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各国の政財界のリーダーが集まるダボス会議に、2年ぶりに出席することになったトランプ大統領は21日、オープニングのスピーチに登場しました。

この中でトランプ大統領アメリカはこれまでにないほど経済的に繁栄している。アメリカはかつてないほど勝利している」と強調しました。

そして、世界経済にとって最大のリスクとなっていた、アメリカと中国の貿易交渉が第1段階の合意に至ったことについて「中国と行ったすばらしい合意は21世紀の中でも模範的な新しいものとなった。交渉は公平で、労働者や家族の要望を優先したものだった」と述べ、みずからの成果としてアピールしました。

また、会議の主要テーマとなっている環境問題については「今は悲観的になる時ではなく楽観的になる時だ。恐怖と疑念はよい思考ではない。地球が破滅するという予言は否定しなければならない」と主張しました。

一方、今月、アメリカ軍がイランの司令官を殺害したことについては言及しませんでした。

アメリカ国内では21日からトランプ大統領ウクライナ疑惑をめぐる弾劾裁判の実質的な審理が始まりますが、演説でトランプ大統領は、弾劾裁判には触れず、みずからの経済政策が成果をあげているとアピールすることに終始しました。

トランプ大統領は2日間、ダボスに滞在し、会議に合わせて各国の要人などとの会談を行うことにしています。

トランプ大統領が演説を行った会場には、グレタ・トゥーンベリさんの姿もありました。

トランプ大統領の演説を聞いていたものとみられます。

演説後、グレタさんはNHKの取材には何も答えず会場をあとにしました。

トランプ大統領は21日、スイスで開かれているダボス会議に合わせて、先月就任したEUのフォンデアライエン委員長と初めて会談しました。

トランプ大統領はEUに対して航空機メーカーへの補助金の見直しや貿易赤字の削減を求めていて、会談の冒頭、「EUとの取り引きは誰もが実現したいものだ」と述べ、貿易交渉を早期に進めたいという意向を示しました。

これに対してフォンデアライエン委員長はアメリカ人とヨーロッパ人はよい仲間であり、この関係を強固にしていく」と述べ、対立は避けるべきだという考えを伝えました。

会談のあとトランプ大統領は、EUが交渉に応じなければ輸入車に高い関税をかける可能性を示唆し、EUに譲歩を求める考えを強調しました。

トランプ政権は中国に対して関税の追加の引き上げをちらつかせて、アメリカ産の農産品を大量に購入するという要求を受け入れさせました。

今後は中国の次に貿易赤字が多いEUとの交渉に力を入れる方針を示していて、協議の行方が注目されます。

#EU

ウクライナ疑惑をめぐりトランプ大統領は、みずからの政治的利益のためにウクライナに圧力をかけた「権力乱用」と、議会による調査を妨害した「議会妨害」があったとして、先月、野党・民主党が多数派の議会下院で弾劾訴追されました。

これを受けて21日午後、日本時間の22日午前3時すぎ、議会上院で大統領を罷免するかどうかを決める弾劾裁判の審理が始まりました。

初日は弾劾裁判の進め方に関する決議案の審理が行われ、トランプ大統領弁護団を率いるホワイトハウスのシポローネ法律顧問は「唯一の結論は、大統領は何も悪いことをしていないということだ」と述べ、真っ向から争う構えを示しました。

これに対して弾劾裁判で検察官役を務める民主党のシフ下院議員は「国民は公正な裁判を求めている」と述べ、共和党側が否定的な姿勢を見せている証人の召喚について、公正な裁判のためには必要だと訴えました。

決議案が可決されれば、検察側と弁護側はそれぞれ合計24時間をかけて「冒頭陳述」を行うことになります。

審理に先立ってトランプ大統領は訪問先のスイスで21日、弾劾裁判について「何年も続いている魔女狩りで、恥ずかしいことだ」と非難しました。

さらに審理が始まったあと、ツイッターに「記録を読め!」と投稿し、ウクライナの大統領との電話記録をすでに公表しているとして、潔白を改めてアピールしました。

アメリカの大統領が弾劾裁判にかけられるのは史上3人目で、議会上院を舞台に秋の大統領選挙もにらんだ与野党の激しい攻防が繰り広げられることになりそうです。

アメリカの大統領が弾劾裁判にかけられるのは1868年のジョンソン大統領、1999年のクリントン大統領に続いてトランプ大統領で史上3人目です。

裁判ではまず今後の進め方について審理したあと、検察側、弁護側双方が冒頭陳述を行う見通しで、それぞれに2日間、合わせて24時間が配分されています。

その後、行われる質疑について、アメリカのメディアは書面のやり取りが中心になるという見通しを伝えています。

この審理の結果を受けて、陪審員役の上院議員が「権力乱用」と「議会妨害」それぞれについて「有罪」「無罪」を採決することになります。

そして出席議員の3分の2以上が「有罪」に賛成した場合、トランプ大統領は罷免されることになります。

弾劾裁判が開かれる議会上院では与党・共和党が多数を占め、大きな造反の動きは出ていないため、大統領が罷免される可能性は低いと見られています。

このためトランプ大統領としては、共和党の協力で無罪を勝ち取るだけでなく、野党・民主党が党利党略で不正行為をねつ造したと主張し、ことし秋の大統領選挙に向けて民主党に政治的打撃を与えたい考えです。

