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アメリカ国防総省トランプ大統領の指示で、イランの革命防衛隊のソレイマニ司令官を標的にした攻撃を実施し、殺害したことを明らかにしました。

ソレイマニ氏はイランで大きな影響力を持つ実力者で、国民から「英雄」とも呼ばれるほど人気が高く、イラン各地では3日、ソレイマニ氏を追悼し、アメリカを非難する集会が始まりました。

このうちソレイマニ氏の出身地である南東部ケルマン州の都市では、数千人規模の市民が街頭に繰り出し、顔写真をかかげてソレイマニ氏の死を悼んだり、「アメリカに死を」などと叫んでアメリカを非難したりしていました。

イランの最高指導者ハメネイ師は今回の攻撃に対する報復措置を取る考えを示しており、アメリカとイランの衝突に発展することへの懸念が高まっています。

アメリカのポンペイ国務長官は3日、CNNテレビに出演し、アメリカがイランの精鋭部隊革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したことについて、トランプ大統領が攻撃を決断したことで、アメリカ国民の命が救われた」と述べてトランプ大統領の指示のもとで行った攻撃を正当化しました。

そのうえで「多くのアメリカ国民に対する差し迫った危険があった。昨夜がソレイマニ司令官による新たな攻撃を防ぐためのタイミングだった」と述べ、攻撃の意義を強調しました。

アメリカは3日までに、トランプ大統領の指示に基づきイラクの首都バグダッドで革命防衛隊のソレイマニ司令官を標的にした攻撃を実施し、殺害しました。

ソレイマニ氏は中東地域における外交や軍事作戦を担う実力者で、国民から「英雄」とも呼ばれるほど人気が高く、3日、ソレイマニ氏を追悼する集会がイラン各地で行われました。

このうちテヘラン中心部では数百人が集まり、大勢の人がソレイマニ氏の顔写真をかかげ、「アメリカに死を」と叫んでアメリカによる殺害を非難していました。

ソレイマニ氏の殺害を受けてイランの最高指導者ハメネイ師は「血で汚れた犯罪者には厳しい報復が待ち受けている」と述べ、報復措置に踏み切る構えを見せています。

また国の最重要政策を決めている最高安全保障委員会が召集され、この中で具体的な対応策について検討を行いアメリカの攻撃は最大の戦略的誤りだ。この犯罪行為のすべての責任を負うことになるだろう」とする声明を発表しました。

イランが報復を警告する中、アメリカは攻撃が行われたイラクに暮らすアメリカ国民に対し、直ちに国外に退避するよう求めていて、アメリカとイランの間で衝突が起きる懸念が強まっています。

反米集会に参加していた26歳の服飾デザイナーの女性は「ソレイマニ氏の死亡が信じられません。間違いであってほしいとずっと思っていました。本当に悲しく、ことばもありません。イランはあらゆる可能性や方法で、報復しなければなりません」と涙ながらに話していました。

また40歳のエンジニアの男性は「ソレイマニ氏の殉職は私たちにとって大きな悲しみです。彼の死が抑圧された人たちを助け、アメリカとの戦いを後押しすることを望みます」と話していました。

今回の攻撃について、アメリカのポンペイ国務長官は3日、イギリスのラーブ外相やフランスのルドリアン外相、それに中国で外交を統括する楊潔※チ政治局委員など、各国の高官と相次いで電話で会談しました。

このうちラーブ外相との会談でポンペイオ長官はトランプ大統領が攻撃を決めたのは防衛的な措置であり、アメリカ国民の生命への差し迫った脅威に対応するためだった」としたうえで、事態をエスカレートさせないよう努めると強調しました。

ポンペイオ長官はこれに前後してCNNなどアメリカのテレビに相次いで出演し、必要な攻撃だったと強調しており、攻撃への理解を求めるねらいがあるものとみられます。

※「チ」は、竹かんむりに褫のつくり。

殺害されたソレイマニ司令官はイランの最高指導者ハメネイ師直轄の「革命防衛隊」の精鋭部隊を率い、国民から「英雄」と呼ばれるほど人気の高い実力者として知られていました。

ソレイマニ司令官の精鋭部隊は「コッズ部隊」の名で呼ばれ、中東でイランの影響力を拡大させる工作活動を指揮するなど外国での特殊任務を担っていて、司令官自身、イラン国内で絶大な影響力を持つと評価されています。

