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FRBのパウエル議長は23日、アメリカ西部ワイオミング州の避暑地、ジャクソンホールで開かれている、経済シンポジウムで講演しました。

この中でパウエル議長は世界経済の状況について「この3週間で中国への関税措置の表明やドイツ経済の減速、それに香港情勢などの混乱した状況がみられ、金融市場が強く反応し、不安定になっている」と述べ、世界経済の先行きに強い懸念を示しました。そのうえでアメリカの景気拡大を維持するために適切に行動する」と述べ、来月の会合で追加の利下げに踏み切る可能性を示唆しました。

パウエル議長は、先月、およそ10年半ぶりの利下げに踏み切った後の会見では「長期にわたる利下げの始まりではない」と述べ、追加の利下げには慎重な姿勢を示していましたが、米中の貿易摩擦の激化によって、一転して、さらなる利下げが必要だという判断に傾いた形です。

一方、パウエル議長は「貿易政策を決めるのは政府と議会の仕事だ。金融政策は消費や投資を支える強力な手段だが、国際貿易のルールブックを提供することはできない」と述べ、貿易摩擦による景気の減速に金融政策で対応するのは限界があるとして、トランプ政権への不満をあらわにしました。

パウエル議長の講演について、アメリカのトランプ大統領は23日、ツイッター「いつものようにFRBは何もしなかった。私が何をしているかを知らずに 講演するのは信じられないことだ」と投稿しました。

これはFRBのパウエル議長が追加の利下げに踏み切る可能性を示唆したものの、トランプ大統領が求める1%という大幅な追加利下げの要求には応じていないという不満を示しているものとみられます。

FRBのパウエル議長は23日、西部ワイオミング州で講演し、世界経済の状況について強い懸念を示し、FRBの来月の会合で追加の利下げに踏み切る可能性を示唆しましたが、トランプ大統領が求める大胆な利下げ要求への回答は避けました。

そのうえでパウエル議長は、貿易摩擦による景気の減速に金融政策で対応するのは限界があるとして、トランプ政権への不満をあらわにしました。

これに対してトランプ大統領は23日、記者団に「パウエル議長の発言は歓迎しない。彼はあまり上手なチェスの指し手ではないようだ」と述べ、不快感を示しました。

そのうえで、パウエル議長の辞任を求めるのかと記者から質問されると、「本人が望むのなら、止めない」と述べ、本人が辞任を申し出れば止めない考えを明らかにしました。

米中の貿易摩擦を背景にニューヨーク株式市場でダウ平均株価が急落する中、トランプ大統領は来年の大統領選挙に向けて景気の減速は何としても避けたい考えで、自身が要求する大胆な利下げに応じないパウエル議長に不満を募らせています。