審理を前に、トランプ大統領弁護団は書面を提出し、問題とされた大統領の言動に法的な問題はなく、「権力乱用」や「議会妨害」には該当しないとしたうえで、一連の弾劾手続きは民主党の政治的な動機によるもので無効だとして、無罪を主張しています。

一方、民主党は裁判でボルトン大統領補佐官ホワイトハウスのマルバニー首席補佐官代行ら大統領の元側近や現職の幹部を証人に呼び、トランプ大統領に不利な証言を引き出したい考えです。証人を呼ぶためには上院で過半数の賛成が必要で、100議席のうち53議席を占める共和党から4人が賛成に回れば実現することになります。

共和党側は証人の召喚には応じず裁判を迅速に終わらせる構えですが、民主党共和党の議員を1人でも多く切り崩して弾劾の賛成票を増やし、大統領に不適格だという印象を強調したい狙いです。

一方、弾劾裁判は民主党の大統領選挙に向けた候補者選びに影響を与える可能性も指摘されています。民主党の候補者選びの幕開けとなるアイオワ州の党員集会まで2週間を切る中、各候補は繰り返しアイオワ州に選挙運動に入り、支持を訴えています。

しかし、上院議員のサンダース氏、ウォーレン氏、それにクロブシャー氏は審理への出席を求められ、裁判が行われる日中の選挙運動はできなくなります。

トランプ政権の高官は「2週間以上続く可能性は低い」という見通しを示していますが、1999年のクリントン元大統領の弾劾裁判では、審理はおよそ5週間にわたっていて、裁判の期間も注目点となります。

また、有力候補のバイデン前副大統領は、ウクライナ疑惑を巡ってトランプ大統領共和党から息子の不正があったと追及されていて、裁判でこうした主張が繰り返されれば打撃を受けるおそれもあり、裁判では大統領選挙をにらんだ政治的な駆け引きが激しくなることも予想されます。

ウクライナ疑惑をめぐりトランプ大統領は、みずからの政治的利益のためにウクライナに圧力をかけた「権力乱用」と、議会による調査を妨害した「議会妨害」があったとして先月、野党・民主党が多数派の議会下院で弾劾訴追され、21日午後、日本時間の22日未明、議会上院で大統領を罷免するかどうかを決める弾劾裁判の審理が始まりました。

初日は、弾劾裁判の進め方に関する決議案の審理が行われ、トランプ大統領弁護団を率いるホワイトハウスのシポローネ法律顧問は「唯一の結論は、大統領は何も悪いことをしていないということだ」と述べ無罪を主張し、真っ向から争う姿勢を示しました。

これに対して、弾劾裁判で検察官役を務める民主党のシフ下院議員は「大半のアメリカ国民は公正な裁判が開かれるとは思っておらず、結果はすでに用意されていると考えている」と述べ、証人の召喚に共和党側が否定的な姿勢を見せていることを批判しました。

そのうえで、公正な裁判のためには、疑惑の真相を知る立場にあったとされるボルトン大統領補佐官らを証人として呼ぶ必要があると訴えました。

また、裁判で民主党は、トランプ政権がウクライナに対して軍事支援を一時凍結したことをめぐる政権内の文書や記録を提出するよう求めましたが、上院で多数派の共和党は拒否し、初日から激しい攻防が繰り広げられています。

今後、共和党としては、早ければ今月中にも裁判を終え、早期の幕引きを図ろうという戦略ですが、民主党側は、全米に生中継される裁判に重要証人を呼んで世論に訴えかけたい考えで、弾劾裁判を舞台にした与野党の対立はさらに先鋭化する見通しです。

アメリカの大統領が弾劾裁判にかけられるのは、1868年のジョンソン大統領、1999年のクリントン大統領に続いて、トランプ大統領で史上3人目です。

裁判では、議会上院が裁判所の役割を果たし、ロバーツ連邦最高裁判所長官が弾劾裁判の裁判長を、議会上院のすべての議員が陪審員を務めます。

そしてトランプ大統領を追及する検察官としての役割は、議会下院で弾劾訴追に向けた調査を担った民主党のシフ情報委員長など7人の下院議員が、弁護側はホワイトハウスのシポローネ法律顧問らが率いる弁護団が担います。

この弁護団には、クリントン元大統領の弾劾訴追の際に、疑惑の捜査を指揮したスター元独立検察官や、1990年代に全米を騒がせたアメリカンフットボールのスーパースター、O・J・シンプソン元選手の事件で無罪を勝ち取った弁護団のダーショウィッツ弁護士ら著名な弁護士が加わっています。

