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トランプ大統領は27日、ホワイトハウスで演説し、「昨夜、アメリカは世界最悪のテロリストのリーダーに正義の鉄ついを下した」と述べ、アメリカ軍の特殊部隊がシリア北西部で行った軍事作戦の結果、過激派組織ISの指導者、バグダディ容疑者が死亡したと発表しました。

発表によりますと、バグダディ容疑者は潜伏先でアメリカ軍に追い詰められてトンネルに逃げ込み、身につけていた爆発物をみずから爆発させて死亡し、現場で行ったDNAの分析によりバグダディ容疑者本人と確認されたということです。

作戦にあたったアメリカ軍の兵士に死者は出なかったということで、トランプ大統領「バグダディ容疑者は泣き叫び、臆病者のように死んだ。世界はずっと安全な場所になった」と作戦の成果を強調しました。

トランプ大統領としてはウクライナをめぐる疑惑や、シリア北部からのアメリカ軍の撤退決定などで厳しい批判にさらされる中、みずからが政権の優先課題としてISの壊滅に取り組んできたことがバグダディ容疑者の死亡につながったとして、1年後に迫ったアメリカ大統領選挙に向けてアピールするねらいもありそうです。

バグダディ容疑者の死亡によってアメリカのISとの戦いは大きな節目を迎えましたが、ISの残党やその思想に感化された支持者による報復テロの可能性も指摘されていて、テロとの戦いはこれからも続くことになります。

トランプ政権はこの3年近くにわたってバグダディ容疑者の行方を捜し続けていましたが、トランプ大統領の発表などによりますと数週間前にシリア北西部の潜伏先を突き止め2週間ほど前から作戦を計画してきました。

アメリカのメディアによりますと計画は政権内でもごく一部の関係者だけで秘密裏に進められ、トランプ大統領が最終的に承認したのは先週の後半でした。

作戦は現地の26日夜から実行に移されアメリカ軍の特殊部隊がヘリコプター8機でバグダディ容疑者の潜伏先の建物を急襲しました。

建物の正面には爆弾が仕掛けられていたため、部隊は建物の横に穴を開けて侵入し、その際、応戦してきた戦闘員を殺害したほか、バグダディ容疑者の家族の一部を拘束しました。

バグダディ容疑者はその後周辺のトンネルに逃げ込み、軍用犬に追い詰められると身につけていた爆発物を爆発させたということです。

自爆する直前のバグダディ容疑者の様子についてトランプ大統領は「臆病者のように泣き叫んでいた」と述べ、この際、一緒にいたバグダディ容疑者の3人の子どもも死亡したということです。

トランプ大統領は今回の作戦でアメリカ軍の兵士に死者はいなかったとして、成功だと強調するとともにロシア、トルコ、シリア、イラクそれにクルド人勢力が協力したとして謝意を示しました。

トランプ大統領は過激派組織IS=イスラミックステートの壊滅を政権の重要課題の1つに掲げていて、アメリカの軍事作戦によるバグダディ容疑者の死亡を来年の大統領選挙に向けてみずからの実績としてアピールする政治的な思惑もありそうです。

3年前の大統領選挙でトランプ大統領はISの打倒を公約の1つに掲げ、政権発足後も安全保障上の重要課題としてきました。そしてアメリカによる軍事作戦の開始から3年がたったおととし10月、ISが「首都」と位置づけてきたラッカの奪還に成功し、ISの体制は事実上、崩壊しましたが、ISはその後も各地でゲリラ的な攻撃を繰り返しました。

こうした中、トランプ大統領去年12月、地上作戦の支援のためシリアに展開するアメリカ軍を撤退させることを突然発表し、「ISは打倒した」と宣言しました。

これに対し、国防総省をはじめ与野党の議員からはISが再び勢いを取り戻す可能性があるうえ、シリアで「力の空白」を生み、ロシアやイランの影響力を拡大させることになるという指摘や批判が相次ぎ、マティス国防長官が抗議して辞任する事態となりました。

トランプ大統領ことし3月にはISの支配地域を完全に制圧したと宣言しましたが、8月には国防総省の監察官がISが復活しつつあるとする報告書をまとめました。

さらに今月トランプ大統領がシリア北部に展開するアメリカ軍の撤退を決めたことはトルコによるクルド人勢力への軍事作戦を黙認するとともに、クルド人勢力の管理下で拘束されていたISの戦闘員が逃げるなどしてISの復活につながるのではないかと懸念されていました。

