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イランは、アメリカの経済制裁への新たな対抗措置として、今月、ウラン濃縮活動に使う遠心分離機の開発を強化する方針を示し、IAEAは、今月開かれた理事会で、イランが高性能の遠心分離機を増設したと明らかにしていました。

こうした中、IAEAは今月25日、イランが中部ナタンズの核施設で、高性能の遠心分離機を使って濃縮ウランを蓄積していることを確認し、関係理事国に報告していたことがわかりました。

高性能の遠心分離機は、核兵器に転用できる高濃縮ウランの製造がより短期間でできるため、核合意では、こうした遠心分離機を使って濃縮ウランを蓄積することは制限しています。

ただ、関係者によりますと、核施設に蓄積されているのは、現時点では、低濃縮ウランにとどまっているということです。

また、イラン側は、高性能の遠心分離機をさらに増設する計画をIAEAに書簡で伝えたということです。

イランは、ことし5月以降、核合意で定められた制限を段階的に停止し、アメリカやヨーロッパ諸国をけん制してきましたが、今回、新たな合意違反が確認され、国際社会から懸念の声が強まりそうです。

国連総会に出席するためニューヨークを訪れていたロウハニ大統領は27日、イランに帰国し、トランプ大統領との首脳会談は行われませんでした。

ロウハニ大統領は帰国後の演説で、ニューヨークでは仲介役を担うフランスなどから、アメリカとの交渉に応じれば制裁は解除されるとして首脳会談に応じるよう促されたと述べました。

この提案に対し、「制裁や最大限の圧力のもとでは交渉の結末は予測できない」と応じ、拒否したとしています。

一方、トランプ大統領は27日、ツイッター「イランは私に会うために制裁を解除するよう求めてきた。私はもちろん『ノー』と言った」と投稿し、イラン側が制裁の解除を求めてきたものの自分が拒否したとしていて、双方の主張は食い違っています。

アメリカとイランをめぐっては、イランの関与が指摘されているサウジアラビアの石油関連施設への攻撃が新たな火種となっていて、今回、首脳会談が実現しなかったことで対立はさらに長期化することが予想されます。

サウジアラビア政府はこのほど初めて観光ビザを解禁し、このうち日本やアメリカ、中国などおよそ50の国と地域を対象に27日からインターネットを通じたビザの受け付けを開始しました。

申請すると即日発給されるということです。

イスラム教の聖地メッカがあるサウジアラビア厳格なイスラム教の解釈に基づいて統治され、ビジネスなどの目的以外の外国人の訪問を厳しく制限してきましたが、ムハンマド皇太子が進める経済改革の一環として観光ビザの解禁に踏み切った形です。

ただ、聖地メッカへのイスラム教徒以外の立ち入りや飲酒は引き続き禁止となり、外国人観光客の女性は現地の慣習に配慮した服装が求められるということです。

サウジアラビアには、首都リヤドにある遺跡「ディライヤ」や北西部に巨大な岩をくりぬいて作られた遺跡などが点在しています。

遺跡観光委員会のカティブ議長は「豊かな文化のある国なので、ぜひ、訪れてほしい」と話していますが、宗教と観光をどう両立させるかに今後関心が集まりそうです。

サウジアラビアの観光ビザ解禁に合わせて現地を訪問した全日空の中村慎一・マーケティング室担当部長は、「観光ビザが解禁になるとかなりのスピードで人々が行き交うようになり、将来的にポテンシャルがあると思う。旅行で訪れることができるようになったことは大きく、相乗効果で注目が出るのではないか」と話しています。

現時点では、全日空の航空便の就航などの予定はないということですが、今後、市場の動向を注視していくということです。

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