裁判では、まず今後の進め方について審理したあと検察側、弁護側双方が「冒頭陳述」を行う見通しです。

議会上院の共和党トップ、マコネル院内総務が21日、提出した決議案によりますと「冒頭陳述」は双方に3日間、時間にして24時間が配分されています。

その後、陪審員役の上院議員が最大で16時間質疑を行うとしています。

この審理の結果を受けて、陪審員役の上院議員が「権力乱用」と「議会妨害」それぞれについて「有罪」「無罪」を採決することになりますが、民主党は審理のなかで、疑惑の真相を知るとされるボルトン大統領補佐官らを証人として呼び、トランプ大統領に不利な証言を引き出したい考えです。

採決で出席議員の3分の2以上が「有罪」に賛成した場合、トランプ大統領は罷免されることになります。

ただ、議会上院は共和党が多数を占めるため、罷免の可能性は低いとみられています。

アメリカの政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめた今月21日時点の各種世論調査の平均値では、弾劾や罷免に「賛成」が47.3%、「反対」が47.5%ときっ抗しています。

支持政党別に見ますと民主党支持者では、「賛成」が86.0%、「反対」が9.6%、共和党支持者では、「賛成」が7.9%、「反対」が89.4%と支持する政党によって評価が大きく分かれています。

無党派層では「賛成」が44.6%、「反対」が46.0%と割れています。

また、トランプ大統領の支持率は「支持する」が44.0%、「支持しない」が52.6%となっています。

こうした弾劾への賛否や、トランプ大統領の支持率の傾向は民主党が弾劾調査に乗り出した去年9月以降も大きく変わることはなく、アメリカ社会の分断が固定化している現状がうかがえます。

ウクライナ疑惑をめぐり、トランプ大統領は、みずからの政治的利益のためにウクライナに圧力をかけた「権力乱用」と、議会による調査を妨害した「議会妨害」があったとして、先月、野党・民主党が多数派の議会下院で弾劾訴追され、21日、議会上院で大統領を罷免するかどうかを決める弾劾裁判の初日の審理が行われました。

裁判で民主党は、疑惑の真相を知る立場にあったとされるボルトン大統領補佐官ホワイトハウスのマルバニー首席補佐官代行ら、大統領の元側近や現職の幹部を証人として召喚するよう要求していて、召喚が実現するかが焦点となっています。

初日の審理はおよそ13時間にわたって行われ、検察官役を務める民主党のシフ下院議員は「証拠は圧倒的だが、大統領による不正行為の全容を示すためにはさらなる証人による証言が必要だ」と指摘し、公正な裁判のためには証人の召喚が必要だと訴えました。

これに対しトランプ大統領弁護団を率いるホワイトハウスのシポローネ法律顧問は「『圧倒的な証拠がある』と言いながら、ここに来てさらに証拠が必要だと主張するのはばかげている」と述べ、証人を呼ぶ必要はないと反論しました。

証人を呼ぶためには上院で過半数の賛成が必要で、100議席のうち53議席を占める共和党から4人が民主党の側に回れば実現します。

これまでのところ、ロムニー上院議員など共和党穏健派の3人の議員が証人を呼ぶことに明確に反対しておらず、民主党は切り崩しを図って裁判の進め方で主導権を奪いたい考えです。

共和党としては早期の幕引きを目指し、早ければ今月中にも裁判を終えたい考えですが、民主党は、全米に生中継される中で新たな証言を引き出し世論を味方につけたい考えで、ことし秋の大統領選挙をにらんで与野党の間で激しい攻防が続く見通しです。

今回の弾劾裁判では、議会上院の与野党のトップ、マコネル院内総務とシューマー院内総務が共同で審理に臨むルールを定めた上院議員向けのガイドラインを作成しています。

これは「弾劾裁判における礼儀作法のガイドラインと呼ばれ、上院議員にすべての手続きへの出席を求めているほか、裁判での発言は限られた機会でのみ許可するとして、審理の間は近くの議員との会話を慎むよう定めています。

さらにすべての議員は着席しなければならないとして、議場内を歩き回ることを厳しく制限しているほか、携帯電話や電子機器の使用を認めず、議場に入る前にすべての電子機器をクロークに預けるよう求めるなど、陪審員役を務める上院議員の行動を厳格に規定しています。

また弾劾裁判が開かれる議会上院の議場は座席の配置が変えられ、裁判長が座る議長席から見て右手に検察官役の下院議員が、左手に弁護団のチームが座り、その後ろに陪審員役を担う上院議員の席が用意されています。

ニューヨーク・タイムズによりますと、検察側と弁護側それぞれが座る机は、1999年の当時のクリントン大統領の弾劾裁判の際に半円形の議場の形にあうように特別にあつらえられたカーブ型のテーブルで、この時の弾劾裁判以来、21年ぶりに使用されたということです。