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「新元号が発表される前後の2月下旬から4月初めにかけ、安倍総理は3回にわたり、当時の東宮御所に皇太子さまを訪ねています。密室で陛下と2人で向き合って国内外の情勢をご報告する内奏ではなく、皇太子さまと2人きりのご面会というのはきわめて異例。4月1日の元号発表スケジュールのご説明や元号決定のご報告、そして5月に来日したトランプ大統領の接遇などがその内容とされていましたが、実際には別の思惑もありました」(前出デスク)

 それはすなわち、

「平成の時代、安倍政権と宮内庁はたびたび衝突し、両陛下との間にも“すきま風”が吹く結果となりました。そんな経緯もあり、次代の天皇とは良好な関係を築きたい。度重なる異例の訪問からは、そうした思いが透けて見えたのです」(同)

 実際に上皇さまは平成の時代、お誕生日会見などで安倍政権に異を唱えるかのようなニュアンスでおことばを述べられたことがあった。そして、懸案の「女性宮家」についても、

「そもそもは上皇さまの強いご意思で進められてきたものです。2011年秋、宮内庁長官野田首相に“喫緊の課題”として直談判し、翌年10月に政府は『創設を検討すべき』との論点整理を発表。ところが2カ月後に政権交代で、安倍首相は“白紙にする”と明言します。当時、すでに皇族方の間では“範囲は内親王まで”というコンセンサスも得られていた。すなわち愛子さま眞子さま、佳子さまのお三方ですが、その後も議論は進展せず、桂宮さまや三笠宮さまが薨去されるなど、実際に皇族方の減少が進んでいったのです」(前出・宮内庁関係者)

 こうしたすれ違いもあり、当時の安倍首相は、皇室と円滑なコミュニケーションが保てなかった。それが一転、現在は熱烈なアプローチを続けているというのだ。

「御代替わり後の内奏は、すでに7回に及びます。新閣僚の認証式や春秋の叙勲の前などに内奏を行うのは一般的ですが、そうした時期とは意味合いの異なるものも行われています」(同)

 例えば、直近では11月12日。午後3時過ぎから40分ほど内奏に臨んでいるのが動静で確認できる。

 先の宮内庁担当記者は、

「11月中旬に庁内であった侍従職のレクでも、この件が話題にのぼりました」

 と明かすのだ。

「秋の叙勲に関する内奏もすでに終わり、閣僚の交代とも時期がずれる。本来、内奏の内容は一切明かせないのが原則ですが、この時は『一国の首相が何のために陛下にお会いしたのか』と質問が出ました。これに侍従職は『本来は申し上げられませんが、国事行為の変更について、なぜ変えたのかというお話があったのではないか』と、台風の影響で延期された祝賀パレードが主たる話題であったことをほのめかしたのです」

 平成に遡れば、第2次安倍政権が発足した12年12月以降、今年の4月末までの6年余りで安倍首相はおよそ50回の内奏を行っている。うち先述した叙勲や閣僚関係などを除くと十数回。幕を開けたばかりの時代と一概に比較はできないが……。

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