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シリア北部で軍事作戦を続けるトルコ軍に対し、クルド人勢力側は13日、フェイスブックで、アサド政権と協力することで合意したことを明らかにしました。

シリア国営通信もアサド政権の軍が、トルコ軍の侵攻に対抗するため部隊をシリア北部に進めると伝えました。

一方、アメリカのエスパー国防長官は13日、CBSテレビの番組のインタビューで、「昨夜、トランプ大統領がシリア北部から軍の撤退を始めるよう指示した」と述べ、1000人規模のアメリカ軍部隊の撤退計画を明らかにしました。

その理由について、アメリカと協力関係にあるクルド人勢力が、トルコと戦うためにシリアのアサド政権やロシアと取り引きしようとしていることなどを挙げ、エスパー長官は「耐えがたい状況だ」と述べました。

クルド人勢力は、アメリカがトルコ軍の侵攻を事実上、黙認したことで、これまで距離をおいてきたアサド政権に接近した形で、シリア北部をめぐる構図は大きく変わってきています。

トルコ軍の攻撃に対し、シリア北部にいるクルド人勢力側は、激しく抵抗する一方、このままでは、拘束している過激派組織IS=イスラミックステートの戦闘員の管理は最優先ではなくなるとして、国際社会に対し、トルコ軍の攻撃をとめるよう求めています。

クルド人勢力主体の部隊は13日、ツイッターで、シリア北部の町、アイン・イーサの避難民キャンプから事実上、軟禁状態に置いていたISの関係者が逃げ出したことを明らかにしました。

現地の情報を集めている「シリア人権監視団」によりますと、避難民キャンプを監視していたクルド系の治安部隊がトルコとの戦闘に加勢しようと離れたため、ISの家族が逃げ出したとしたうえで「多くが外国人戦闘員の家族で、およそ800人にのぼる」としています。

いっぽう、トルコのアナトリア通信は、目撃者の話として、クルド人勢力側がISメンバーを故意に逃がした」と伝えました。

国際社会は、トルコの軍事作戦に伴う混乱に乗じて、過激派組織ISが再び勢力を拡大する事態を強く懸念しています。

トルコ軍は、シリア北部に侵攻し敵対するクルド人勢力に対する軍事作戦を続けていて、13日も国境周辺の町や村の制圧を進めています。

ロイター通信は、現地の情報を集めている「シリア人権監視団」の話として、シリア北部で13日、民間人などを乗せた車列が砲弾が受け、14人が死亡したと伝えるなど被害が広がっています。

OCHA=国連人道問題調整事務所によりますと、家を追われた避難民が13万人を超えたほか、40万人もの人々に水や食料などの支援が必要になるとして強い懸念を表明しています。

こうした中、フランスのマクロン大統領とドイツのメルケル首相は13日記者会見し、「トルコ軍の侵攻は人道的に危機的な状況を生み出している」などとして、トルコのエルドアン大統領に対し、相次いで軍事侵攻の中止を求めたことを明らかにしました。

エルドアン大統領は作戦を続行しクルド人勢力を排除する構えを崩しておらず、クルド人勢力側も激しく抵抗していて、事態の収束は見通せない情勢となっています。

シリア北部に侵攻して軍事作戦を続けるトルコ軍に対し、クルド人勢力は、これまで距離を置いていたアサド政権と協力することで合意しました。

シリア国営通信によりますと、アサド政権の軍は北部に軍を進めていて、14日、一部の部隊が国境から35キロほど南にあるクルド人勢力が実効支配するタルタマルに入ったということです。

一方、クルド人勢力と協力してきたアメリカのトランプ大統領はシリア北部から1000人規模のアメリカ軍部隊の撤退を始めるよう指示していて、シリア北部の構図が大きく変わってきています。

シリア北部では、トルコ軍の侵攻が始まって14日で6日目となり、避難民が13万人を超え、50人以上の市民が犠牲になっていて、人道的な危機が深まっています。

今後、トルコ軍がクルド人勢力に加え、アサド政権の軍と直接にらみ合う展開になることも予想され、情勢はさらに複雑化しそうです。

この事件は、今月11日、サウジアラビア西部のジッダの沖合100キロ付近の紅海を航行していたイランのタンカーで2度にわたって爆発が起きたものです。

イラン外務省は、何者かによる攻撃だと国や組織を名指ししない形で非難していますが、イラン国内では、一部でサウジアラビアの仕業だと示唆するような報道も出ています。

これについてサウジアラビアのジュベイル外務担当相は13日、ロイター通信などに対し、「私たちはそのようなことをしていない。私たちのやり方ではない」と述べ、関与を否定しました。

そのうえで、「結論を急ぐ前に何が起きたのか見極めよう」と述べて、爆発の原因の究明を進めるべきとの考えを示しました。

中東ではアメリカとイランの対立が一段と深まった、この半年の間にタンカーが攻撃を受ける事件が相次いでいますが、いずれも誰が攻撃したのかはっきりしないまま、緊張した状況が続いています。

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