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日本経済が感染状況に左右される形で回復に遅れが見られる一方、主要国のGDPはすでにコロナ前の水準を回復しています。

アメリ

アメリカは、ワクチンの普及や大規模な経済対策の効果により、去年4月から6月までの時点でGDPの水準が感染拡大前を上回りました。

その後、サプライチェーン=供給網の混乱などでいったんは回復のペースが鈍ったもののプラス成長を維持し、去年10月から12月までのGDPの伸び率は、年率換算でプラス6.9%となりました。

去年1年間のGDPの伸び率もプラス5.7%と、前の年のマイナスからプラスに転じました。

ユーロ圏

ドイツやフランスなど、ユーロ圏19か国の去年10月から12月までのGDP=域内総生産の伸び率は、前の3か月と比べて、物価の変動を除いた実質の年率換算でプラス1.2%となりました。

去年11月以降、オミクロン株の感染が拡大した影響で個人消費が落ち込み、伸び率は鈍化しましたが、3期連続のプラスとなり、新型コロナの感染拡大前の水準を回復しました。

この結果、去年1年間のGDPの伸び率は、プラス5.2%と、2年ぶりにプラスとなりました。

中国

一方、中国は、おととし1月から3月にGDPの伸び率が大幅な落ち込みになったあと、7期連続でプラス成長を続けています。

内閣府によりますと、去年10月から12月のGDPの伸び率は、前の期と比べて実質の年率換算でプラス6.6%となっています。

足元では、原油などの原材料価格の高止まりに加え、不動産開発への投資の減少が景気の減速要因になっているものの、去年1年間のGDPの伸び率はプラス8.1%と前の年を上回る伸びとなりました。

内閣府が15日発表した去年10月から12月までのGDPの速報値は、物価の変動を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べてプラス1.3%でした。

これが1年間続いた場合の年率換算では、プラス5.4%と、2期ぶりのプラスになりました。

主な要因は、GDPの半分以上を占める「個人消費」の持ち直しです。緊急事態宣言が9月末の期限で解除されたあとも新型コロナウイルスの感染状況が比較的落ち着いていたため、外食や宿泊などのサービス業の需要が伸び、「個人消費」は、前の3か月と比べてプラス2.7%となりました。

また、「輸出」は、部品の供給制約が緩和されたことを背景に自動車などが増えたことでプラス1.0%。

「企業の設備投資」は半導体製造装置やソフトウェア関係の投資などが増え、プラス0.4%でした。

一方、公共事業などの「公共投資」は東日本大震災の復興事業関連の工事が減少していることを背景にマイナス3.3%。医療費など「政府の支出」はワクチン接種が一段落したことなどから、マイナス0.3%となりました。
この結果、去年1年間のGDPは、実質の伸び率がプラス1.7%と、3年ぶりにプラスに転じました。

また、去年10月から12月までの物価の変動を反映した名目のGDPの伸び率は、前の3か月と比べてプラス0.5%、年率換算でプラス2.0%となりました。

15日に発表された去年10月から12月までのGDP国内総生産の速報値が、2期ぶりのプラスとなったことについて、山際経済再生担当大臣は閣議のあとの記者会見で、「実質GDPがおおむねコロナ前の水準まで回復し、感染症の脅威を社会全体で引き下げながら、いかに経済を回していくことが重要であるかを再認識させるものだ」と述べました。

一方で、足もとの経済の状況については、「オミクロン株の感染拡大や世界的な供給制約、原材料などの価格高騰による景気の下振れリスクに十分注意する必要がある。まずは、目の前のオミクロン株に対応することが、1日も早く経済を成長軌道に戻すことにつながる」と述べ、医療提供体制を確保するなどして経済や社会の活動の継続に万全を期す考えを強調しました。

日本銀行黒田東彦総裁は15日、前日に約3年半ぶりに実施した固定利回りで無制限に国債を買い入れる指し値オペについて、長期金利が日本の経済・物価情勢よりも「海外金利上昇などその他の要因に過度に影響されたとみて手を打った」と説明した。衆院財務金融委員会での野田佳彦氏(立憲民主)への答弁。

  総裁は、長期金利が予想通り低下して「適切な効果を持った」と評価した。その上で、指し値オペを「しばしばやるつもりはない」としつつ、海外動向などに影響されて長期金利が大きく変動する場合には「必要に応じてそうした措置を取ることもあり得る」と語った。

  総裁は現行のイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策は経済・物価・金融情勢のバランスに配慮して運営しているとし、長期金利の変動許容幅の拡大など「マーケットにフレンドリーな形で運用してきた」との認識を示した。超長期金利は「あまり下がり過ぎると年金やその他に良くない影響を与える」とも語った。

  日銀の政策修正を巡る思惑などを背景に新発10年国債利回りが10日夕に0.23%と2016年1月以来の高水準を更新する中、日銀は指し値オペを14日に行うと発表した。買い入れ利回りは新発365回債で0.25%。長期金利の上限0.25%程度の死守と金融緩和の継続姿勢を鮮明にした。新発債は14日に一時0.20%まで低下。応札額はゼロだった。