トランプ大統領としてはバグダディ容疑者の死亡をみずからの成果として強調することで、こうした批判や懸念を払拭(ふっしょく)するとともに、来年の大統領選挙を見据え、中東へのアメリカの関与を減らしたい思惑がありそうです。

アブバクル・バグダディ容疑者はイスラム共同体の最高権威「カリフ」を名乗り、過激派組織IS=イスラミックステートが標ぼうした「国家」のトップにあたります。

バグダディ容疑者は1971年にイラク中部のサマーラに生まれ、首都バグダッドの大学で学んだとされ、2003年のイラク戦争のあと収容された施設内でイスラム過激派の思想を強めたとみられています。

その後、国際テロ組織アルカイダ系の組織に所属したバグダディ容疑者は当時の指導者ザルカウィ氏がアメリカ軍に殺害されると、みずから過激派組織を率いるようになりました。

2014年6月にイラクとシリアにまたがる地域で「イスラム国家」を樹立したと一方的に宣言し、「カリフ」として戦闘員や支持者たちに欧米などに対する徹底抗戦とテロをたびたび呼びかけてきました。

しかしISが劣勢になるなか、バグダディ容疑者をめぐっては生死についての情報が錯そうしてきました。2017年6月にはロシア国防省がロシア軍によるシリア北部への空爆でバグダディ容疑者が死亡した可能性があるとの見方を示しました。

ところがその後、アメリカ軍がバグダディ容疑者はシリアとイラクの国境地帯に生存している可能性があるという見方を示し、ISもこの年の9月、直近の国際情勢を踏まえたバグダディ容疑者本人の演説だとする音声を発表していました。

ISはことし3月にシリアでの最後の拠点を失い、最後まで抵抗を続けていた戦闘員らは拘束されましたが、ことし4月にはバグダディ容疑者の演説だとする動画が5年ぶりに、また9月には音声がインターネット上に投稿され、支持者たちに攻撃を続けるよう呼びかけていました。

アメリカ政府はバグダディ容疑者に2500万ドル、日本円でおよそ27億円まで懸賞金を引き上げて情報提供を求め、行方を追ってきましたが、バグダディ容疑者は居場所を突き止められないよう情報管理を徹底し、慎重に行動を続けていたものとみられます。

シリアのクルド系メディアは27日、一連の軍事作戦によってバグダディ容疑者の側近で過激派組織IS=イスラミックステートのスポークスマンも死亡したと伝えました。

またクルド人勢力主体の部隊でアメリカと協力してISの掃討にあたってきた「シリア民主軍」のマズルム司令官も「バグダディ容疑者の側近で、ISのスポークスマンだったアブ・ハサン・ムハージルは一連の作戦の対象となった。シリア民主軍』の情報機関とアメリカ軍による直接の協力のもとで行われた」とみずからのツイッターに書き込み、アメリカの作戦にクルド人勢力が協力したと強調しました。

クルド人勢力は敵対するトルコによる軍事作戦再開の圧力にさらされる中、バグダディ容疑者を対象とした象徴的な作戦に自分たちが関わって貢献したことをアピールするねらいがあると見られます。

過激派組織IS=イスラミックステートはシリアの内戦などの混乱に乗じて勢力を拡大し、2014年に「イスラム国家」の樹立を一方的に宣言しました。

一時はシリアとイラクにまたがる広大な地域を支配しましたが、おととし、イラクで最大の拠点だったモスルに続き、「首都」と位置づけてきたシリアのラッカも制圧されました。

ことし3月にはISのシリア最後の拠点だった東部の村が、アメリカが支援したクルド人勢力の部隊に制圧され、トランプ大統領がISの支配地域の完全な奪還を宣言するに至りました。

しかしISの戦闘員は今もシリア中部の砂漠地帯や、イラクとシリアの国境地帯などにも潜伏しているとみられ、ISが犯行を主張するテロがシリア北部などで起きています。

またアメリカ国防総省の監察官はことし8月、「ISはイラクでは攻撃能力を強化し、シリアでは勢いを取り戻そうとしている」として、ISが復活しつつあるとする報告書をまとめています。

さらに今月、トルコがシリア北部に侵攻し、クルド人勢力への軍事作戦を行ったことで、収容されていたISの戦闘員やその家族の一部が逃げ出すなどしていて、混乱に乗じて再びISが勢力を盛り返す懸念が出ています。