ハメネイ師からの信頼が厚く、大統領選挙への出馬を取り沙汰されたこともあります。

ソレイマニ司令官の殺害を受けて、ハメネイ師に加えて政界の有力者も相次いで声明を出し、このうちラリジャニ議長はソレイマニ司令官を「国民的な英雄だ」としたうえで、「イラン国民は彼の死を黙って見過ごさない」と怒りをあらわにしました。

またイラン政府に近いことで知られるテヘラン大学のマランディ教授は国営テレビの電話インタビューで「ソレイマニ司令官はイラン国民から広く尊敬を集め、極めて人気がある人物だ。ソレイマニ氏への攻撃はアメリカの大きな計算違いだ。イラクにいるアメリカ人は直ちに国を離れたほうがよい」と述べて、イラクにいるアメリカの外交官や軍人らを標的にした報復攻撃が考えられるとして、強く警告しました。

イランの国営テレビは司令官の殺害を受けて、テレビ画面の左上に黒い帯を表示し、国をあげた追悼の意を表しました。

アメリカ国防総省の報道官は3日、中東でアメリカ軍に対する脅威が高まっていることを受けた予防的な措置として、中東地域におよそ3000人のアメリカ軍の兵士を新たに派遣することを明らかにしました。

国防総省によりますと、派遣されるのはアメリカ南部ノースカロライナ州を拠点とする陸軍第82空てい師団の即応部隊で、中東のクウェートに展開するということです。

国防総省は先月31日、イラクの首都バグダッドにあるアメリカ大使館に対する抗議デモが過激化したことを受け、第82空てい師団から750人規模の兵士を中東地域に派遣することを表明したうえで、さらなる部隊を派遣する可能性を示唆していました。

トランプ政権は去年5月以降、イランの脅威に対応するためとして、中東への増派を繰り返し、およそ1万4000人アメリカ軍の兵士を派遣しています。

今回、国防総省が新たに3000人の増派を決めたことで、イランとの緊張が一層高まることが懸念されます。

アメリカとイランの対立で中東情勢が緊迫化する中、バーレーンの航空会社「ガルフ・エア」は3日からイラクの首都バグダッド、それに南部ナジャフを発着する便の運航を状況が改善するまで見合わせると発表しました。

またヨルダンの航空会社「ロイヤル・ヨルダン航空」もイラクの状況を踏まえて3日からバグダッドを発着する便の運航を見合わせると発表しました。

トランプ大統領は南部フロリダ州で3日、演説し、「昨夜、私の指示によってアメリカ軍は完璧で正確な空爆を成功させ世界一のテロリストを殺害した」と述べ、イランの精鋭部隊、革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したと述べました。

そしてソレイマニ司令官は20年にわたり中東でテロ行為を繰り返し、その指示のもと多くのアメリカ人が殺害され、最近もイラクアメリカ大使館が攻撃を受けたほか、アメリカの外交官や軍人を標的にさらなる攻撃を計画していたと主張しました。

そのうえで「アメリカ人に危害を加えたり加えようとするテロリストに対する方針は明白だ。テロリストを見つけ出し、排除する。常にアメリカの外交官や軍人、それにすべてのアメリカ人や同盟国を守る」と述べ、テロリストには厳しい態度で臨むと強調しました。

一方で、「われわれは昨夜、戦争を止めるために行動を起こした。戦争を始めるために行動を起こしたのではない」と述べ、イランとの戦争は望まないという考えを改めて示しました。

そのうえで「私はイランの人々を深く尊敬している。イランの体制転換を求めているのではない。しかしながらイランの現体制による中東での攻撃はいますぐ止めなければならない」と述べ、イランの指導部を強くけん制しました。

アメリカがイランの精鋭部隊、革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したことについてトランプ大統領は3日、ツイッター「司令官は長年にわたり多くのアメリカ人を殺害するなどし、さらに多くを殺害しようともくろんでいたが、阻止された」と投稿しました。

そして、「彼は最近、イランでのデモで殺害されるなどした大勢の人々の死に直接的かつ間接的に責任があった。ソレイマニはイラン国内で憎まれ、恐れられていた。何年も前に排除されるべきだった!」と述べ、殺害は正当だったと主張しました。