  日銀は昨年3月に政策点検を踏まえて長期金利の変動許容幅を誘導目標の0%程度から上下0.25%程度と明確化し、必要に応じて複数日にわたり国債を買い入れる連続指し値オペ制度も導入した。長期金利を操作対象とする現行のYCCでは、金利上昇を抑制する最も強力な手段となっている。

長期金利の推移

  総裁は、金融緩和からの出口局面では市場金利の上昇によって保有国債に損失が発生する可能性があるが、日銀は時価変動を損益に反映させる必要がない評価方法を採用しているため、「直接心配したり、対応することは考えていない」と説明。日銀当座預金の付利引き上げに伴う支払利息の増加で生じる逆ざやの可能性に関しては「必ずなるわけではないが、可能性があることは十分に認識している」と述べた。

  金融緩和からの出口戦略は、2%の物価安定目標に近づいた段階で議論しなければミスリードになりかねないとし、すでに金融政策の正常化を進めている米連邦準備制度理事会FRB)の動向が「十分参考になる」との認識を示した。

他の発言
為替相場の変動要因、各国間の金利差や金融政策だけでない
・最近の輸入物価の上昇、円安の影響は大きくない
地政学的リスクを十分注視、資源価格の上昇で
・現在の世界経済と金融、大きな波を迎えている
ウクライナ情勢、石油価格の上昇につながりつつある
・出口・正常化ではバランスシートと政策金利引き上げを議論

日銀の黒田東彦総裁は15日、金利の上昇を抑制する指し値オペは「ラストリゾート」(最後の手段)で、しばしばやるつもりはないと明言した。金融機関や市場機能にも配慮して金融市場調節を行っていくと述べた。一方、金融緩和からの出口の局面では日銀当座預金への付利引き上げで保有国債の利回りと逆転する「逆ザヤ」の可能性があるものの、出口戦略の具体的な議論は2%の物価目標が近づいてきたときに行わないと「かえってミスリードになる」と話した。

日銀は14日、10年国債を0.25%で買い入れる指し値オペを実施した。応札はなかったものの、黒田総裁は10年金利が0.22%程度まで低下したことで「適切な効果を持った」と評価した。

日銀は10年金利が許容変動幅の上限0.25%を上回りそうな勢いを見せたことで指し値オペを行った。黒田総裁は金利上昇が「海外の金利上昇、その他の要因に過度に影響された」とみて実施を決めたと説明した。

その上で、指し値オペは「一定の金利を示して、無制限に国債を買う姿勢を示すことでそれ以上の金利の上昇を防ぐ意味でかなり強力な手段だ」と指摘。日ごろの金融市場調節は「経済・物価にプラスの影響を与えつつ、金融機関や国債市場の機能度に過度に負担を掛けないようにバランスを取ってやっている」と話した。

<出口戦略、FRBの運営「十分参考になる」>

黒田総裁は出口戦略について、「抽象的・理論的」な筋道としては「過去の例、欧米の中央銀行を見てもわかるように拡大したバランスシートをどのように調整していくか、政策金利をどのように引き上げていくか、その順序とテンポの組み合わせということに尽きる」と述べた。米連邦準備理事会(FRB)の足元の政策運営は「十分参考になる」と指摘した。

ただ、具体的な議論は時期尚早との見方を示した。日本の物価上昇率は0.5%で「当面、金融緩和を続けるのが適切だ」と強調した。

ウクライナ情勢の緊迫化について、黒田総裁は「原油価格などの資源価格が暴騰すると、日本経済にとっても好ましくない影響を与えうる可能性がある」と述べ、地政学リスクを十分注視していきたいとした。

円安の輸入物価への影響については「円安は輸入物価の上昇要因になりうるが、最近の輸入物価の上昇に対する為替円安の影響はさほど大きなものではない」と述べた。

日銀の黒田総裁は、15日の衆議院財務金融委員会で、日銀が14日に実施すると発表した国債を無制限に買い入れる措置について、長期金利を抑制する適切な効果があったという認識を示しました。

この中で黒田総裁は、14日に日銀が指定した0.25%の利回りで国債を無制限に買い入れる措置を実施すると発表したことについて、実際の買い入れは、なかったとしたうえで金利が0.25%近くまで上昇していたものが、予想どおり落ちて適切な効果があった」と述べました。

また、この措置を繰り返すことで、市場に悪影響を与えるのではないかと問われたのに対し、黒田総裁は「海外の金利上昇などで過度に影響されたとみて手を打った。国債市場の機能に過度な影響を与えないようにバランスを取ってやっている」と答えました。

一方、今の大規模な金融緩和を縮小する、いわゆる「出口戦略」を問われたのに対して、黒田総裁は「出口戦略については、2%の物価上昇の実現が近づいたときに具体的な議論をしないと、かえってミスリードになる」と答えました。

そのうえで「足元でFRBが進めているので、それは十分に参考になる」と述べ、アメリカの中央銀行に当たるFRB連邦準備制度理事会の手法を参考にする考えを明らかにしました。

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