今回、バグダディ容疑者の死亡が発表されたことをうけて、世界各地に散らばったISの戦闘員や過激思想に染まった支持者による報復テロなども懸念され、ISの脅威は依然として残ることになります。

過激派組織IS=イスラミックステートの指導者、バグダディ容疑者が死亡したとアメリカ政府が発表したことについて、過激派組織の動向に詳しい日本エネルギー経済研究所の保坂修司研究理事は「テロに関わる思想が世界中に拡散している中で、その拡散の中心的人物が殺害されたことは一つの区切りになる」と述べて、ISとの戦いにおいて節目になるという考えを示しました。

そのうえで、「ISの各支部が大規模な報復作戦に出てくる可能性があり、一時的に危険度は上がると思う」と述べて、ISに共鳴する世界各地の若者らが報復テロを起こす可能性を指摘しました。

またISによって拡散した過激な思想については「思想の大半は依然としてインターネット上に残っている。そういった彼らの思想を一つ一つ潰していく必要があるし、それにはまだまだ時間がかかる。思想自体を無力化するためにも、軍事作戦を行うのと同時に、若い不満を持った人たちに対するケアを進めて行くことが国際社会に求められている」として、過激な思想そのものを根絶することが重要だという認識を示しました。


トランプ大統領は27日、アメリカ軍がシリアで行った軍事作戦の結果、ISの指導者 バグダディ容疑者が死亡したと発表しました。

トランプ大統領「バグダディ容疑者の逮捕や殺害はトランプ政権の安全保障上の最優先課題だった」と述べ、軍の最高司令官としてみずからが指揮したISの掃討作戦の成果だと強調しました。

シリア情勢をめぐってトランプ大統領は、北部に展開するアメリカ軍の撤退を決め、協力関係にあったクルド人勢力に対してトルコが行った軍事作戦を事実上黙認したとして、身内の与党議員からも厳しい批判を受けたばかりで、今回、みずからの実績として強くアピールしています。

これに対し民主党の大統領候補の一人、ハリス上院議員は27日、「今回の成果は国の安全保障に献身してきた情報機関や特殊部隊のものだ」と述べ、大統領個人の成果ではないと強調しました。

野党側からは、トランプ大統領は今回の作戦を政治的に利用していると批判が相次いでおり、来年の大統領選挙に向けて与野党の応酬の材料になり始めています。

IS側は今のところ反応していませんが、ISに忠誠を誓う組織は中東やアジアの各地に残っており、依然脅威はあると指摘されています。

トランプ大統領は27日ホワイトハウスで演説し、アメリカ軍の特殊部隊がシリア北西部で行った軍事作戦の結果、ISの指導者、バグダディ容疑者が自爆して死亡したと発表し、「世界はずっと安全な場所になった」と作戦の成果を強調しました。

これに対し、IS側はこれまでのところ反応せず否定も肯定もしていません。

ISの指導者が死亡したことでアメリカのISとの戦いは大きな節目を迎えましたが、一方で専門家からは、ISの活動自体に大きな影響はないとの見方が出ています。

イスラム過激派組織に詳しいエジプト人の専門家のセメハ・イード氏は「ISはバグダディ容疑者が指示を出してきた訳ではなく、地域ごとに独立して攻撃の計画を立案している」と述べ、各地に散らばるISの支部やISに忠誠を誓う組織による脅威は、依然あるという見方を示しました。

さらにISが世界中にいることを見せつけようと報復攻撃を企てるおそれがあるとして、警戒を続ける必要があると指摘しました。

トランプ大統領が今回の作戦にあたって、ロシア軍が現地の空域を開放するなど協力したと述べたことについて、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は27日、「シリア北西部のイドリブ県でロシアが管理する空域では、26日以降、アメリカ軍の空爆は行われていない。軍用機の飛来もなかった」と述べ、アメリカに協力した事実はないとの認識を示しました。

さらに報道官はアメリカ軍が言う“作戦”にはこうしたつじつまの合わない点があり、実際に行われたのか、本当に成功したのか、大きな疑念が生じる」と作戦そのものに疑問を呈しました。

そのうえで「イドリブ県では、ISと敵対するアルカイダ系のテロ組織が活発に活動しており、バグダディ容疑者が死んでも、重要性は全くない」と述べ、アメリカが胸をはる作戦の成果に冷ややかな見方を示しました。

