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台湾では、去年行われた統一地方選挙で中国寄りの候補が当選するよう工作したという中国人男性の証言が、先月メディアで伝えられたことから、台湾の内政に介入しようとする中国への警戒感が急速に高まっています。

台湾の議会にあたる立法院で31日可決した法律では、外国の敵対勢力からの支持を受けたり、資金援助を受けたりした個人や団体が政治献金をすることや、選挙で特定の候補を支援すること、また、ロビー活動を行うことなどを禁じています。

違反した場合は5年以下の懲役に加えて、事案によっては日本円でおよそ3600万円以下の罰金を科すとしています。

与党の民進党は、来月11日に行われる総統選挙でも中国による介入が懸念されると主張していて、蔡英文政権や与党としては、選挙の直前に罰則のある法律を新たに制定することで、中国の干渉を防ぎたいものとみられます。

これについて、中国政府で台湾問題を担当する国務院台湾事務弁公室の報道官が31日、コメントを発表し「民進党は両岸の交流を破壊し敵意や対抗意識を生じさせていて、台湾の民衆の幸せや利益を著しく損なっている」として強く批判しています。

台湾の蔡英文総統は1日、新年の記者会見を開きました。
この中で蔡総統は、去年、中国の習近平国家主席が「『一国二制度』こそが台湾統一の最良の形だ」と演説で強調したことを念頭に、「『一国二制度』が導入された香港の情勢は悪化する一方で、制度に対する信用は失われた」と指摘し、「一国二制度」は受け入れられないと改めて強調しました。

そのうえで、「台湾海峡の現状を変えているのは中国で、中国に迫られれば、われわれはともに立ち向かわなければならない。主権を短期的な経済的利益と引き換えることはできない」と述べ、経済的な結び付きを通じて統一に向けた圧力を強める中国をけん制するとともに、台湾の人々に団結を呼びかけました。

台湾では、今月11日に総統選挙と議会にあたる立法院の選挙を控えていて、蔡総統は再選を目指しています。

こうした中、野党は蔡総統や与党・民進党の中国に対する強硬な態度が情勢を悪化させていると批判していて、中国との関係をめぐり与野党の舌戦が続いています。

中国の習近平国家主席は31日夜、国営テレビなどを通じて新年の祝辞を述べました。この中で、習主席は去年1年間を振り返り、「質の高い発展が推し進められ、1人当たりのGDP=国内総生産は1万ドルを超えると予想されている」と述べ、着実に経済を発展させたと成果を強調しました。

そして、香港の問題についても言及し、「香港情勢をみんなが気にかけている。安定した環境なくして安心して暮らせるふるさとがあるだろうか」と述べ、半年以上にわたって続いている抗議活動をけん制しました。

そのうえで「香港の繁栄と安定が香港の同胞の願いであり、祖国の人たちも待ち望むことだ」と述べ、抗議活動が長期化する中、事態が収束することを望むと強調しました。

このほか、習主席は2020年までに貧困人口をゼロにするという、これまで掲げてきた目標をことし必ず実現させると強調し、国民の生活の質の向上に取り組む姿勢をアピールしました。

1日、香港で行われたデモ行進は、民主派の団体が呼びかけたもので、若者や家族連れなどが「暴政を許すな」とか「香港のために立ち上がろう」などと声を上げながら香港島の中心部を練り歩き、警察の取り締りが適切かどうかなどを調べる独立調査委員会の設立や、民主的な普通選挙の実施などを求めました。

香港ではこれまでも毎年、政府に対する要求を掲げて元日に数千人規模のデモ行進が行われてきましたが、地元メディアによりますと、ことしはデモ隊による過激な行動に備えて、警察官6000人が警戒に当たったということです。

行進は当初、混乱なく行われていましたが、警察は、夕方になって一部の参加者が銀行や飲食店を破壊したとして、催涙ガスで強制排除に乗り出したほか、予定の時間を早めて中止するよう命じました。ただ、通りには多くの市民がとどまり、抗議を続けています。

香港では、7か月近くにわたり抗議活動が続いていますが、政府側は、市民の要求を受け入れない立場を崩していません。

これに対し、民主派の政党や団体などはことし9月に行われる立法会の議員選挙に向けて、政府への圧力をさらに強める構えで、抗議活動はことしも続くことが予想されます。

デモ行進に参加した20代の男性は「いつもなら家族や友達と過ごす日ですが、いまはそれよりも大事なことがあると思い参加しています。民主的な普通選挙を実現させてよりよい香港にしたい」と話していました。

また20代の女性は「市民の要求は残されたままです。多くの市民が拘束されても、私たちは政府を恐れていないことを見せたい」と話していました。

米中両政府は先月中旬、貿易交渉について、中国がアメリカ産の農産品を大量に購入することや、知的財産権の保護に取り組むことなど、第1段階の合意に達したと発表しました。

これについてトランプ大統領は31日、ツイッター「中国との非常に大きく、包括的な第1段階の合意に1月15日に署名する」と投稿し、今月15日にホワイトハウスで正式な文書に署名すると発表しました。

署名式には中国からハイレベルの代表団が出席するとしています。

そのうえでトランプ大統領は、第2段階の交渉を始めるため後日、北京を訪問する考えを明らかにしました。

中国訪問が実現すれば、2017年11月以来となり、両国の対立の緩和につながるのか注目されます。

ことし11月に大統領選挙をひかえるトランプ大統領としては、支持基盤である国内の農家などに対して貿易交渉が進展しているとアピールするねらいがあるとみられます。

ただ、アメリカは、中国政府の国有企業に対する保護などを問題視しているほか、香港やウイグル族をめぐる問題でも中国に批判的な姿勢を崩しておらず、関係改善の先行きは依然として不透明です。

預金準備率は、中国の金融機関が預かっている預金の総額のうち、中央銀行である中国人民銀行に預けなければならない額の比率を表します。

中国人民銀行は1日、この預金準備率を今月6日から0.5%引き下げると発表しました。

これによって市場に8000億人民元以上、日本円で12兆円余りの資金が供給され銀行の貸し出しが増える、金融緩和の効果が期待されるとしています。

中国では、アメリカとの貿易摩擦で影響を受ける中小企業などの経営悪化が問題となっています。

米中両政府は先月、貿易交渉が第1段階の合意に至ったと発表しましたが、その後も中国では中小企業を中心に景気の先行きに慎重な見方が根強く、中国人民銀行としては、今回の措置によってこうした企業の資金繰りを支援することで、景気を下支えするねらいがあります。

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