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原告の30代の女性は7年にわたって同居し、同性婚が認められているアメリカで婚姻手続きもしたパートナーの女性が第三者と関係を持ったことで破局したとして、この女性らに対し賠償を求める訴えを起こしました。

裁判では同性婚が認められていない日本で同性カップルでも、異性のカップルと同じように法律上、保護の対象となるかどうかが争点となりました。

18日の判決で宇都宮地方裁判所真岡支部の中畑洋輔裁判官は「価値観や生活形態が多様化し、婚姻を男女間に限る必然性があるとは断じがたい状況になっている。世界的に見ても同性婚を認めている国が存在するし、国内で同性のカップルを公に認める制度を導入する自治体も出てきている。『婚姻は両性の合意のみに基づく』としている憲法24条も、同性婚を否定する趣旨とまでは解釈されない」などと指摘しました。

そのうえで「同性のカップルであっても実態として男女の内縁関係と変わりないと認められる場合は、異性のカップルと同じように法律上保護されるべき」という判断を示しました。

一方、慰謝料の額については異性カップルと同じ程度とは認めず、原告の請求より少ない、110万円を支払うよう命じました。

同性のカップルを巡っては、最近では自治体が結婚に相当する関係と認める、いわゆるパートナーシップ制度を導入する動きが広がっていますが、法的な効力はありません。

原告側の弁護士などによりますと同性カップルでも生活実態によっては異性のカップルと同じように保護されるべきという判断が示されたのは初めてだということで、18日の判決は注目を集めそうです。

同性婚は日本では認められていませんが、海外では認める動きが広がっています。

家族法やLGBT=性的マイノリティーの問題に詳しい早稲田大学の棚村政行教授によりますと、同性婚を認めたのは2001年のオランダが最初で、それ以降ヨーロッパや南米を中心に増え、ことし5月にはアジアで初めて台湾で認められるなど現在は27の国と地域に広がっています。

一方、日本では20余りの自治体が同性のカップルを結婚に相当する関係と認める、いわゆるパートナーシップ制度を導入しています。

しかし、この制度は、同性カップルの関係を公に承認することで社会生活を送りやすくするのがねらいで、法的な効力はないため、男女の夫婦のように配偶者としての権利を行使することはできません。

こうした中、日本で同性どうしの結婚が認められていないのは法の下の平等などを定めた憲法に違反するとして、全国の同性カップルが、国に賠償を求める集団訴訟をことし2月以降、東京など5か所で起こしています。

判決について家族法やLGBT=性的マイノリティーの問題に詳しい早稲田大学の棚村政行教授は「同性カップルの関係が正当な理由なく破棄された場合、異性カップルと同じように損害賠償責任を負わなければならないという司法判断が出たもので非常に画期的だ」と評価しました。

そして「この判決が同性婚の議論や立法化に向けた大きな一歩になると思うし、同性婚を巡って現在争われている裁判にも大きな影響があるのではないか」と指摘しました。

また「『婚姻は両性の合意のみに基づく』としている憲法24条を同性婚を否定する趣旨とまでは解釈されない」などとしたことについては、「憲法制定当時、同性婚は想定されておらず、積極的に同性婚を排除する趣旨ではなく保護しても憲法違反にはならないという踏み込んだ判断をした」と指摘しました。

一方で「今回の判決では同性婚が認められていない現時点では、同性カップルの法的な保護の程度を男女の法律婚事実婚と比べて差があってもしかたないと判断し慰謝料を減額している。不貞行為による苦しみや悲しみは男女であろうが同性であろうが一緒なので法的な権利の平等化に向けて課題が残る部分もあった」と述べました。

#LGBT