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そのことばを聞いたのは、東欧のルーマニアでした。ちょうど30年前の1989年12月、チャウシェスク大統領による独裁政権を倒し、民主化に動き出したこの国が、いま危機的な状況に陥っているといいます。

30年前に民主化の道を歩み始めたルーマニアは、自由と繁栄を夢見て2007年には悲願のEU加盟を実現。しかし、加盟国になるとEU域内の移動や就労の自由が保障されるため、若者たちは、給与水準が高い西側諸国にどんどん出て行くようになりました。

革命から30年がたち、夢にみたEU加盟がもたらしたものはなんだったのか。ペトレウッシュさんのことばに、私はショックを受けました。

ペトレウッシュさん
「この村からいずれ若者はいなくなるでしょう。ルーマニアがEUに加盟したときは、もっと生活がよくなると思った。でも、チャウシェスクもよくはなかったけど、今よりかはましだと思うわ。この先どうなるか全く見えません」

ルーマニアが抱えるもう1つの問題。

それは、専門的な知識を持つ人たちの「頭脳流出」です。その問題は、医療現場で特に深刻であることがわかりました。

キルクレスク医師によれば、ルーマニアでは、イギリスやフランス、ドイツなどに出て行く若い医師が後を絶たないといいます。こうした国々では10倍以上の収入を得られるケースもあり、医師としてのキャリアアップをはかれることが主な理由なのだそうです。

東西冷戦が終結してからこの30年で、ルーマニアの人口はどれぐらい減ったのでしょうか。1989年の人口はおよそ2300万人。ところが現在は1900万人台にまで落ち込んでいます。実際はさらに多くの若者が国を去っているという指摘もあるそうです。

人口流出の背景には、経済的な問題だけでなく、ルーマニアの社会につきまとう汚職問題が事態の悪化に拍車をかけていると、この問題を調査してきたNGOのエレナ・カリストル代表は指摘します。

ウィーン人口動態研究所、トーマス・ソボトカ主任研究員の調査によれば、東欧諸国は、1989年にベルリンの壁が崩壊し、冷戦の終結で経済環境が急激に変化したことを受けて各家庭の出生率が低下。さらに、EUに加盟したことで、東側の若者たちが、政治情勢が安定し、経済が繁栄している西側に移る傾向が進んだといいます。その結果、ルーマニアの人口は、30年近くで15%減少。同じく東欧のブルガリアでは19%減少しています。

一方、EU全体で見ると、人口は9%増加。この30年近くの人口増減を色分けして記したヨーロッパ全体の地図を見ると、東西の格差は一目瞭然です。

あたかも東西を分断する「新たな壁」が存在しているようにも見えます。

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#中村元
#多極化

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まさにそのように「壁」に飢えている人たちが非常に多い(=圧倒的な多数派に迫る勢い?)からこそ、トランプ氏のような大統領がついに誕生したのではないでしょうか。また、先般のフランスの大統領選挙の際の右翼政党の集会で用いられた「我々は我々の国にいる」というスローガンを見ても、移民の多いフランス等、西ヨーロッパの国々の社会においても、類似の現象=「壁への飢え」が如何に「猛威を振るっている」かが窺えます。

逆に十分に異質な者同士の間に適切な「壁」を設定しないと、当事者の手に負えない複雑度の爆発が発生し、当事者同士の間の認識解像度が著しく低下することによって通常の人間らしい社会が破綻してしまうような状況に追い込まれてしまいます。これは政治的な問題、あるいは語学力の問題として誤解されがちですが、問題の本質は状況全体の論理構造にあり、一種の数学の問題として理解されるべき事象です。

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グローバル経済とその課題
1990年代に社会主義経済がいきづまったのち,資本主義の自由主義経済は世界に広まった。国境をこえて人・もの・金・情報がゆきかうボーダレス社会の進展にともなって,巨大な資本が利益を求めて世界中をいきかって投資され,国家の単位をこえたグローバル経済の波が,全世界を覆うようになった。
しかし,その反面で先進国と途上国の貧富の差が拡大し,先進国の中でも経済格差や失業者の増加などが問題になっている。また,先進国のあまった資金が,投機マネーとなって石油や穀物を買い占め,それらの価格が高騰して経済が混乱するなどの問題も起こっている。
グローバル経済のいきすぎに歯止めをかけ,同時にグローバル経済の恩恵がすべての人に公平に分配され,自由で活力があるとともに公平で公正な,新しい世界経済の枠組みを構築することが課題になっている。