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10月に召集された第200臨時国会国民投票法の改正案など成立に至らなかった法案を継続審議にする手続きなどが行われ、閉会しました。

会期末の9日、衆議院では議院運営委員会で野党側が申し入れた会期の延長について採決が行われ、与党側の反対多数で否決されました。

一方、自民党立憲民主党国会対策委員長が断続的に会期末の対応を協議し、閉会中も内閣委員会で理事会を開き「桜を見る会」について政府から説明を受けることなどで合意したことから、野党側は安倍内閣に対する不信任決議案の提出を見送りました。

これを受けて衆参両院の本会議が夕方開かれ、国民投票の利便性を高めるための国民投票法の改正案や外国の法律に関する事務を取り扱うことができる弁護士の活動範囲を広げる法律の改正案など、成立に至らなかった法案を継続審議にする手続きなどを行い、閉会しました。

この国会では日米の新たな貿易協定が承認されたほか、公立学校の教員の働き方改革を推進するための改正法など政府が提出した15の法案のうち14が成立しました。

一方、衆議院憲法審査会では3回、自由討議が行われましたが、国民投票法改正案の質疑と採決をめぐっては与野党が折り合わず見送られました。

また菅原 前経済産業大臣と河井 前法務大臣が相次いで辞任したほか「桜を見る会」をめぐって議論が行われた一方、総理大臣と野党の党首が論戦を行う「党首討論」は1度も開催されませんでした。

安倍総理大臣は臨時国会の閉会にあたって記者会見し、全世代型社会保障改革などに全力をあげる考えを強調したうえで「国のかたちに関わる大胆な改革に挑戦し、新たな国づくりを力強く進めていく先には憲法改正がある」と述べました。

この中で安倍総理大臣は臨時国会で承認された日米の新たな貿易協定について「コメを関税削減の対象から完全に除外し、日本の自動車に追加関税をかけないことをトランプ大統領から確認した。同時に日本の幅広い工業品でアメリカの関税が削減されるなど、まさに国益にかなう結果が得られた」と評価しました。

また農林水産物の輸出拡大に向けて、政策の立案や国内手続きを一元的に担う新たな組織を設ける法律が成立したことを踏まえ、スピード感を持って各種の施策に取り組むほか、中小・小規模事業者に対する補助金を活用して生産性革命を進め、賃上げの流れを一層力強いものとする考えを示しました。

そして先週閣議決定した、事業規模26兆円程度の新たな経済対策に、相次ぐ自然災害を受けた水害対策の充実や、すべての小中学生に1人1台のパソコンなどを配布する方針を盛り込んだことに触れたうえで「令和の時代に、安心と成長の未来を切りひらくためのものだ」と強調しました。

さらに安倍総理大臣は全世代型社会保障改革について「人生100年時代の到来をチャンスとして前向きにとらえながら、働き方の変化を中心に据えて、年金、医療、介護、社会保障全般にわたる改革を進める。現役世代の負担上昇を抑えながら、すべての世代が安心できる社会保障制度を構想したい」と述べました。

そのうえで、来年の東京オリンピックパラリンピックと2025年の大阪・関西万博に触れ「令和の時代を迎えた日本も躍動感にみなぎっている。しっかりと未来を見据えながら、国のかたちに関わる大胆な改革に挑戦し、新たな国づくりを力強く進めていく。その先には憲法改正がある」と述べました。