またポンペイ国務長官はイギリスのラーブ外相やフランスのルドリアン外相、それに、中国で外交を統括する楊潔※チ政治局委員など各国の高官と相次いで電話で会談し、攻撃への理解を求めるねらいがあるものとみられます。

司令官の殺害について与党・共和党からは「ソレイマニはテロリストで、イランと世界に対し、アメリカへの攻撃は必ずその報いを受けることになると知らしめた」などと全面的に評価する声があがっています。

一方、野党・民主党ペロシ下院議長が声明で「攻撃はさらなる危険な暴力の拡大を引き起こすおそれがある」として、イランによる報復への懸念を表明したほか、「今回の措置は議会との協議なしに行われた」として、政権に説明を求める声が相次いでいて波紋が広がっています。

※「チ」は、竹かんむりに褫のつくり

与党・共和党からは全面的に評価する声があがる一方、野党・民主党からはイランによる報復を懸念する声や政権に説明を求める声が相次いでいます。

共和党の議会下院トップ、マッカーシー院内総務は声明で「ソレイマニはテロリストだ。トランプ大統領とわれわれの軍はイランと世界に対し、アメリカへの攻撃は必ずその報いを受けることになると知らしめた」として、全面的に評価しています。

また共和党の重鎮でトランプ大統領に近いグラム上院議員アメリカメディアのインタビューに対し、「ソレイマニはイラン政府内で最も冷酷で悪意に満ちた人物だった。彼の手はアメリカ人の血で染まっていた。イランの攻撃に対するトランプ大統領の大胆な行動に感謝する」と述べ、アメリカ軍に攻撃を指示したトランプ大統領を高く評価しています。

一方、民主党ペロシ下院議長は声明で「攻撃はさらなる危険な暴力の拡大を引き起こすおそれがある」として、イランによる報復への懸念を表明しました。

そのうえで「今回の措置は議会との協議なしに行われた。議会はこの深刻な状況と、この地域へのアメリカ軍の追加部隊の拡大を含む、政権による次の行動について、直ちに報告を受けなければならない」と述べ、議会としてトランプ政権に詳細な説明を求める考えを強調しました。

また民主党のシフ下院情報委員長も声明で「ソレイマニは想像を絶する暴力の責任があり、彼がいなくなり世界はよりよくなった」としつつも、「議会は攻撃を承認しておらず、アメリカ国民はイランとの戦争を望んでいない」と政権の対応を批判しています。

さらに大統領選挙の民主党の有力候補、バイデン前副大統領も声明を発表し「ソレイマニの死を悼むアメリカ国民はいない。彼は裁きを受けるに値する」と指摘しつつ、「トランプ政権はイランによる将来の攻撃を抑止するためだったと説明しているが、今回の行動はほぼ確実に逆の効果をもたらすだろう。トランプ大統領はダイナマイトを一触即発の危険な地域に放り投げた」としてトランプ大統領を非難しました。

イランの精鋭部隊、革命防衛隊のソレイマニ司令官がアメリカによる攻撃で殺害されたことを受け、攻撃の舞台となったイラクではアメリカの行動はイラクの主権に反するなどとして批判の声が挙がっています。

このうちアブドルマハディ暫定首相は3日、声明を発表し、アメリカによる攻撃をイラクと地域一帯、そして世界での壊滅的な戦争に発展する導火線に点火するような危険な行為だ」と批判しました。

そのうえで今回の攻撃はアメリカ軍の駐留の目的を治安部隊の訓練やテロとの戦いに定めたアメリカとの取り決めに違反する行動だとしています。

またイラクで多数派のイスラムシーア派の最高権威シスターニ師は3日、声明を発表し、アメリカによる攻撃についてイラクの主権と国際的な合意に対する傲慢な侵害だ。攻撃は過激派組織IS=イスラミックステートのテロリストを打ち破った司令官たちの死につながった」として、アメリカの攻撃を非難するとともに中東地域でISとの戦いを主導したソレイマニ氏の死を悼みました。