過激派組織IS=イスラミックステートの指導者、バグダディ容疑者の死亡が発表されたことを受けて、おととし、フィリピン南部ミンダナオ島でISに忠誠を誓う地元のイスラム武装勢力と激しい戦闘を繰り広げたフィリピン軍は、28日朝コメントを発表しました。

この中で、フィリピン軍は「バグダディ容疑者の死は、間違いなくISに深刻な打撃を与えた。今後、世界各地のテロリストに対するISの指導力が失われることを期待する」と述べ、フィリピンを含む各国でISの影響力が低下することに期待を示しました。

フィリピンではおととし、「アブサヤフ」や「マウテグループ」などISに忠誠を誓う複数のイスラム武装勢力が南部ミンダナオ島の都市マラウィを占拠し、フィリピン軍と激しい戦闘を繰り広げました。

5か月に及ぶ戦闘の末武装勢力は制圧されましたが、ミンダナオ島にはほかにもISに忠誠を誓う複数の勢力が存在し、今も散発的なテロや戦闘員の勧誘などを続けていることから、ドゥテルテ大統領ミンダナオ島や周辺の島に戒厳令を出しています。

フィリピン軍は「われわれはフィリピンにISの新たな拠点が作られないよう作戦を継続するとともに、ISに影響を受けた勢力が過激な行動を起こさないよう、高度の警戒を続ける」としています。

中東の衛星テレビ局「アルアラビーヤ」は、イラクの情報機関に拘束されているバグダディ容疑者の側近だったという親族のインタビューを放送し、「バグダディ容疑者は、外出の際には常に自爆ベルトを身に着けていた」と逃亡中の様子を語りました。

この中で親族の男は、時期は示さなかったものの、「バグダディ容疑者と最後に会ったのはシリアとイラクの国境にある地下トンネルだったが、状況の悪化から、潜伏先を変えたがっていた」と述べました。

また逃亡中のバグダディ容疑者の様子について、「糖尿病と高血圧に苦しんでいたほか、外に出るときは携帯電話を使わず、常に自爆ベルトを身に着けていた」と明らかにしました。

さらに「側近が毎朝電話をして、潜伏先の周りの砂漠地帯で治安部隊がパトロールしていないか確認をしていた」と述べ、警戒を怠らなかったと証言しました。

このほか、親族の男はバグダディ容疑者やISの幹部が、イラク西部の砂漠で所持していたドルや金など2500万ドル、日本円で27億円相当を失くしたことも明らかにしました。

過激派組織IS=イスラミックステートの指導者バグダディ容疑者の死亡が発表されたことについて、インドネシアの国家テロ対策庁のスハルディ・アリウス長官は記者団の取材に応じました。

この中でアリウス長官は「今後の事態の推移を注視しているが警戒を怠ってはならない」と述べてISを支持する国内組織の取締りを引き続き強化していく考えを強調しました。

イスラム教徒が国民の9割近くを占めるインドネシアではこれまでもISの支持者によるテロが起きています。

去年5月にはISを支持する国内組織のメンバーがキリスト教の教会をねらった自爆テロを起こし14人が死亡しました。今月には治安対策などを担当していた閣僚がISの思想を支持する男女2人に刺されてけがをする事件も起き当局では警戒を強めています。

またインドネシアでは、ISに戦闘員として参加するためシリアやイラクに渡った若者なども多く、こうした人たちが帰国した場合にどのように監視し、新たなテロを防ぐかが課題になっています。

トルコはテロ組織とみなすクルド人勢力を国境地帯から排除するとしてシリア北部で軍事作戦に乗り出しましたが、今月22日、ロシアなどが働きかけてクルド人勢力を国境地帯から撤退させることを条件に軍事作戦を停止しました。

撤退の期限は日本時間の30日午前0時で、クルド人勢力はこれまで態度を明らかにしていませんでしたが、27日、クルド人勢力主体の部隊「シリア民主軍」の総司令部が声明を出し、国境地帯から撤退すると表明しました。

地元のテレビ局はクルド人勢力の戦闘員や武器などを乗せた数十台の車が、ロシア軍が見守るなか、シリア北東部の国境近くの町、アムダから撤退する様子を伝えています。

ただクルド人勢力は撤退するのは軍事部門だけで、実効支配のための機関は残すとしていてトルコが撤退が行われたと判断し、事態の収束につながるのか注目されます。

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