https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

イギリス与党・保守党の党大会は29日、中部マンチェスターで始まりました。

ジョンソン首相が乗った車が会場に到着すると、「首相はうそつきだ」などと抗議する声が上がっていました。

初日は、ラーブ外相が「首相の指導力の下で歴史的なチャンスをつかみ、世界とつながろう」と演説し、来月末に離脱を実現する考えを示しました。

ジョンソン首相は、党大会を前にした公共放送BBCのインタビューで、「困難な時であっても、党と国を率いていくのが私の責任だ」と述べ、EUとの間で離脱をめぐり、合意できなかった場合でも辞任する考えはないことを強調しました。

ジョンソン首相は、党大会最終日の来月2日に演説し、離脱に向けて党の結束を呼びかける見通しです。

党大会の会期中も開会しているイギリス議会では、与党側と、合意なき離脱を回避するため、期限の延期を求める野党側との間で激しい攻防が続き、内閣不信任案を提出する動きも取り沙汰されていることから、政局が流動化することも予想されます。

イギリスがEU=ヨーロッパ連合から離脱する期限は、来月31日です。

残る1か月余りで焦点となるのが、来月17日と18日に開かれるEU首脳会議です。離脱期限前に開かれる最後の首脳会議で、イギリスとEUが離脱の条件をめぐって合意できれば、期限どおり離脱します。

もし合意できなければ、期限どおりの離脱は非常に難しくなるとみられています。

これは今月、イギリスで成立した法律で、ジョンソン首相は首脳会議が終わった翌日の19日までにEUと合意できなければ、EUに対し離脱期限の延期を求めるよう義務づけられているからです。

ただ、ジョンソン首相は「来月末には必ず離脱する」と主張し、離脱期限の延長はしないという考えを繰り返し強調しているだけに、この日までに合意できなかった場合、法律に従って離脱の延期を求めるのかどうか疑問視する声も上がっています。

来月末に期限が迫るEUからの離脱をめぐってはさまざまなシナリオが考えられます。

ジョンソン首相は、離脱にあたって、期限までにEUと合意したいという考えで現在、協議が続いています。ただ、北アイルランドの国境管理をめぐり意見の隔たりは大きく、これまでのところ、協議に大きな進展はないと伝えられています。

今月成立した離脱延期法では、来月19日までにEUと合意できなければ、離脱期限の延期を求めることを首相に義務づけています。

このため法律の上では、来月末時点での「合意なき離脱」は避けられることになります。

ただ、ジョンソン首相は延期はないと繰り返し強調していて「法律の抜け道を探っているのではないか」という声も上がっています。

ジョンソン首相が何らかの形で法律の抜け道を見つけたとすれば、合意なき離脱の可能性も残されています。

イギリスはEUに対し、離脱の取りやめを伝えることも可能です。

ただ、ジョンソン首相は離脱を必ず実現すると繰り返していて、可能性は極めて低いとみられます。

一方で取り沙汰されているのが、総選挙の実施です。

与党側は、議会での過半数を失い、政策を決められない状態が続いていて、ジョンソン首相は、総選挙を実施し過半数を得ることで、みずからが描く離脱への道筋を確実にしたい考えです。

本来5年ごとに行われる総選挙を前倒しするために、いくつかの可能性が指摘されています。

(パターン1)
ジョンソン首相が、総選挙の実施を求める動議を提出するというもので、議会の3分の2以上の賛成が必要です。

ジョンソン首相は今月2回、動議を提出しましたが、いずれも野党側の賛成を得られず否決されました。

野党側は、合意なき離脱を回避できれば、総選挙の実施に応じるとしていて、野党の動向しだいでは、3度目となる動議を提出する可能性があります。

(パターン2)
ジョンソン政権に対する不信任案が提出され、可決される可能性もあります。

14日以内にジョンソン首相が改めて信任されるか、新たな首相が組閣できなければ総選挙が行われます。

総選挙が行われることになった場合、離脱をめぐる情勢はさらに不透明になる可能性があります。

d1021.hatenadiary.jp