そのうえで「これらの出来事は国が非常に難しい時期へと向かっていることを示している。すべての関係者に対し、自制を保ち、賢く行動するよう呼びかける」としています。

イラク議会は近く、緊急の会合を開いて対応策を協議する予定で、アメリカとイランがしのぎを削る舞台となってきたイラクが今回のアメリカ軍の攻撃に対してどのような対応を示すのか注目されます。

中国国営の新華社通信によりますと、中国で外交を統括する楊潔※チ政治局委員はアメリカのポンペイ国務長官との電話会談で、「中国は対話と協議を通じて、意見の違いを解決すべきだと一貫して主張していて、武力の使用には反対している。関係各国、特にアメリカには自制を保ち、対話を通じて、問題解決を探る道に早く戻り、緊張状態を緩和させるよう希望する」と述べ、アメリカに対し、事態をエスカレートさせないよう自制を求めました。

※「チ」は、竹かんむりに褫のつくり

トルコ外務省は3日、声明を発表し、アメリカとイランの間で緊張が高まっていることを深く憂慮している。イラクが衝突の舞台となれば地域の平和と安定が損なわれてしまうと、われわれは改めて強く警告する」としてアメリカとイランの双方に対し、軍事行動は避け外交によって問題を解決するよう呼びかけています。

ドイツのマース外相は3日、ツイッター「今は状況がさらにエスカレートして地域全体に火がつくのを防ぐことが大事だ」と書き込みました。

そのうえでアメリカのポンペイ国務長官とEU=ヨーロッパ連合のボレル上級代表と協議をしたとして、関係する各国と協力して事態の鎮静化を図る考えを示しました。

またフランスのルドリアン外相も3日、声明を発表し「すべての当事者に対して自制を求めるとともに、イランに対して地域の不安定な状況を悪化させたり、核開発で危機をもたらすような行動を避けるよう求める」としています。

そのうえで地域の緊張がこれ以上高まらないように、今後数日間かけて関係国と協議を続ける方針を明らかにしました。

ロシア外務省によりますと、ラブロフ外相はアメリカのポンペイ国務長官と電話で会談しました。

この中でラブロフ外相はポンペイオ長官に対して「国連の加盟国が別の加盟国の政府関係者を、何も知らない第三の主権国家において排除するという行為は国際法を著しく犯すものであり非難に値する」と非難したということです。

そしてラブロフ外相はアメリカのとった対応は地域の平和と安定にとって深刻な結果をもたらし、新しい緊張を生み出す」と指摘し、みずからの目的のために武力を行使することをやめ、すべての問題を対話によって解決するよう促したということです。

国連のハク副報道官は3日、記者会見の冒頭、グテーレス事務総長の声明を読み上げ「関係国の政治指導者は最大限の自制をしなければならない時だ」と述べて、アメリカとイランをはじめとする関係国が報復などの行動に出ないよう強く自制を促しました。

そのうえで、「湾岸で新たな戦争を起こすわけにはいかない」と述べて、事態がエスカレートすれば戦争に発展しかねないという危機感をあらわにしました。

ハク副報道官は、グテーレス事務総長がこの日の朝、アメリカのクラフト国連大使に電話し、声明と同じ趣旨のメッセージを伝えたとしていますが、詳しいやり取りは明らかにしませんでした。

一方、中国の張軍国連大使安全保障理事会の会合に出席する前、記者団に「状況を注視している。中国は、国際関係におけるいかなる武力の行使にも反対する。イラクの主権と領土の保全は完全に尊重されるべきだ」と述べて、アメリカの軍事行動はイラクの主権侵害に当たるという認識を示しました。

アメリカはイラクの首都バグダッドでイランの精鋭部隊、革命防衛隊のソレイマニ司令官を標的にした攻撃を実施し殺害したと発表しましたが、攻撃の詳しい経緯については明らかにしていません。

これについてアメリ国務省の高官は3日、NHKなどの取材に応じ「ソレイマニ司令官がバグダッドにいたのはアメリカ人やその施設に対する複数の攻撃を計画していたためだ」と述べました。

また計画されていた攻撃は中東地域にいるアメリカの外交官や兵士、それにアメリカ人が暮らす施設をねらったものだとし「情報を分析したところ、数百人が犠牲になるおそれがあった」と述べ、アメリカの攻撃は自衛のためだったと強調しました。

