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イギリスのジョンソン首相は就任以来、EUからの離脱期限だった10月31日には何があっても離脱すると繰り返してきましたが、離脱の条件をめぐるEUとの新たな合意について議会から承認を得ることができず、期限は来年1月末まで延期されました。

ジョンソン首相は31日、「議会には、離脱に反対し、妨げようとする人々がたくさんいる。EUとの合意はすばらしいものなのに本当に失望している」と述べました。

そのうえで、来月12日に行われる総選挙で与党・保守党が勝利すれば、遅くとも来年1月には離脱できると強調しました。

一方、最大野党・労働党は本格的な選挙活動を始め、コービン党首は演説で、「ジョンソン首相は、離脱延期を求めるくらいなら死んだほうがましだと言っていたのに失敗した」と首相の対応を批判しました。

そのうえで、「今こそ真の変革の時だ。われわれが政権をとったら6か月以内に離脱問題を解決する。EUとのよりよい合意を得て、離脱するのか、それとも残留するのか、国民に決めてもらう」と述べ、離脱をめぐって再び国民に判断を求める考えを示しました。

総選挙では、EUからの離脱の是非が最大の争点となり、各政党が攻防を繰り広げています。

大手調査会社の「YouGov」が総選挙でどの政党に投票するかについて10月29日から30日にかけて行った世論調査によりますと、与党・保守党が36%と大きくリードし、続いて、最大野党・労働党が21%、自由民主党が18%、それに離脱党が13%となっています。

イギリスでは、総選挙を前倒しで行うための法案が上下両院で可決されたあと、31日、女王の裁可を経て成立しました。これによって、12月12日に総選挙が行われることが正式に決まりました。

イギリスでは来月12日に総選挙が行われることになっていて、各政党は、選挙運動を活発化させています。

こうした中、31日、アメリカのトランプ大統領イギリスの離脱党のファラージ氏が司会を務めるラジオ番組でインタビューに応じ、ジョンソン首相については「すばらしい人物でまさにいま、必要とされている人物だ」と評価しました。

一方、最大野党・労働党のコービン党首については「国にとってよくない。悪い方向に導く」と述べました。

また、トランプ大統領イギリスがEU=ヨーロッパ連合から離脱したあとにアメリカと貿易協定を締結すれば、現在よりも貿易量は何倍にも拡大するなどと述べたうえで、今後もイギリスがEUのルールに縛られるならば、貿易協定の締結は難しくなるとけん制しました。

これに対してコービン党首はツイッターに投稿し「トランプ大統領は、イギリスの選挙に介入し友人であるジョンソン首相を勝たせようとしている」などとして、トランプ大統領の発言を批判しました。

イギリスでは総選挙に向けて、与野党が激しい応酬を繰り広げているだけに、トランプ大統領の発言に波紋が広がっています。

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