https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

イランでは、親米の王政が打倒されたイスラム革命を受けて、1979年に首都テヘランアメリカ大使館を学生たちが占拠し、400日以上にわたり大使館職員を拘束する事件が起き、これをきっかけに両国の国交が断絶しました。

この事件から4日で40年になるのを前に、最高指導者ハメネイ師は3日、学生たちを前に演説し、アメリカは、制裁などイラン国民に対して敵対的な行動をとり続けている」と述べ、経済制裁を科すトランプ政権を批判しました。

そのうえで「一部の人たちは、交渉で問題が解決すると思っているが、それは100%誤りだ。交渉をしないことでアメリカの介入を防ぐことができる」と述べ、アメリカと交渉せず、反米姿勢を堅持する姿勢を鮮明にしました。

イランでは、厳しい経済制裁が科される中、アメリカへの反発だけではなく関係改善の必要性を訴える声も多く聞かれますが、今回、最高指導者が改めて交渉を否定したことで、対立が解消に向かう見通しは立たないままです。

イランでは1979年、親米の王政が打倒され反米のイスラム体制が樹立されましたが、この年の11月、学生グループが首都テヘランアメリカ大使館を占拠して400日以上にわたって外交官らを人質にとり、両国が国交を断絶するきっかけとなりました。

事件から4日で40年となるのにあわせて、かつてのアメリカ大使館前では反米集会が開かれ、保守強硬派の若者や政府関係者らが参加しました。

集まった人たちは、「アメリカに死を」などとシュプレヒコールを繰り返し、去年、核合意から離脱し厳しい経済制裁を科すなど、イランに強硬な政策を続けるトランプ政権を非難しました。

参加した30歳の男性は、「トランプは悪だ。世界中を虐げている。アメリカが信用できないことは長きにわたって証明されている」と話していました。

アメリカが厳しい制裁を科す中でイランでは、経済が悪化していて市民からは関係改善に向けて対話すべきだという声もあがっています。

ただ、保守強硬派から支持を受ける最高指導者のハメネイ師は3日、アメリカとの交渉を拒否する姿勢を改めて強調し、両国が激しく対立する状況が続いています。

イランでは、1979年に親米だったパーレビ王政が民衆のデモによって打倒され、反米のイスラム体制が樹立しました。

国民は、パーレビ国王を拘束したうえで、裁判にかけることを求めましたが、アメリカが国王の亡命を受け入れたため、この年の11月4日、暴徒化した学生ら数百人がアメリカ大使館に押し寄せ、50人を超える外交官らを拘束しました。

学生たちは、パーレビ国王が死去して事態が解決するまでの444日間にわたって外交官らを人質にとり、両国の関係に決定的な影響を与えました。

この事件を受けてアメリカとイランは翌年国交を断絶し、現在にいたるまで敵対関係が続いています。

2013年には、この事件を題材にした映画、「アルゴ」アメリカ映画界最大の祭典、アカデミー賞の作品賞など3部門を受賞しました。

アメリカの制裁によりイラン経済が苦境に陥る中で、市民の間ではアメリカとの関係改善を模索すべきだという声もあがっています。

アメリカのトランプ政権は去年5月、核合意から一方的に離脱したうえで、経済制裁を強化させました。これによりイラン政府の歳入のおよそ3割を占める原油に対して禁輸措置がとられたほか、イランの銀行が国際的な送金網から遮断されたことなどで、ビジネス環境も悪化しています。

このため、IMF国際通貨基金は、イランのことしの経済成長率についてマイナス9.5%に落ち込むと予想しています。

このため、首都テヘランではアメリカとの対話を願う声も多く聞かれ、このうち24歳の建設作業員の男性は「建設の仕事も少なくなり、収入も減った。制裁は私だけではなく、私の家族全体に影響している。アメリカと交渉すべきで、それ以外に道はないと思う」と話していました。

また40歳の医師は、「アメリカという超大国との関係が、いつまでも現状のままではよくない。関係を築くことは、降伏することにはならないはずだ」と述べ、アメリカとの関係改善を求めていました。

アメリカとイランの国交断絶のきっかけとなったアメリカ大使館の占拠事件から40年となるのにあわせて、イランのエブテカール副大統領がインタビューに応じ、当時の学生たちには正当な動機があったと強調したうえで、圧力を強化するトランプ政権に対しては敵視政策を改めるよう求めました。

イランのエブテカール副大統領は、1979年11月に起きたアメリカ大使館の占拠事件に学生グループのメンバーとして加わり、流ちょうな英語をいかして広報担当として連日、学生側の主張を世界各国に発信しました。

事件から40年となるのにあわせて、エブテカール副大統領はNHKのインタビューに応じ、「当時、参加した学生は、みなとても若く、これまでに直面したことのない経験だったので、心配を抱えていた。しかし、自分たちの行動には信念があった。学生たちは、イランの自主自立を確実なものにしたいと考えていた」と述べ、学生たちには、外国による干渉からイランを守るという正当な動機があったと強調しました。

そのうえで去年、核合意から一方的に離脱し圧力を強化するトランプ政権については「イランに対する制裁、圧力、それに脅しは役に立たない。アメリカは方針を変えるべきだ。アメリカによる干渉が終わり、イランの人々が平和に暮らせることを願う」と述べて、イランへの敵視政策を改めるよう求めました。

d1021.hatenadiary.jp