらなる関係の強化に期待を示していました。
軍事の専門家で笹川平和財団の小原凡司上席研究員は「トルコがS400とアメリカの最新鋭のステルス戦闘機F35の両方を運用することになれば、F35を味方と識別させるための信号やそのステルス性能、さらには作戦に関する情報をS400に与えることになる。そうした機密情報が、ロシアに漏れるのではないかとアメリカは懸念している」と指摘しています。
そして「トルコはNATO=北大西洋条約機構の一員として、ほかの加盟国と機密情報を共有している。S400をめぐってトルコは、NATOを選ぶか、それともロシアを選ぶのかという二者択一を迫られる形となっている」と分析しています。
トルコがロシアのミサイルの搬入を始めたことを受けて、NATO=北大西洋条約機構の高官はNHKの取材に対し「どの装備を購入するかを決めるのは同盟国に委ねられてはいるが、トルコの決定が引き起こしうる結果を憂慮している」として、NATO内の結束が揺らぎかねないと懸念を示しました。
さらに「同盟国の軍の間で装備などを相互運用できるのはNATOが任務を行う上で基本的な要素だ」として、NATOと対立するロシアのミサイルがトルコに配備されることによって、NATOがこれまで各国と連携して作り上げてきた即応態勢など運用面でも支障が出かねないと指摘しました。
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シリア アサド政権側の空爆で子ども含む13人死亡 #nhk_news https://t.co/fQofslrJ7n
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年7月12日
シリア北西部の反政府勢力が拠点とするイドリブ県やその周辺で、12日、アサド政権側が激しい空爆を行いました。
現地の情報を集めている「シリア人権監視団」によりますと、各地で起きた今回の空爆では子ども3人を含む市民13人が死亡したほか、少なくとも50人がけがをしたということです。
イドリブ県やその周辺では、アサド政権を支援するロシアと反政府勢力に影響力を持つトルコが去年10月に非武装地帯を設けましたが、ことし4月下旬からアサド政権側が空爆などの攻勢を強めていて、ロシアも攻撃に参加しているものとみられています。
国連や人道支援団体は、イドリブ県やその周辺では300万人の市民が命の危険にさらされ「悪夢の瀬戸際にある」として危機感を示していて、非武装地帯での停戦が事実上守られない中、市民のさらなる犠牲が懸念されています。
英 ペルシャ湾に新たな艦艇を派遣 緊張高まるおそれも #nhk_news https://t.co/N0oAXUJXHH
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年7月12日
ペルシャ湾のホルムズ海峡では、イギリス政府が、自国のタンカーがイランの船3隻に進路を妨害されたと発表したのに対し、イラン側は関与を否定しています。
こうした中でイギリス国防省は12日、自国の商業船の自由な航行を維持するためとして、ホルムズ海峡周辺に新たな艦艇を派遣することを明らかにしました。
ただ国防省は今回の艦艇の派遣について、その海域ですでに展開している別の艦艇が保守点検に入るため、その代わりとして派遣することになったと説明しています。
一方でイギリスのメディアの中には、2隻が同時にこの海域で行動し、警戒監視態勢を強化するとの見方を伝えるところもあります。
両国関係をめぐっては、イギリス領ジブラルタルの当局が今月4日にイランのタンカーを拿捕(だほ)して以降、解放していないことに対し、イランは「危険なゲームで重大な結果を招く」と警告し強く反発しています。
両国の対立が続く中でイギリスが新たな艦艇をホルムズ海峡周辺に派遣することで緊張が一段と高まるおそれがあります。
一方、アメリカのトランプ大統領は12日、ホワイトハウスで記者団からイラン情勢について問われ「イランは気をつけた方がいい。彼らはとても危ない橋を渡っている。イランよ、聞いているのなら気をつけたほうがいい」と述べました。
イランがウラン濃縮度を核合意で決められた制限を超えて引き上げる中、トランプ政権は制裁を強化する構えを見せているほか、軍事攻撃の可能性も排除しない姿勢を示していて、改めてイランに警告のメッセージを発した形です。
拿捕したイランタンカー船長らを保釈 英領ジブラルタル当局 #nhk_news https://t.co/X4VNGIh1Ss
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年7月13日
ジブラルタルの当局は今月4日、EU=ヨーロッパ連合の制裁措置に反してシリアに原油を輸送しようとした疑いがあるとして、イラン産の原油を積んだ大型タンカーを拿捕しました。
そのうえで、船長や一等航海士など4人を逮捕するとともに、タンカーから文書や電子機器を押収するなどして詳しく調べていました。
これについてジブラルタルの警察は12日、タンカーの船長ら4人を保釈したと発表しました。
保釈された理由などは明らかにされていませんが、ジブラルタルの当局では、制裁違反の捜査のためタンカー自体については引き続き留め置いて捜査を続けるとしています。
今回の拿捕についてイランの外務省は「危険なゲームであり、重大な結果を招くことになる」などとして、強く反発しています。
イギリスとイランをめぐっては、イギリスが中東のホルムズ海峡で自国のタンカーがイランの船3隻に進路を妨害されたと主張し、現場付近の海域に新たな艦艇を派遣することにしていますが、イラン側は関与を否定し、両国の緊張が高まっています。