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アメリカ国防総省でアジア太平洋地域の政策を統括するシュライバー次官補は6日、NHKとのインタビューで、ことし5月以降相次ぐ北朝鮮によるミサイル発射について、「挑発により外交面で有利な立場に立とうとしているのかもしれない」と述べました。

そのうえで「日本とアメリカ、韓国のそれぞれの間にくさびを打ち込もうとしている可能性がある」と述べて、トランプ大統領が短距離ミサイルであれば問題視しない姿勢を示すなか、日米韓の足並みを乱そうとしているという見方を示しました。

さらに「ミサイル技術を向上させ、軍の近代化を進めようとしている可能性もある」と述べ、北朝鮮がこれらのさまざまな思惑からミサイル発射を繰り返しているという認識を示しました。

一方、シュライバー次官補は北朝鮮が来月予定されている米韓の合同軍事訓練への反発を強めていることについては現時点で訓練の計画は進められているものの、「外交に余地を与えるための調整は常にあり得る」と述べて、今後はトランプ大統領の判断によるという認識を示しました。

またシュライバー次官補は、アメリカ政府が核軍縮条約INF=中距離核ミサイルの全廃条約の失効を受けて、地上発射型の中距離ミサイルのアジアへの配備を目指していることについて、「現在はミサイルシステムの開発段階にある」と述べました。

そのうえで配備場所の選定についてはまずアメリカ軍の内部で検討を進める必要があるという考えを示しました。

そして日本政府との協議については「日本はINF失効後の計画に興味を持っており、われわれがミサイルシステムの開発を進めていることは伝えている」と述べる一方、「配備の可能性についてまだ同盟国などと協議できる段階ではない」として、配備に関する具体的な協議はしていないという認識を示しました。

またシュライバー次官補は中国の通信機器大手ファーウェイの次世代の通信規格5Gについて、「純粋な商業目的ではなく、党と国の利益に基づく運用となるだろう」と述べて、中国共産党や中国政府に悪用されるおそれがあるという分析を示しました。

そのうえでファーウェイの機器は中国のスパイ活動に対してぜい弱だと指摘したうえで、「同盟国やパートナー国が導入した場合には情報の共有には懸念が生じるだろう」と述べ、導入した国とは機密情報の共有を見直す考えを示しました。

ファーウェイを巡ってはアメリカ政府が排除を進める一方、ヨーロッパなどの同盟国のなかには排除に慎重な国もあることから、国防総省として改めて各国に排除を迫る姿勢を鮮明にした形です。

一方、シュライバー次官補は中国が太平洋の島しょ国に対し経済的な影響力を強めているとしたうえで、「略奪的で、公正な取り引きではない」と批判し、日本やオーストラリアなどの同盟国と協力して島しょ国との連携強化を目指す考えを示しました。

アメリカ国防総省のホフマン報道官は7日の記者会見で、エスパー国防長官が来週13日から韓国やタイなどアジア4か国を訪問すると発表しました。

韓国ではソウルで開かれる韓国軍との年次会議に出席し、チョン・ギョンドゥ(鄭景斗)国防相らと会談するということです。

会見でホフマン報道官は韓国が破棄を決めた日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAが半月後の今月23日に失効すれば、北朝鮮や中国に対処するうえでの日米韓3か国の連携に大きな影響が出るとの認識を改めて示しました。

そのうえで「来週の韓国との会談でこの問題が協議されることはほぼ間違いない」と述べ、チョン国防相との会談ではGSOMIAの破棄の決定を見直すよう求めるという見通しを示しました。

またタイのバンコクではASEAN東南アジア諸国連合の拡大国防相会議に合わせて、日米韓3か国による防衛相会談も行う方向で調整が進められていて、アメリカはGSOMIAの維持に向け、失効の直前まで韓国の説得を続ける方針です。