さらにこの高官は「イランは対話を拒んできた。安倍総理大臣やマクロン大統領など各国が働きかけたが、イランの最高指導者によりよい決定をさせるのに失敗した」と述べ、イランに対しアメリカとの対話に応じるよう求めました。

イラクのメディアは、首都バグダッドの北部で3日夜、アメリカ軍がイスラムシーア派民兵組織を標的に攻撃を行い、6人を殺害したと伝えました。

イラクでは、イランの影響下にあるシーア派民兵組織が活動し、現地に駐留するアメリカ軍との間で緊張した状態が続いています。

一方、アメリカ政府から発表はなく、詳しいことは明らかになっていません。

首都バグダッドではアメリカ軍の攻撃でイランの精鋭部隊、革命防衛隊のソレイマニ司令官が殺害され、イランの最高指導者ハメネイ師が報復措置に踏み切る構えを見せています。

一方、アメリカ国防総省は、中東地域におよそ3000人の兵士を新たに派遣することを明らかにしていて、アメリカ軍による新たな攻撃でさらに緊張が高まることが懸念されます。

ことし11月のアメリカ大統領選挙で再選を目指すトランプ大統領は3日、フロリダ州マイアミにある教会でことし初めての集会を開き、アメリカ人の4分の1を占めるとされる「キリスト教福音派の支持者に向けて演説しました。

この中でトランプ大統領は、イランの革命防衛隊の司令官を殺害した成果を改めて強調したうえでアメリカ人は神から多くの祝福を受けているが、その中でもっともすばらしいのは世界最強の軍隊に守られていることだ」と述べ、みずからの指導力をアピールしました。

そのうえで、「トランプ政権は宗教の自由を守るために歴史的な行動を取っている」と述べ、改めて支持を呼びかけました。

福音派は4年前の大統領選挙でその8割がトランプ大統領に投票したとみられており、トランプ大統領は就任以降、人工妊娠中絶の支援団体への補助金を廃止し、イスラエルにあるアメリカ大使館をエルサレムに移転するなど、福音派の期待に応える政策を打ち出してきました。

しかし先月、キリスト教福音派の有力誌が大統領の罷免を求める社説を掲載するなど、重要な支持基盤の一部が離反している可能性も指摘されており、トランプ大統領としては引き続き、支持のつなぎ止めを図りたいねらいがあるとみられます。

トランプ政権でイラン政策を統括するフック特別代表は3日、国務省でNHKの単独インタビューに応じました。

フック氏は、アメリカが殺害したイランの精鋭部隊、革命防衛隊のソレイマニ司令官についてイラク、シリア、それにレバノンなどでアメリカに対する大規模で、大勢の犠牲者を出す攻撃を計画していた」と述べました。

さらに「攻撃はアメリカにとどまらず、ほかの国にも被害を及ぼす可能性があった」と述べ、司令官に対する攻撃は正しかったと強調しました。

また、フック氏は、中東地域への自衛隊の派遣についてアメリカによる海洋安全保障の取り組みはイランによる海上での攻撃を防ぐのに役立っている。日本がいればわれわれの目と耳が増え、タンカーを爆破するような攻撃が起きる前に見つけることができる。協力して抑止するのが非常に重要だ」と述べて、日本との協力に期待を示しました。

一方、今回の攻撃によってイランは報復の構えを見せていますが、フック氏は「緊張は以前から高くなっていて、それはイランがエスカレートさせるのをやめないからだ。アメリカの攻撃はそれをやめさせるためだ」と述べ、事態の一層の緊迫化にはつながらないという考えを示しました。

アメリカ軍が、イラクの領内でイランの精鋭部隊、革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したことを受けて、イランのラバンチ国連大使は3日、国連のグテーレス事務総長安全保障理事会の議長に対して書簡を送りました。

この中でラバンチ大使は、「ソレイマニ司令官が国際法と国連安全保障理事会の決議に沿う形で、周辺国家の要請に基づいて過激派組織IS=イスラミックステートなど最も危険なテロ組織の掃討作戦に従事してきたことは関係国が広く知るところだ」と主張し、ソレイマニ司令官がアメリカの外交官や軍人を標的にした攻撃を計画していたとするトランプ政権の主張に反論しました。

