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アメリ労働省が6日発表した先月の雇用統計は、農業分野以外の就業者が、前の月と比べて13万人の増加にとどまり、市場予想を大きく下回りました。

景気拡大の目安とされる20万人を4か月連続で下回り、前の月の増加幅の15万9000人からも減って、一段と伸びが鈍くなりました。

「小売り」や「輸送」などの業種で就業者が減少したことが影響しています。

一方、失業率は、前の月と同じ3.7%のままでした。アメリカでは、中国との貿易摩擦による景気減速の懸念から、企業が設備投資を抑制する動きが出ていますが、比較的順調とされてきた雇用環境にも、影響が表れてきたとみられています。

中央銀行にあたるFRB連邦準備制度理事会のパウエル議長は、景気の拡大を維持するために、追加の利下げに踏み切る可能性を示唆していますが、重要な指標と位置づける雇用統計の結果を踏まえて、今月17日からの会合で、どのような判断をするのか、注目されます。

FRBのパウエル議長は6日、訪問先のスイスのチューリヒで講演し、アメリカ景気について、「雇用や消費も強く、景気が後退するとは予測していない」と述べて、金融市場などで不安視される景気後退の見方は否定しました。

ただ、貿易摩擦の影響で世界経済は減速している。アメリカの景気の拡大を維持するために適切に行動する」と述べ、米中の貿易摩擦の影響が出てきているとして、景気を下支えするため、追加の利下げに踏み切る可能性を示唆しました。

パウエル議長は、10年半ぶりの利下げを決めた7月末の時点では追加利下げに慎重な姿勢を示していましたが、先月下旬から追加利下げの可能性を示唆していて、今月17日からのFRBの会合に注目が集まっています。

この追加利下げをめぐっては、トランプ大統領が6日、ツイッターで「FRB金利を引き下げる必要がある」と投稿するなど、FRBに圧力をかけ続けています。