河野防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で「完全にボールは韓国側のコートにあるわけで、韓国側に賢明な判断を求める以外に、われわれとして、特に申し上げることは無い。仮に破棄されたとしても、日本の安全保障に直ちに何か影響があるということはないが、それ以上に、誤ったシグナルを周辺国に送ってしまうというのは、日米韓の連携が必要だというこの時期に、デメリットだ」と述べました。

アメリカ統合参謀本部のバーン事務局次長は7日に国防総省で行われた記者会見で、近く、米韓の両空軍の航空機による合同訓練を実施すると表明しました。

米韓両軍は例年、12月に航空機による大規模な軍事訓練「ビジラント・エース」を行ってきましたが、去年は北朝鮮との外交交渉を後押しするため訓練は中止されていました。

バーン次長は今回実施する訓練について、米朝の交渉に余地を残すために規模を縮小するとしつつも、「両空軍の即応体制を維持するための要件を満たすものになる」と述べ、訓練の意義を強調しました。

米韓の合同訓練をめぐって、北朝鮮外務省は6日、談話を発表し、「次第に消えつつある対話の火種に冷や水を浴びせ、朝鮮半島と地域で対決の雰囲気を高めている」と非難したうえで「忍耐心は限界に近づいている」として、アメリカと韓国が訓練を実施しないよう強くけん制していました。

今回、規模を縮小しつつも、米韓が合同軍事訓練を実施すれば、北朝鮮がさらに反発を強めることが予想されます。

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国国会のムン・ヒサン(文喜相)議長は、今月5日、解決策として、韓国側で作る新たな基金から裁判の原告側に「慰謝料」を支払い、財源は、日韓両国の企業と個人から寄付を募るなどとした考えを示しました。

これについて、茂木外務大臣は、記者会見で、「他国の立法府における議論について、日本政府としてコメントするのは差し控えたい。韓国政府に対して国際法違反の是正を強く求める立場に変わりはなく、まさにボールは韓国政府にある」と指摘しました。

そのうえで、「韓国政府から具体的な提案が出てきた段階で判断するが、国際法違反の状態を是正するような提案があれば、十分に耳を傾けたい」と述べました。

アメリカの民間の研究機関C4ADSが公表した報告書は、ことし2月にベトナムで行われた2回目の米朝首脳会談で、キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長が乗っていたドイツ製の高級車が、国連制裁を逃れる形で、オランダから日本を含む各国を経由して北朝鮮に密輸され、大阪・西区の美濃物流が関わっていたと指摘しました。

これについて、美濃物流から調査を依頼された弁護士のチームが、このほど報告書をまとめました。この中で、会社は、中国にいた人物からの依頼で、大連から大阪を経由して韓国のプサン(釜山)まで、車の輸送を手配したものの、最終的にどこに運ばれるのかなど、詳細は聞かされていなかったとしています。

そのうえで報告書は、この会社は「北朝鮮に輸出・運搬される可能性を認識していなかった」として、制裁逃れに利用されたと結論づけています。

同時に「会社側は今後、依頼者や貨物の内容の確認などをより慎重に行うべきだ」と指摘しています。

これについて、北朝鮮制裁をめぐる国連安全保障理事会の専門家パネルの元委員 古川勝久さんは「北朝鮮の制裁逃れのネットワークは今も機能している。北朝鮮は、重要な貨物を密輸する際には、経由する国を増やしたり、ロシアをかませたりしており、北朝鮮は、制裁強化という環境の変化に適応している」と述べ、背景には、北朝鮮の手法が巧妙になっていることに加え、中国やロシアなど、関係国による制裁違反の取り締まりが不十分な現状があると指摘しています。

ロシアのモスクワで8日から始まった国際会議には、アメリ国務省北朝鮮問題を担当するマーク・ランバート特使と北朝鮮外務省のチョ・チョルス北米局長が出席しています。

午前中に開かれたセッションでは、ロシアのラブロフ外相が講演し朝鮮半島の核問題は、関係国との対話に基づく外交によってのみ、解決することができる」と述べ各国の対話の実現に向けてロシアの役割を強調しました。

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