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アメリカのトランプ大統領は4日、イギリスで開かれたNATO北大西洋条約機構の締めくくりとして予定していた記者会見の直前、ツイッター「記者会見は開かない」と突然の中止を発表しました。

トランプ大統領を巡っては、これに先立って前夜の晩さん会で一部の首脳がトランプ大統領と記者とのやり取りをやゆするような会話をしていた様子がメディアで一斉に報じられていました。

映像には、カナダのトルドー首相がフランスのマクロン大統領やイギリスのジョンソン首相との会話で、トランプ大統領との個別の会談を念頭に、「冒頭で40分も記者と話し続けた」と説明したあと、トランプ大統領の発言で側近たちのあごが床に落ちるのが見える」と話す様子がとらえられています。

これに対し、トランプ大統領はトルドー首相は「裏表がある」と述べて非難し、記者会見中止の発表の際にも「2日間で十分話した」といらだちをあらわにしました。

今回の首脳会議ではトランプ大統領とヨーロッパ各国の首脳がどのように結束を示せるかも焦点となっていましたが、最後に首脳間の不信感が改めて浮き彫りになる結果となりました。

NATO北大西洋条約機構の首脳会議はアメリカのトランプ大統領とヨーロッパ各国の首脳が出席してイギリスで2日間にわたって開かれました。

会議では軍事的な影響力を強める中国への対応が初めて本格的に協議され、各国首脳が採択した「ロンドン宣言」では「中国の影響力の拡大と国際政策には、一致して対応する必要がある」として、各国で一致して対応する方針を打ちだしました。

これを受けて会見したストルテンベルグ事務総長は「中国の影響力の拡大について話し合ったのは初めてだ」と意義を強調しました。

一方でアメリカが次世代の通信規格5Gの整備で中国の通信大手ファーウェイの製品の排除を求めていることには、「通信の安全確保に向け各国の当局が対応している」と述べて、各国の判断にまかせる姿勢を示しました。

これに関してトランプ大統領は「今回、私が話をした首脳のなかで、導入に前向きな国は1つもなかった」と述べ、働きかけの成果を強調しました。

しかし、トランプ大統領と会談したイタリアのコンテ首相は会見で「ファーウェイの話題には触れなかった」と述べたほか、カナダのトルドー首相は「通信機器の採用は専門家の助言と同盟国との協議に基づいて決める」と述べるにとどめ、各国間に温度差があったことをうかがわせました。

イギリスで2日間にわたって開かれたNATO北大西洋条約機構の首脳会議では、首脳間の結束を示せるかが焦点となっていました。

ところが、首脳会議を前に、フランスのマクロン大統領がトルコの軍事作戦への対応をめぐり「NATO脳死状態だ」と述べて、アメリカをはじめ各国の足並みの乱れに懸念を示し、これに対してトルコのエルドアン大統領が「脳死かどうかマクロン大統領こそ調べるべきだ」と反発したほか、トランプ大統領も「NATOに対する侮辱だ」と非難し、首脳間の応酬が続きました。

また、会議でトランプ大統領が加盟国に国防費の増額を求め、負担が少ない国には関税の面で制裁措置も辞さない構えを示したのに対し、マクロン大統領は「NATOはお金だけの同盟ではない」と反論し、さまざまな課題での意見の対立も露呈しました。

さらにカナダのトルドー首相マクロン大統領やイギリスのジョンソン首相と晩さん会で会話した際に、トランプ大統領と記者とのやり取りをやゆするような発言をしていたことも報じられ、これにいらだったトランプ大統領が予定していた記者会見を突然中止して、首脳どうしの不信感の強さを強く印象づけました。

ストルテンベルグ事務総長は、会議後の記者会見で、「今回の会議で、ヨーロッパと北米が議論を重ねて決断する唯一の場がNATOだということが改めて示された」と述べましたが、NATOの意義と結束を改めて強調せざるをえない状況をあらわにしたことで、むしろ首脳間の根深いあつれきを目立たせる結果となりました。