ロシア プーチン大統領 アフリカとの関係拡大に強い意欲 #nhk_news https://t.co/RibaQ1hjcB
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年10月23日
ロシア南部のソチで23日、「ロシア・アフリカ経済フォーラム」が開幕し、アフリカの54か国のうち43か国から大統領や首相が、残りの11か国からは副大統領や外相などが出席しました。
開幕の演説でプーチン大統領はロシアとアフリカの貿易額が200億ドル、日本円で2兆円を超えていると指摘したうえで、「過去5年間で2倍に増えたが、まだまだ少ない。次の5年でさらに倍増させよう」と述べ、貿易の拡大に強い意欲を示しました。
またアフリカ側を代表してエジプトのシシ大統領が演説し、「ロシアの企業がアフリカ諸国と協力して投資するのに今ほど適した時期はない」とロシアのアフリカ進出に期待を示しました。
ロシアとアフリカは冷戦時代から強い結び付きがあり、プーチン政権は資源開発やインフラ輸出などの経済分野でアフリカ進出を加速しているほか、アフリカの30か国以上と軍事協力協定を結び、武器の輸出や政府軍の兵士の訓練などを行っています。
しかしこうした軍事協力をめぐってはアフリカの独裁的な政権に過剰な武力を与え、国民への弾圧や政情不安を助長するおそれがあるとして、欧米諸国を中心に警戒する声も上がっています。
ロシアとアフリカ各国は近年、経済的な結び付きを強め、貿易額は過去5年間で倍増し、去年は日本円で2兆円を超え、日本とアフリカの貿易額に並ぶ規模となっています。
ロシアは、自国で培った天然資源の採掘技術を強みにアフリカへの進出を図っていて、アルジェリアの石油やアンゴラのダイヤモンド、さらにナミビアのウラン鉱床などの開発を進めています。
アフリカ各国もこうしたロシアの進出を歓迎していて、ダイヤモンドや貴金属などの資源が豊富なアフリカ南部のジンバブエでは、ロシアの企業などを対象にした経済特区を設置する方針を打ち出しています。
工業製品などの製造拠点の進出にも力を入れていて、ロシア政府によりますと、エジプトとは去年ロシア企業などに限って輸出関税を免除する、特別な工業団地を建設することで合意したということです。
この工業団地は、交通の要衝となっているスエズ運河の北端に建設される予定で、525ヘクタールの用地を50年間利用できるということで、ここを足がかりに他のアフリカの国々へも販路を拡大するねらいがあります。
アフリカでは、巨額の融資や大規模な資源開発によって影響力を拡大する中国への警戒感が強まっていて、ロシアは、中国への過度な依存を避けたいアフリカの国々の新たな連携相手として存在感を高めています。
ロシアとアフリカの各国は冷戦時代から深いつながりがあります。かつてのソビエトが社会主義陣営の勢力圏を広げる舞台としてアフリカを重視したためです。
第2次世界大戦でアフリカを植民地にしていたヨーロッパ諸国が疲弊し、1960年代に各地で独立の機運が高まると、ソビエトは、独立を目指す勢力を軍事と経済の両面から積極的に後押ししました。
ソビエトは、武器の提供や軍事顧問団の派遣に加え、優秀な若者を留学生として受け入れるなどして、旧宗主国であるイギリスやポルトガルなどをしのぐほどの強い影響力を持つようになります。
しかし1980年代以降、ソビエト経済の衰退とともにその影響力も衰え始め、1991年のソビエト崩壊後は、現地の大使館が縮小されるなど、それまでのような交流はなくなりました。
しかし2000年、「大国ロシアの復活」を掲げて就任したプーチン大統領は、再び、アフリカでの政治的影響力の拡大に乗り出し、2006年、ソビエト崩壊後、ロシアの国家元首として初めて南アフリカやモロッコを訪問します。
そして2014年、ウクライナ南部のクリミアを併合したことをきっかけに、欧米と激しく対立するようになると、ロシアは、資源開発やインフラ輸出といった経済分野に加えて、一部の国では武器の輸出や、政府軍兵士の訓練などかつてのような積極的な支援に乗り出し、アフリカ各国との関係を一段と強めています。
Putin calls for expanding ties with Africa https://t.co/Q8ausXoX7d
— NHK WORLD News (@NHKWORLD_News) 2019年10月23日