そのうえで、「国連の安全保障理事会アメリカによる不法な犯罪行為を非難する責任がある」として、書簡を安保理のすべての理事国に回覧するよう求めています。

これに対して安保理内からは具体的な反応や臨時の会合を要請する動きは出ていませんが、イランとしては、国連を通じて主張を展開し、国際社会の支持と理解を得たいものと見られます。

また、ラバンチ国連大使は、アメリカのCNNのインタビューの中で、「軍事行動には軍事行動で対応する。新しい段階に入った。司令官の暗殺は、イランに対する開戦に等しい」と述べて、軍事的報復の可能性に言及して警告しました。

アメリカ国防総省の報道官は3日、中東でアメリカ軍に対する脅威が高まっていることを受けた予防的な措置として、中東地域におよそ3000人のアメリカ軍の兵士を新たに派遣することを明らかにしました。

国防総省によりますと、派遣されるのはアメリカ南部、ノースカロライナ州を拠点とする陸軍第82空てい師団の即応部隊で、中東のクウェートに展開するということです。

一方、トランプ大統領は南部フロリダ州で演説し、「われわれは昨夜、戦争を止めるために行動を起こした。戦争を始めるために行動を起こしたのではない」と述べ、イランとの戦争は望まないという考えを改めて示しました。
また、ホワイトハウスで安全保障政策を担当するオブライエン大統領補佐官は電話での記者への説明の中で、「イランが事態をエスカレートさせることを選択すれば非常に貧しい決定だ。それに代わる道筋は核開発をやめ、普通の国のようにふるまい、アメリカとの交渉のテーブルにつくことだ」と述べ、イランが報復措置をとらないようくぎを刺すとともに、アメリカとの交渉のテーブルにつくよう呼びかけました。

ただ、イランは報復措置に踏み切る構えで緊張の高まりは避けられない情勢です。

アメリカサッカー連盟は3日、アメリカとイランの間で緊張が高まっていることを受けて、中東カタールの首都ドーハで予定されていた男子の代表チームのキャンプを延期すると発表しました。

キャンプは今月5日から25日まで予定されていましたが、連盟は「当該地域で問題が起きている」として延期を決めたということです。

カタールでは再来年にサッカーワールドカップが開催されることになっていて、連盟は「近い将来、カタールでプレーする機会を見つけたい」としています。

アメリカ軍は、3日までにトランプ大統領の指示にもとづきイラクの首都バグダッドで、イランの精鋭部隊、革命防衛隊のソレイマニ司令官や同行していたイラクイスラムシーア派民兵組織の幹部らを殺害しました。

この民兵組織の呼びかけで4日午後、バグダッドでソレイマニ司令官ら亡くなった人たちの葬儀が予定されています。

これを前に弔意を示すため黒い服を着たり、イラクの国旗を手にした数千人の人たちが葬儀会場へ向かっています。

会場は政府機関が集中する「グリーンゾーン」と呼ばれる地区の近くで、地区の中にはアメリカ大使館があり、今月1日にかけて起きたイスラムシーア派民兵らの抗議デモでも大使館の施設が被害を受けています。

ソレイマニ司令官の殺害によってアメリカとイランの間で緊張が高まる中、葬儀をきっかけに混乱が広がらないか、懸念されています。

イラン最高指導者のハメネイ師とロウハニ大統領が、相次いでアメリカ軍に殺害されたソレイマニ司令官の遺族のもとを訪ねました。

ハメネイ師は3日夜、首都テヘランに住む遺族のもとを訪ね、ソレイマニ氏の妻たちを前に「彼は誰も何も恐れていなかった。彼の闘争は偉大な闘争であり、彼の殉教は偉大な殉教だった」と述べ、その死を悼みました。

また、4日遺族のもとを訪ねたロウハニ大統領もアメリカによるこの犯罪が、忘れられることはないだろう。この偉大な男は、普通の人やテロリストに殺されるのではなく、歴史上最大のテロリストによって殉教するのがふさわしい」と述べて追悼しました。

そのうえで、ロウハニ大統領はアメリカは、大きな過ちを犯したことをわかっていない。彼らは今後、この過ちがもたらす影響に直面することになるだろう」と述べ、アメリカに対して何らかの報復措置をとる可能性を改めて示唆しました。

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